kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

岸田首相の選択は年内解散しかない (安積明子)

 NHK世論調査で維新の政党支持率が低下して立民に逆転された云々の話があって、またぞろ「泉信者」たちがホルホルしているかもしれないが、泉立民には無党派層の支持が相当程度流出してしまったために「選挙ブーストが小さい」という致命的な弱点があることを忘れてはならない。

 野党の政党支持率については三春充希氏のグラフを眺めるだけで良い。

 

 

 一時は差がかなり開いた維新と立民の政党支持率がほぼ拮抗するようになったのは事実だ。なぜか自民、公明、民民、新選組政党支持率が一斉に低下し、立民と共産が上向いているが、後者の理由はよくわからない。現在の立民や共産自体にはそれぞれ支持率が上がる要因など何もなさそうに見えるからだ。岸田政権や維新に対する批判がやや強まったために相対的に選ぶ人がやや増えたくらいしか理由が思いつかない。確かに維新には鈴木宗男の除名転じて離党問題が持ち上がるなど一見あまり良い材料はなさそうに見える。しかし一つ大きな懸念がある。

 内閣改造をしても支持率がさっぱり上向かない岸田政権にとっては、20日に開会する臨時国会はマイナス材料にしかならないから、国会開会後の早い時期の解散の可能性がかなり高いと思われるが、岸田内閣及び自民党に不満を持つ人たちの多くが維新に流れる可能性は相当に高いように思われるからだ。マスメディアもその方向性を持つ報じ方がやたらと目立つ。

 下記は政治おじいちゃん氏のマストドン

 

fedibird.com

 

 公明党議席が相当数減りそうだという件が岸田文雄の解散にブレーキをかける要素になるかといえば、それは絶対にそうはならないと私は断言する。自民党はそのような「友党に優しい」政党では決してないし、岸田文雄はそんな人情のある政治家では間違ってもない*1

 なぜなら、公明党の大幅な議席減は間違いなく起きるだろうと私も思うけれども、それは大阪や兵庫での維新と公明党の協力関係を、得票力が増してきた維新が反故にするためであって、維新がその方針を変えない限りはその流れは変わらないからだ。これを自民党から見れば、「そんなのはこれまで維新と癒着してきた公明党が悪い、自業自得だ」ということになる。ましてや、弊ブログが以前にも指摘した通り、岸田文雄が属する宏池会と維新との相性は非常に悪い。維新と相性が良かったのは安倍菅であって、ことにヤフコメなどを見ていると、最近は岸田をけなして菅義偉を持ち上げる右翼のコメントが多い。維新が今後さらに勢力を伸ばした場合は自民党を割りに行くことはほぼ確実であって、岸田文雄としては何としてもそれを防がなければならない。それが現在の保守及び右翼政治勢力の権力抗争の構図だ。維新が鈴木宗男の除名転じて離党騒動、あるいははかばかしく進まない大阪万博などによって勢いを落としている現状は、岸田文雄にとっては臨時国会開会後さほど日をおかずに解散する絶好のチャンスが近づいてきたことを意味する。そんな岸田にブレーキをかけるとすればそれは岸田自身の不人気(低支持率)しかない。ネットで最近やたらと目にする「増税メガネ」というあだ名に岸田がショックを受けているという話は先日のnews23でも取り上げられていた。

 前回の衆院選からまもなく2年になり、今後は日が経てば経つほど「追い込まれ解散」の様相が強まる。それでなくとも岸田がバイデンに軽々しく約束した軍事費倍増政策による国民生活への悪影響が今後出てくることは避けられないから、岸田はいくら解散を先送りしたくてもそれが自分の首を絞めるだけだということはわかりすぎるほどわかっているはずだ。ただ問題になるのは10月22日の衆参2補選であって、あれで2敗するなら岸田も解散できない可能性が高い。また自民が2勝すれば立民で泉おろしが起きる可能性がある。

 岸田の思惑については、右派の政治評論家である安積明子の下記記事が参考になる。

 

gendai.media

 

 ここでは結びの文章のみ引用する。

 

岸田首相の選択は年内解散しかないことがわかる。岸田首相は1022日の2つの補選の結果を見て衆院解散に打つかかどうかを決めると思われているが、公明党109日に接戦の衆院長崎4区の金子候補に党の推薦を出すことを決定。この「恩義」は衆院選で返されることになる。

 

URL: https://gendai.media/articles/-/117482?page=4

 

 前述の衆参補選は衆院長崎が自民、参院徳島・高知が野党がそれぞれ有利とみられている。その通りの1勝1敗なら、自民党内の岸田批判も立民党内の泉下ろしも起きず、現体制のまま年内に衆院選が行われるのではないだろうか。

 なお、上記安積明子の記事を私はYahoo! JAPANへの配信で読んだ。そのヤフコメを見れば、右派層の願望がぼんやりとながら見えてくる。彼らは明らかに岸田より菅義偉を好んでいる。そしてそれは維新にとっては好都合この上ないことだ。

 

 ここは二正面作戦で行かなければならない。ターゲットは岸田自民と維新の2つだ。両者を同じくらいの強度で攻撃しなければならない。昨年の今頃だったかに泉健太支持者が熱中していた維新への「すり寄り路線」など、やはり「もってのほか」だった。

*1:自民党41減という予想が本当ならば岸田に解散を思いとどまらせる理由にはなるが、わずか3減という予想も出回っていることからも明らかな通り、信用できる情報では全くない。