kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日本の左派やリベラル派は、味方ないし「敵の敵」の権力に対する認識が甘すぎるのではないか

 まず、だいぶ遅くなってしまったけれども、宮武嶺さんのブログのコメント欄常連である津木野宇佐儀さんから下記のコメントをいただいたことにお礼申し上げる。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 津木野宇佐儀

Kojitakenさん、私の宮武嶺のブログのコメントに対してお答えいただい出て、恐縮です
宮武さんのブログのコメント欄にも、私は抗戦しつつも、他国・諸機関が停戦を求め続ける、というのが私なりの答えなのかな、と書きましたが、
抗戦(の支援)だけでなく、(AUやインド等が)何らかの関与をし続け、それがプーチンのさらなる暴走を抑止することができればいいのでは、と思います(甘い観測だといわれるでしょうが)。

 

 私は他国からの働きかけにプーチンが応えてくれると期待するのは、あまりにも甘い考えではないかと思います。権力者という人種は自らの権力を守るためには何でもやるというのが習い性で、プーチンはこれまで自らの権力にとって脅威となる可能性のある人たちの命を、たとえ自らは手を汚していないとしても奪っていった人間です。そんなプーチンウクライナの人々の生命などなんとも思っていないことは明らかですし、仮にウクライナを降伏させたら、敗戦国の国民に何をやるかわかったものではないと考えています。ですからウクライナの国民は、戦争によって自らの命を失うリスクと、敗戦国の国民となって生き地獄を味わうリスクの選択を強いられているのであって、そんな案件に対して他国の国民が軽々しく「即時停戦か徹底抗戦か」などという命題を立てること自体、ウクライナ国民の尊厳を毀損する傲慢不遜な態度だと思います。この理由によって私は「即時停戦」には絶対に与しませんし、ウクライナ国民のロシアに抵抗する形態にしてもいろいろ考えられるでしょうから「徹底抗戦」という言葉も使いたくないと考えています。

 何か日本の左派やリベラル派の間では、ロシアのような「敵の敵」ないしは自らの支持政党のような「味方」(のはず)の権力に対する認識が甘すぎる傾向があるように私には思えてならないんですよね。これは左派の出発点を考えると実に不思議なことだと思います。少なくとも私はいかなる権力にも強い懐疑を持つ態度を基本にしています。たとえ野党の執行部であっても。

 この問題について、弊ブログの古い記事(今年4月1日付)にコメントをいただいたのですが、現在弊ブログが使っているはてなブログのテンプレート(もっともシンプルなデザインが気に入っているので変えるつもりはない)には最新のコメントは表示されないので(それが気に入っている大きな理由の一つ)、おそらくブログを運営している私以外誰も気づいていないと思われるので、以下に紹介します。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 fkoduka

異論があります。残念ながら、左翼でプーチン支持とはいわないまでも、結果的にロシアを容認するひと多いですよ。「NATOがロシアを追い詰めたけっかこうなった。ウクライナは占領された土地をあきらめて早く講和しろ。それがこれ以上戦争て血を流さない唯一の道だ。紛争をおさめるために西側はウクライナに武器を送るな」という。この間、リベラル左派知識人が2回もそういう声明だし、新聞に意見広告までのせた。恥知らずというか、狂ってるというか。上野千鶴子姜尚中も和田春樹も。伊勢崎某、羽場久美子、斎藤貴男、マイナーなところでは天野恵一、加藤登紀子、吉岡忍。岡真理、小出裕章。わたしの関係してる左翼の反戦運動やってる人たちにも、ぞろぞろ。西谷修なぞ完全に陰謀論にはまってます。
みんなSNSをやらない高齢者なんですね。ネットの左翼、右翼だけみててもでてこない。
かれら、森喜朗鈴木宗男橋下徹と内容は同レベルです。

 

 その意見広告は知っています。9条改憲派伊勢崎賢治は左翼ではなく右翼だと思いますが、他の人は左翼またはリベラルの人士だということは認めます。

 ただ、意見広告に名を連ねた人の態度には濃淡があって、和田春樹や伊勢崎、それにご指摘の西谷修らは完全に深入りしてはまっていますが、名を連ねただけでこの件に関する意見をほとんど発信しない人たちも結構いるみたいなんですよね。そのことは宮武嶺さんもしばしばブログ記事で指摘されてますけど。

