現在の政局においては日本維新の会の脅威が最大の問題だと私は考えているからこのところずっと維新の批判ばかりしているが、例の元号新選組は維新にすり寄ったあげくに立民の野党第一党の座を危うくした泉健太よりも前代表の枝野幸男を含む立民の「リベラル派」*1を主要な標的にしているのではないかと一部で指摘されている。
例えばの下記ねむり猫氏のツイートを受けた黒川滋(くろかわしげる)氏のツイートがその例だ。
わいわ新選組の山本代表は、立憲民主党などに野党第一党任せられないと考えていると思う。その是非は別として、それならば泉代表はじめ、菅・野田・岡田・西村・逢坂・安住・長妻議員等々の幹部の所へも対立候補を立てるならわかるのだけれど。特に枝野前代表を狙うのはなぜだろう。 https://t.co/Rg3Kabn0ja
— ねむり猫〈まゆり@非国民です@あきらめない〉 (@ynogi3) 2023年5月19日
れいわは結局のところ、立憲民主党の非保守の議員のところばかり対立候補を立てて、自民党と立憲民主党のより保守的な議員の割合を増やすことに寄与する勢力だな、としか思いません。
— くろかわしげる (@kurokawashigeru) 2023年5月19日
立候補の自由があるのでしょうがないのですが。
それと格差の問題を全部消費税のせいにしすぎです。 https://t.co/nEX0HZj88U
私も黒川氏に同感だ。たとえば、近年立民に対する批判を強めている私が支持する数少ない立民の衆院選候補予定者の一人が愛知10区の藤原規眞(のりまさ)氏だが、この選挙区はリベラル派にはなかなか厳しいらしく、現在の勢いのまま衆院選が行われたなら藤原氏は選挙区当選はもちろん比例復活も困難な情勢だと思われる。ところが新選組は前回の衆院選でその愛知10区に候補を立ててきた。その候補とは元希望の党の安井美沙子だ。安井は長島昭久の「国軸の会」の所属歴を持つ、極右ではないかと強く疑われる人物だったことは弊ブログで何度も指摘してきた。前回の衆院選で本来なら比例で復活当選できた安井が得票率不足で当選できずに供託金を没収されたのはいい気味だった。この件で山本太郎の怒りを招いた安井には、もう新選組から立候補する目はなかろう。
以下、愛知10区の風土と過去2回の選挙結果をWikipediaから引用する。
歴史[編集]
古くから全国有数の繊維業の盛んな地域として発展してきたため、工場が多数立地し労働者の影響力が強い一方で県内でも歴史が古く旧住民も多いことから、県内有数の保守王国として君臨してきた。中選挙区・旧愛知3区時代は海部俊樹元首相や江﨑真澄元総務庁長官が地盤としていた。しかし1980年代以降は繊維産業の低迷や小牧市・春日井市などの台頭によって地位が低下、名古屋市のベッドタウンとしての色彩が濃くなった。それに伴う形で無党派層の増加も見られる。2000年代は有力な与野党候補を中心として接戦になることが多く、江崎真澄の三男である江﨑鐵磨と他の候補で交互に当選者を出している状況であったが、2012年以降は江崎が小選挙区で当選し続けている。
小選挙区制施行以後は江崎鐵磨(新進党→自由民主党)や社会党出身の佐藤観樹(社会党→民主党)、元銀行員の杉本和巳(民主党→みんなの党→無所属→日本維新の会)が当選している。
小選挙区選出議員[編集]
選挙名 年 当選者 党派 第41回衆議院議員総選挙 1996年 江﨑鐵磨 新進党 第42回衆議院議員総選挙 2000年 佐藤観樹 民主党 第43回衆議院議員総選挙 2003年 江﨑鐵磨 保守新党 第44回衆議院議員総選挙 2005年 自由民主党 第45回衆議院議員総選挙 2009年 杉本和巳 民主党 第46回衆議院議員総選挙 2012年 江﨑鐵磨 自由民主党 第47回衆議院議員総選挙 2014年 第48回衆議院議員総選挙 2017年 第49回衆議院議員総選挙 2021年 選挙結果[編集]
