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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

内閣支持21.3%、最低更新 自民も下落19%―時事世論調査/しかし立民の落ち込みは自民よりさらにひどい

 このところ、岸田内閣の支持率下落がこれでもか、これでもかと報じられ続けている。自民党自体の支持率低下も顕著だ。たとえば個別面接方式をとっているために他のメディアよりは政党支持率が著しく低く出る傾向がある時事通信世論調査では、岸田内閣支持率21.3%で自民党支持率19.1%という数字が出た。だが政党支持率でいえばさらに悲惨なのが野党第一党である立憲民主党(立民)で、わずか2.7%しかなく、維新の4.6%、公明の4.1%の後塵を拝する4位だ。もう元号新選組の1.7%といくらも違わない。

 以下時事通信の記事を引用する。

 

www.jiji.com

 

内閣支持21.3%、最低更新 自民も下落19%―時事世論調査

2023年11月16日17時47分

 

 時事通信が10~13日に実施した11月の世論調査によると、岸田内閣の支持率は前月比5.0ポイント減の21.3%だった。岸田政権で過去最低だった前月をさらに下回り、2012年12月の自民党政権復帰後に実施した調査でも最低となった。不支持率は同7.0ポイント増の53.3%で岸田政権として最も高くなった。

 

 内閣支持率が政権維持の「危険水域」とされる2割台となるのは4カ月連続。自民党政党支持率は19.1%で、政権復帰以来最低だった前月からさらに1.9ポイント減らした。総合経済対策に盛り込まれた定額減税への厳しい評価や、自民所属の政務三役の相次ぐ辞任が影響した可能性がある。

 

 岸田文雄首相が打ち出した所得税・住民税の計4万円減税に対しては「評価しない」が51.0%と半数を超え、「評価する」は23.5%。住民税が課税されない低所得世帯への7万円給付は「評価しない」44.4%で、「評価する」は33.4%だった。

 

 10月26日に山田太郎氏が文部科学政務官を、同31日に柿沢未途氏が法務副大臣を辞任した。首相の任命責任について「重い」と答えた人は57.5%に上り、「重くない」は14.7%にとどまった。調査最終日の今月13日には神田憲次氏も財務副大臣を辞任した。

 

 内閣を支持する理由(複数回答)は、多い順に「他に適当な人がいない」9.8%、「首相を信頼する」3.8%、「印象が良い」3.5%など。支持しない理由(同)は、「期待が持てない」(31.8%)、「政策がだめ」(27.3%)、「首相を信頼できない」(20.0%)の順だった。

 

 政党支持率は自民に続き、日本維新の会4.6%(前月比0.7ポイント増)、公明党4.1%(同1.0ポイント増)、立憲民主党2.7%(同0.4ポイント減)の順。以下、れいわ新選組1.6%、共産党1.1%、国民民主党0.9%、社民党と参政党がいずれも0.5%、みんなでつくる党(旧政治家女子48党)0.1%。「支持政党なし」は62.5%だった。

 

 調査は全国18歳以上の2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は57.2%。

 

時事通信より)

 

URL: https://www.jiji.com/jc/article?k=2023111600810&g=pol

 

 三春充希氏の「リアルタイム得票数推定」がまた更新された。いったん回復傾向をかと思われた立民がまたまた維新に抜き返されている。

 

mstdn.jp

 

 以下に自民、立民、維新3党の2021年衆院選比例得票率との比較を示す。

  • 自民 リアルタイム1669万(21年衆院選1991万、83.8%)
  • 立民 リアルタイム718万(21年衆院選1149万、62.5%)
  • 維新 リアルタイム769万(21年衆院選805万、95.5%)

 

 昨年(2022年)の参院選で立民の比例代表得票率は12.7%で、21年衆院選の20.0%と比較して36.5%下落した。現在の立民の政党支持率はほぼ参院選当時と同じだと思われる。三春氏のリアルタイム得票数推定は合計の値が2021年衆院選より1割ほど少ないので、上記の21年衆院選比62.5%は母数の減少を補正すると21年衆院選比で7割ほど、つまり約3割減になると思うが、泉健太が大きな敗北ととらえ、その状態からの再建者と自らを位置づけているはずの21年衆院選よりさらに3割の票を減らし、昨年の参院選当時と同じような党勢を続けているのが現在の立民だということだ。

