kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

濱口桂一郎氏のトンデモブログ記事「サヨクとウヨクのウクライナジレンマ」(3/25) は公開日を1週間間違えたのではないか

 濱口桂一郎氏はブログ記事を公開する日付を1週間間違えたのではなかろうか。あれは今日(4/1)公開すべき記事だった。

 そのブログ記事の存在は下記記事のコメント欄で知った。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 suterakuso

これはスレちですが、すでにお気づきかもしれませんが、うーん、リベラル…という話です。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-59560c.html

hamachanブログで若干、構造が分かりにくい記事ですが、簡単に言うと、サヨクにとってプーチンは反米だから正義みたいなことをブログ主が言って、それに能川元一氏がデタラメをと言ったら、ならどうだこれを見ろと、ヨニウム先生を出してきたという記事みたいです。多分、追記したのに、追記したって書いてないのじゃないかなぁと。まあ、読みにくい上に、いかにもあほらしいので精読する気にもならないです。

スレちとは書きましたが、このコメ欄やあるいは、最近のこちらの話題には少し関係していますかね。

 

 その問題のhamachanこと濱口桂一郎氏のブログ記事は下記。

 

eulabourlaw.cocolog-nifty.com

 

 以下、公開当初の記事はここまでではなかったかと推測される部分を引用する。

 

サヨクとウヨクのウクライナジレンマ

 

我が国が東洋平和のためにこんなに一生懸命してやってるのに、鬼畜米英なんかとつるんで敵対しやがってふざけるな、暴支膺懲だ!

という実にいい実例があるにもかかわらず、誰もウクライナ戦争にそれを持ち出そうとしないのは何故か?

中国側の理由は簡単で、習近平がそれを許さないから。内心、プーチンの理屈は大日本帝国と同じやないかと思っている中国人は少なくないと思うが、習近平の世界戦略に反するので、そんなことを匂わせることも許されない。それはよく分かる。

では何故言論が自由な日本でそういう議論がほとんど出てこないのか、といえば、サヨクな人々にとってもウヨクな人々にとっても、それが都合が悪いからだろう。

アメリカ帝国主義がこの世の全ての悪の根源であり、それに抵抗する勢力は何をやらかそうが正義の側に位置するという信念を、かつての平和勢力であった共産圏がほぼ崩壊した後も心の奥底に守り続けてきたサヨクな人々にとっては、反米であるが故に絶対正義の側にあるプーチンを極悪非道であったはずの大日本帝国になぞらえるなどというのは許されない。

逆に、たとえ敗れたりと雖も大東亜共栄圏の理想は正しかったのであり、アメリカとつるんで正義の日本に敵対した支那が悪いんやとの信念を戦後民主主義の悪流の中ですっと守り続けてきたウヨクな人々にとっても、極悪非道のプーチンを絶対正義の大日本帝国になぞらえるなどというのは許されない。

どっちからしても許されないから、そういう誰もが思いつきそうな喩えは出てこなくなるということなんだろう。

 

URL: http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-59560c.html

 

 私の印象にもっとも近いのは下記のブコメだった。

 

サヨクとウヨクのウクライナジレンマ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

このブログ久々に見た気がするが... なんだこれ。

2023/03/30 22:44

b.hatena.ne.jp

 

 ほんとそう。私も濱口氏のブログ記事を読んだのは実に久しぶりだったが(最近では名前も忘れていた)、一読して「なんだこれ」と思った。

 

サヨクとウヨクのウクライナジレンマ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

右翼に関してはウクライナプーチン日帝になぞらえた事に抗議して取り下げさせてたから当てはまる例があったが、プーチンが反米だから支持している左翼ってどれだけの割合かね? 橋下氏も宗男ちゃんも左翼か?

2023/03/29 08:54

b.hatena.ne.jp

 

 共産党系は志位執行部の統制で反露の姿勢が鮮明だし、締めつけの緩い社民党では昨年の社会新報や今年に入ってからの愛知県連などで親露系人士の跳ね上がりがあったけれども前者では記事が削除された。後者の経緯は把握していないが少なくとも主流派ではない。

 新左翼の一部には確かに親露系がいるし、むしろ民族主義系右翼に親露の傾向が強いし(最近では城内実がやらかした)、ブコメにも名前が出ている橋下徹のほかサッカーの本田圭佑のような新自由主義系右派による親露の言論もある。それらを取り込んだのが党名に元号を冠していることからも民族主義的傾向が明らかな「右」も「左」もない×××新選組だろう。この政党(組)は新左翼民族主義系右翼の両方を取り込んでいるからさもありなんだが、しょせんは少数政党だ。