時の内閣:第1次岸田内閣 解散日:2021年10月14日 公示日:2021年10月19日
当日有権者数:43万6560人 最終投票率:54.49%(前回比:1.12%) (全国投票率:55.93%(2.25%))
当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧 得票数 得票率 惜敗率 推薦・支持 重複 当 江﨑鐵磨 78 自由民主党 前 81,107票 35.01%―― 公明党推薦 比当 杉本和巳 61 日本維新の会 前 62,601票 27.02%77.18% ○ 藤原規眞 43 立憲民主党 新 53,375票 23.04%65.81% ○ 安井美沙子 56 れいわ新選組 新 20,989票 9.06%25.88% ○ 板倉正文 63 日本共産党 新 13,605票 5.87%16.77% 時の内閣:第3次安倍第3次改造内閣 解散日:2017年9月28日 公示日:2017年10月10日
当日有権者数:43万6482人 最終投票率:53.37%(前回比:2.68%) (全国投票率:53.68%(1.02%))
当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧 得票数 得票率 惜敗率 推薦・支持 重複 当 江﨑鐵磨 74 自由民主党 前 88,171票 39.01%―― 公明党 安井美沙子 52 希望の党 新 66,560票 29.45%75.49% ○ 比当 杉本和巳 57 日本維新の会 元 44,258票 19.58%50.20% ○ 板倉正文 59 日本共産党 新 27,044票 11.96%30.67%
最近ちょっとした件で話題になった櫛渕万里も元希望の党だ。下記は今年(2023年)2月に共産党を離党した大野たかし氏のツイート。
財務省の不信任案決議のときに、れいわの議員が「与党も野党も茶番」などという紙を掲げて、自己PRをしました。
— 大野たかし (@koredeiinoka) 2023年5月18日
この議員は、17年の総選挙では、安保法制合憲を掲げる小池百合子氏率いる希望の党から立候補した人です。
今言っている政策との整合性が取れていません。
茶番なのはこの議員のほうです。
この櫛渕についても黒川氏のツイートがある。
消費税増税も賛成しましたし、希望の党も選挙区は希望が叶いませんでしけど、飛び移った順番から言えばチャーターメンバーとなります。 https://t.co/hhQUZlyKIn
— くろかわしげる (@kurokawashigeru) 2023年5月18日
これらのツイートを見たのでちょっと櫛渕について調べてみたのだが、実にわけのわからない人との心証を持った。
というのは、確かに黒川氏の言う通り櫛渕は「飛び移った順番から言えば(希望の党の)チャーターメンバー」なのだが、そのほんのちょっと前には櫛渕は小池百合子らによる「排除リスト」に名を連ねていたらしいのである。ソースがリテラと日刊ゲンダイくらいしかないので信頼性はイマイチだが、下記に示す。まずリテラの記事。
以下引用する。
昨日、「(リベラル派は)排除する」と明言した小池百合子・希望の党代表。小池新党は「打倒安倍政権」と打ち出しつつ、実際はリベラルの分断を図り、極右政党として自民党の補完勢力を目指していることはこの発言からもあきらかだ。
事実、永田町では、小池代表の「リベラル排除」宣言の前から、民進党議員を選別するために希望の党が作成したという「排除リスト」が出回っている。
「これが本物かどうかの裏は取れていませんが、最初の段階で小池と、若狭勝と細野豪志が“絶対にこのメンバーは外す”としてリストアップした第一弾のリストと言われているものです。各社政治部はどこの社も入手していますよ」(全国紙政治部記者)