 その理由は明らかで、泉執行部がとってきた提案型野党路線及び維新へのすり寄りによって、立民は自民や維新の亜流としてしかみられていないことが理由だ。いや、実際に泉健太は自民や維新の亜流そのものだと私も思う。

 先日は5年を目処に云々の発言で泉が読売に見出しで揚げ足を取られたが、ああいう見出しをつけられても仕方がなかったと私は考えている。

 自民も立民も維新も支持しない立場の人間として言えば、泉はこのまま自民党に5年間も政権を続けさせるつもりかよ、と思った。

 泉はおそらく、今の岸田政権の政策の微修正くらいでちょうど良いとでも考えているのだろう。だから、代表質問でも岸田と泉は供給側からの経済政策が必要という点では立場が同じで、それに対して自民への抱きつき戦術をとっている民民の玉木雄一郎から「需要が弱っている」とXで自民・立民一緒くたにして批判された。

 視点を変えて、自民党の反岸田人士の立場から考えてみると、本当に岸田文雄のあとに総理大臣になりたい人など誰もいないのではないだろうか。たとえば「岩盤保守」とやらの、本当に存在するかも怪しい層にアピールする物言いをして総理大臣になっても、具体的に日本を再建する政策など彼らは果たして持っているだろうか。

 たとえば今は右も「左」も減税を求める声がやたらと大きい。しかし、イギリスでは本当に大規模な減税を公約に掲げて某元号組の経済政策の指導者に現Xで絶賛されたリズ・トラスの政権がイギリスの歴史上最短の49日で瓦解し、後任にゴリゴリの財政再建至上主義者のリシ・スナクが就任して今に至る。スナクの緊縮財政路線は当然のごとく不人気を極めているが*1、この例からもわかる通り、イギリスでも保守党の政治は完全に行き詰まっており、政党支持率では保守党は労働党に大差をつけられている。つまりイギリスでは労働党政権交代を視野に入れている。

 下記は少し古いが10月14日のロイターの記事。

 

jp.reuters.com

 

[ロンドン 14日 ロイター] - 英紙オブザーバーが掲載したオピニアムの世論調査によると、野党労働党が支持率で与党保守党にリードを広げている。また、スターマー労働党党首の評価が大幅に上昇した。

調査では、労働党支持率が44%で党大会開催前の前週から2ポイント上昇、10月に入り党大会を行った保守党の支持率は28%で変わらずだった。

また、スターマー氏を「次期首相」とみている有権者は38%と、30%から上昇した。

スナク首相は来年にも総選挙を行うとみられているが、世論調査では常に保守党の支持率が労働党に後れを取っている。

スターマー氏は党大会で、住宅建設拡大と経済成長加速を公約に掲げた。

 

URL: https://jp.reuters.com/article/britain-politics-labour-idJPKBN31G01U

 

 これがイギリスの現状だ。

 泉の「5年後」発言が読売に揚げ足を取られたばかりか、人々の失望を買ったのも当然だろう。私など、あの発言が立民の「リアルタイム得票率推定」の反落につながったのではないかと推測している。

 経済の縮小期にこそ、逆再分配にしかなりようがない減税などではなく、強い再分配が求められるのはあまりにも当たり前のことだ。だから、今の野党第一党には、正直言って私から見れば物足りないところも少なからずあるけれども「枝野ビジョン2023」が相対的にはもっともマシであって、それを前面に打ち出すことができる人*2に立民代表を代えるべきではないか。その確信は強まりこそすれ弱まることなど全くない。

*1:日本の野党にたとえれば、減税を絶叫して総理大臣になった山本太郎政権が7週間で崩壊し、そのあとを野田佳彦が総理大臣になったものの不人気を極めているような状態だ。

*2:それは枝野幸男本人ではない方が良いというのが私の変わらぬ意見だ。