 ですから、付き合いというかしがらみというかで仕方なく名を連ねたみたいな人たちも少なくないんじゃないかと思います。もちろん、和田、伊勢崎、西谷らは厳しく批判されて然るべきだと思いますし、しがらみで名を連ねた人たちに対してもあまりにも無責任だとして批判しますけど。

 

 上記の件に関連して、野党内での権力のあり方について、こたつぬこ氏がポストした下記Xが目に入った。

 

 

 「志位さんは権力を持っていない」とはあんまりな言い方だとは私も思う。

 しかし、政治おじいちゃん氏のマストドン経由で知ったこたつぬこ氏の下記Xとなると、こちらはどうかと思う。

 

 

 私はXのアカウントを持っていないので推測に過ぎないのだけれど、どうも上記Xのような、かつては共産党系で有名だった「軍師」氏のポストが、Xの立民支持主流派の人たちの「単独主戦論」を勢いづけているものかもしれない。

 下記はこれに対する政治おじいちゃんお化け氏のマストドン(同内容のXもある)。

 

fedibird.com

 

 私が政治おじいちゃんお化け氏に軍配を上げることはいうまでもない。

 とにかく小選挙区制なんだから、票が多い方が勝ち。そのためには組んだ相手が民主集中制だろうが民民のような玉木雄一郎のトンデモ暴走独裁政党だろうが山本太郎の方向性が異なるトンデモ暴走独裁政党だろうが構うことはない。そもそも立民支持層にしたところで泉健太への求心力を求める同調圧力をかけまくっているのだから、共産や民民や新選組といくらも変わらない。こと選挙においては勝つためには手段を選ばなくて当然だ。自民党はその基本を外さなかったから、これほどどうしようもない空洞になってしまった現在でも政権を維持し続けている。正直言って私は、政権担当能力が日本で一番低い政党が自民党だと思っている。それくらい中身が何もない。しかし自民党政権は惰性で今も続いている。

 

fedibird.com

 

 上記マストドンが立民支持層主流派の同調圧力の強さをよく示している。

 しかし2021年衆院選での枝野立民の比例ブロック得票率20.0%が2022年参院選での泉立民の比例区得票率12.7%に激減したことは厳然たる事実だ。もちろん衆院選参院選を比べるなという話はあるが、新立民発足後の国政選挙はこの2回しかない。2019年の旧立民と2022年の新立民との比較も同様に意味がないし、この比較をしても2019年の旧立民の比例区得票率は15.8%だったから合流で図体がでかくなったのにもかかわらず得票率は2割も減っている。なお21年衆院選と22年参院選との比較だと比例得票率は37%減っているから、弊ブログではいつも「代表が枝野から泉に代わって立民の比例票の2〜4割が流出した」という書き方をしている。

 まず国政選挙という全数調査結果を絶対に軽視するなと言いたい。去年の後半だったかに政党支持率で立民が維新を抜いて上昇し、維新の政党支持率が下落傾向にあった頃、当時はまだアカウントを持っていなくても閲覧できたXで立民支持層主流派は大喜びしていたが、その政党支持率の流れは今年の統一地方選で一変した。その統一地方選前に立民との提携解消を通告してきた維新に対し、立民代表の泉健太は最初「そこをなんとか考え直してほしい」みたいな反応を示していたが、泉はあれほど党内での権力闘争に長けているにもかかわらず他党との権力闘争にはさっぱり無能であることを露呈した。これには空いた口が塞がらなかったのである。しかしそれにもかかわらず立民支持層主流派たちは泉に付き従い続ける。まるで2012年に「日本未来の党」に小沢一郎一派が乗っかった時のオザシンそっくりだと思った。

 歴史は二度目は茶番として繰り返すというが、今度は2012年の一度目の方が茶番で、二度目は深刻な悲劇になるのではないかと思わずにはいられない。