すでに一部民放のニュース番組もその存在を報じているが、実際に誰の名前が載っているかは明らかにされていない。そこで、本サイトはそのメモを独自に入手し、公開することにした。そこに並んでいたのは、以下のような名前だった。
《野田佳彦/菅直人/手塚仁雄/辻元清美/赤松広隆/近藤昭一/長妻昭/枝野幸男/岡田克也/阿部知子/安住淳/海江田万里/櫛渕万里》
計13人。ほとんどは民進党の代表経験者とリベラル色の強い議員であり、ある意味、予想通りとも言える。ただ、現職ではない海江田氏や櫛渕氏の名前も入っているうえ、そもそも公認を申請していない人の名前も含まれていることからも、排除の徹底ぶりがうかがえる。唯一意外なのは、希望の党への合流に向け「前から憲法改正に賛成」とアピールしていた安住氏が入っていることだが、これは小池が安住のことを嫌っているためではないかと言われている。
次に日刊ゲンダイ。こちらの排除リストは13人ではなく15人だ。
菅直人 (東京18区)
野田佳彦 (千葉4区)
岡田克也 (三重3区)
赤松広隆 (愛知5区)
長妻昭 (東京7区)
枝野幸男 (埼玉5区)
安住淳 (宮城5区)
近藤昭一 (愛知3区)
辻元清美 (大阪10区)
阿部知子 (神奈川12区)
篠原孝 (長野1区)
初鹿明博 (東京16区)
海江田万里(東京1区)
手塚仁雄 (東京5区)
櫛渕万里 (東京23区)
URL: https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/214651/2
このリストを見ると、保守派の長老である岡田克也と野田佳彦の名前が目立つが、これはいうまでもなく典型的な独裁者である小池百合子が「うるさい長老」を嫌ったものであろう。これに乗っかって我が物顔に振る舞った大馬鹿者が細野豪志だった。
しかし櫛渕万里はわからない。そもそも希望の党騒動以前の民主党議員時代の言動も、いやそれ以前に櫛渕の人生全体がわけがわからないのだ。
以下Wikepediaより。
櫛渕 万里(くしぶち まり、1967年〈昭和42年〉10月15日 - )は、日本の政治家。れいわ新選組所属の衆議院議員(2期)。れいわ新選組共同代表[2]。ピースボート元事務局長。
来歴[編集]
1967年(昭和42年)10月15日、 群馬県沼田市に生まれる。沼田市立沼田小学校、沼田市立沼田中学校、群馬県立沼田女子高等学校卒業。
1991年(平成3年)3月 、立教大学社会学部卒業。同年、ピースボートの職員となる。後に事務局長に就任。
1995年(平成7年)、田中秀征(新党さきがけ)の「さきがけ塾」専修科生となる。
2006年(平成18年)、民主党国会議員候補公募試験に合格、2008年(平成20年)3月にピースボートを退職する[3]。
2009年(平成21年)8月30日の第45回衆議院議員総選挙に民主党公認で東京23区から出馬。自由民主党の伊藤公介を破り初当選した[4]。
2011年(平成23年)8月26日、菅直人首相が民主党代表辞任を正式に表明[5]。菅の辞任に伴う代表選挙(8月29日実施)では馬淵澄夫の推薦人に名を連ねた[6]。
2012年(平成24年)12月16日の第46回衆議院議員総選挙は、日本維新の会の伊藤俊輔、みんなの党新人、日本共産党新人、日本未来の党新人との間で野党票が分散し、次点で落選。比例復活もならなかった[7]。
2014年(平成26年)12月14日の第47回衆議院議員総選挙に再び立候補したが、ここでも維新の党の伊藤俊輔、日本共産党新人との間で票が分散し、次点で落選。比例復活もならなかった[8]。
2016年(平成28年)3月27日、民主党と維新の党が合併し民進党を結成。櫛渕も同党に参加。
