結党まで1か月を切った(?)「日本保守党」について再び。
弊ブログは先日、下記記事を公開した。
以下、当該予定政党の今後を予想した箇所を再掲する。
悪いが、それじゃ当選者なんか出るはずないよな、と思った。そもそも百田尚樹自体、最近は全然こいつの名前を見聞きしないよなあ、と思っていたところだった。
普通に考えたら、杉田水脈にしたって、たとえ比例名簿の登載順序を落とされて、安倍政権時代のような選挙の心配をしなくても良い特権を剥奪されようとも、自民党からの出馬を選ぶに決まっているのではないか。
URL: https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2023/09/17/141353
宮武嶺さんのブログもこの結成予定極右政党を取り上げた。
以下引用する。
常に最悪の事態を想定するのが習性の弁護士であるわたくしは、今井絵理子(自民)とか中条きよし(維新)とかでも議員にはなっているので(笑)、日本保守党は政党要件(得票率2%または国会議員数5人以上)を具備することだけはない、とだけ言っておきたいと思います。
実際、世良公則とかほんこんとか右翼タレントが日本保守党に結集したらみんなで笑ってやりましょうwww
URL: https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/c61015367879cd30e48008ddef60a42e
うーん、得票率1%台とか国会議員数4人とかならあり得るってことですか? ちょっと弱気すぎるんじゃないかなあ。
そう思っていたら、宮武さんの記事の2日前に三春充希さんの下記noteが公開されていることに気づいた。私は有料読者ではあるけれども、noteを閲覧する頻度はさほど高くない。
noteの有料記事の良いところは、ログインした状態でも有料部分と無料部分との境界がはっきり表示されることだ。これが朝日や毎日のサイトだとそうはいかないので、記事を引用する時にはいったんログアウトして境界を確認してから無料部分だけを引用することにしている。
三春氏のnoteの無料部分を以下に引用する。
最近は、百田尚樹氏らが結党を計画している日本保守党について質問を受けることが増えています。そこで今回は、まだ結党もしていない段階ではあるものの、これまでに存在した保守政党や極右政党のデータを参考にしながら、この政治団体に検討を加えることにします。
これまでぼくは、いくつかの記事のなかで「政党のデスゾーン」という仮説を提示してきました。
政党のデスゾーン
自民党には、その引力によって他の政党を粉砕してしまう領域があり、スタンスを寄せた政党は生き残れなくなるという仮説。かつて次世代の党、日本のこころを大切にする党、保守党、保守新党などが臨んだ全ての国政選挙で惨敗したことによる。
これはつまるところ、新興政党が路線を重ねたところで、実績や利権や組織力をもつ自民党には対抗できないということを端的に表しているものです。
自ら「保守」を掲げ、自民党を「リベラル」とする百田氏の発言などからは、彼が日本保守党を自民党より右のポジションに位置づけていることがうかがえます。しかしながら、今の自民党には杉田水脈氏や和田政宗氏など、右側に振り切っている人物が多く所属していますから、右側はどこまでもデスゾーンにかかるものと考えます。
過去にデスゾーンに入った政党や政治団体としては、かつて存在した保守党や保守新党、たちあがれ日本、次世代の党、日本のこころ、幸福実現党、日本第一党、新党くにもり、維新政党・新風などを挙げることができますが、これらが衆院選の比例代表で議席を得た例はありません。また、参院選の比例代表は最大1議席にとどまります。
以下には、すでに挙げた政党や政治団体に加えて、自民党の和田政宗氏の票の分布を地図として収録しています。それらを一通り見ていくうちに、百田氏らの日本保守党が選挙に臨んだ場合の票の分布も浮かびあがってくるはずです。ほとんどが内部の公開ですみません。でも切れ味をお見せします。(以降有料部分)
現在の自民党には既に杉田水脈や和田政宗、それに宮武さんのブログ記事に出てくる高市早苗などの極右議員が少なからずいる以上極右政党が入り込める余地はほとんどなく、過去の極右政党群も比例ではせいぜい参院選比例区の1議席しか獲得できていないとの指摘だ。しかも三春さんは指摘していないが日本維新の会にも少なからず極右議員がいる。
百田尚樹も『永遠の0』(2006)がなぜか安倍晋三が総理大臣に返り咲いた2012年衆院選の少し前くらいの同年秋くらいから人気が出始めて、2013〜15年に人気全盛期を迎えてNHK経営委員にまでなりやがった頃と比較すると「オワコン」の感が強い。そんな百田がいまさら「新党」を立ち上げたところで見向きもされないと思われる。
何しろ百田の全盛期にネトウヨたちが叫んでいた「日本スゴイ」がもう流行らない。日本が斜陽国家であることが誰の目にも明らかになりつつある今、若年層が極右に走る動機などもはやない。若年層は極右どころか自民党政権にも否定的な度を増しており、それが岸田内閣支持率低迷の大きな原因になっている。そんな状況を読めずにドリル優子なんかを重用する愚策に走る岸田文雄など見捨てられて当然だ。だが、岸田がダメだからといってそれよりもっと後ろ向きの極右が若者に支持されようとは私には到底思われない。
百田らがよほど有力な国会議員をスカウトでもできれば別だが、彼ら国会議員もせっかく持っている自民党や維新の議席を捨ててオワコン人士たちが主宰する極右政党に走るはずがない。
だから私は、日本保守党には2025年参院選での比例区1議席だって獲得は無理だろうと思うのだ。当然ながら衆院比例ブロックでは歯が立たず、国会議員をスカウトできなければ選挙区での当選も無理だから、日本保守党には国政選挙での議席獲得はできないとの意見は変わらない。
だからフジサンケイグループも産経新聞は自民党、夕刊フジは日本保守党に棲み分けるのだろう。