2017年(平成29年)9月28日、民進党は希望の党への合流を決定[9][10]。9月29日、希望の党の小池百合子代表は、安保法制や憲法改正などで政策が一致しない公認希望者について「排除いたします」と明言した[11]。9月30日、民進党の前職、元職計15人の「排除リスト」が出回り、その中には櫛渕の名前もあった[注 1]。10月2日、枝野幸男は記者会見し、「立憲民主党」を結党すると表明[14][15]。「一貫して護憲を訴えたリベラル派」(東京新聞)と評された櫛渕であったが[16]、枝野、長妻昭らが立ち上げた新党に加わる意思はなかった。10月3日、自由党の小沢一郎共同代表は第48回衆議院議員総選挙に無所属で立候補すると表明し、同党は衆院選候補者に公認を出さないことが発表された[17]。自由党千葉3区総支部長で元衆議院議員の岡島一正は公認先を模索することとなるが、同日午後、希望の党が同選挙区に櫛渕を送り込んだことが早くも明らかとなった[18]。10月6日、立憲民主党は岡島を公認したと発表した[19]。
同年10月22日の第48回衆議院議員総選挙に希望の党公認で千葉3区から立候補[20]。自民党の松野博一が当選。次点の岡島は比例復活で当選。3番目の櫛渕は比例復活もならず落選した[21]。
2020年(令和2年)2月17日、れいわ新選組が次期衆院選に櫛渕を東京22区に擁立すると発表した[22]。
2021年(令和3年)10月31日の第49回衆議院議員総選挙に東京22区から立候補したが、自民党の伊藤達也に敗れ4人中3位で落選した[23]。れいわ新選組は比例東京ブロックで1議席を獲得。単独比例1位だった代表の山本太郎が当選し、名簿の登載順位2位だった櫛渕は次点で落選した[24][25]。
2022年(令和4年)4月15日、れいわ新選組代表の山本太郎衆議院議員が細田博之衆議院議長へ辞職願を提出[26][27]。同日午後の記者会見で、党勢拡大のための辞職と説明し、次期参院選に立候補する意向を表明した。これに伴い、同月27日の選挙会で次点で落選した櫛渕の繰り上げ当選が決定[28][29]、翌28日に中央選挙管理会による当選の告示[1]の日から効力が生じ、衆議院議員となった。衆議院内閣委員会に所属[30]。
2022年12月18日、れいわ新選組の代表選挙に大石晃子との共同陣営として立候補したが、山本に敗れ落選。翌19日、山本は櫛渕と大石を党共同代表に指名した[31]。
一体全体、櫛渕万里とは何者なのか。彼女は一体何がやりたいのか。いかなる主義主張や思想信条の持ち主なのか。私にはさっぱりわからない。
一つだけいえるのは、櫛渕とは政界での遊泳能力というか権力工作が実に巧みな人に違いないことだ。実力者に取り入る能力に長けている。この特性から私が連想するのは立民代表の泉健太だ。ある人に言わせれば「枝野よりよほどリベラルだ」という泉だが、立民代表としてやったことは「提案型野党」路線であり「安倍元首相の国葬を静かに見守る」発言であり、「維新の会の政策は立民とそんなに違わない」という発言に代表される維新へのすり寄りだった。泉もまた思想信条や主義主張がよくわからない人間だ。
櫛渕が小池百合子らに嫌われたのは、おそらく小池が嫌う政治家に櫛渕がすり寄ったからだと思われる。櫛渕がどういう手段を使ったのかは不明だが、小池の「誤解を解く」ことに成功したと思われる。だから希望の党のチャーターメンバーになれたのではないだろうか。
櫛渕のこの政界遊泳術は新選組でも遺憾なく発揮された。櫛渕にはもともと確たる思想信条や主義主張もあるまいから、新左翼系の大石晃子とも平気で組める。山本太郎は「保守ど真ん中」を自認する人間だから、内心では大石の「暴走」を大いに警戒しているに違いない。その山本にうまくすり寄ったのが櫛渕なのではないか。山本は、大石の暴走の止め役を櫛渕に期待していると思われる。
以上が私が推測する「櫛渕万里の処世術」だ。櫛渕とは全く信用ならない人間だ。
私は、櫛渕万里に対してこれっぽっちのシンパシーも抱くことはできない。先日出された櫛渕と大石晃子への懲罰動議は支持しないけれども、それとは別に櫛渕も大石も政治家として全く信用できない。