 

サヨクとウヨクのウクライナジレンマ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

プーチンロシア擁護を、「戦前日本と同じくアメリカの暴虐に対する自衛戦争だ」と言ってる人は多いけどな。保守論壇はだいたいそうだろぐらい

2023/03/28 12:53

b.hatena.ne.jp

 

 前述の城内実なんかはこの範疇に入るだろう。

 

サヨクとウヨクのウクライナジレンマ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

"「反米であるが故に絶対正義の側にあるプーチン」と思っている左翼" というのは右翼側がつけているレッテル。むしろプーチンを称賛していたのは右翼側だったのではないか。

2023/03/28 13:21

b.hatena.ne.jp

 

 そうなんだよ。濱口氏はクソ右翼の言説に安易に乗っかってしまっている。たかがブログといえども学者としてあるまじき態度だ。嘆かわしい限り。

 

サヨクとウヨクのウクライナジレンマ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

プーチンロシアの大日本帝国仕草は開戦当初に散々言われてた。

2023/03/26 05:02

b.hatena.ne.jp

 

 これもその通り。ブログ記事の人気筆頭ブコメ主も下記のように名乗りを上げている。

 

サヨクとウヨクのウクライナジレンマ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

開戦早々大日本帝国を引き合いに出してプーチン非難をやった記憶がある俺が通りますよ。

2023/03/25 18:44

b.hatena.ne.jp

 

 では、なぜ濱口氏はこのようなブログ記事を書く失態を犯したのか。

 

サヨクとウヨクのウクライナジレンマ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

大日本帝国との類似は歴史認識批判界隈ではむしろ頻繁にでていたので、この人がその界隈の発言をこれまで無視してきただけでしょう

2023/03/28 12:48

b.hatena.ne.jp

 

サヨクとウヨクのウクライナジレンマ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

ソヴィエト礼賛してたのは世代的にはかなり上だし、その頃のソ連は絶好調だった。今のプーチンソ連とか共産国家と重ねて見てる人は相当例外的だしむしろ(既出だが)大日本帝国の方がよほど近く見える。

2023/03/27 16:28

b.hatena.ne.jp

 

 そうなんだろうなあ、、、

 

 私は上記ブコメを見る前に、思わず濱口氏の年齢をネット検索で調べてしまった。1958年生まれの64歳だった。私より少しだけ上の人だ。

 濱口氏のブログ記事は例えば1979年に書かれていたならそれなりに納得できただろう。当時私は高校生だったが、濱口氏は大学生だったはずだ。この年の初めにベトナムカンボジアを侵攻して同国の政権を倒したことを契機に、ポル・ポトによる自国民の大虐殺が広く世に知られるようになったが、親カンボジアの中国はベトナムを許さず、「暴越膺懲」すなわちベトナムへの侵攻を行なった。しかし社会党社民連系の親中派、例えば田英夫のような人は中国が庇い立てしていたポル・ポトの大虐殺を直視できなかった。同じ年の12月には今度はソ連アフガニスタンを侵略したが、社会党社会主義協会の理論的支柱だった向坂逸郎(1985年没)は当然ながらソ連を批判しなかった。

 濱口氏の認識は氏自身が若かったその時のまま止まっているのではないかと疑われる。全然アップデートされていないのだ。

 しかし濱口氏のブログ記事は右翼たちには都合が良い。だから例えば佐々木俊尚氏などが飛びついた。

 

 

 佐々木氏は濱口氏より少し下で私と同世代になる。やはり古いウヨサヨの観念で止まっているのか、それとも自身の右翼的立ち位置にとって都合が良いためにこのようなツイートを発したかまではわからない。

 この佐々木氏のツイートもブコメで叩かれまくっている。

 

佐々木俊尚 on Twitter: "プーチンロシアを大日本帝国になぞらえる議論がなぜ右からも左からも出てこないのか。納得感あり。/サヨクとウヨクのウクライナジレンマ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳) https://t.co/7M64YmKJyv"

開戦からこっち、余りにもロシアとプーチンのやることなすこと、日帝&旧軍の愚行そっくり過ぎるとそこらじゅうで言われてンだけど…右派でそれ言うと怒る奴らはいたが。

2023/03/29 04:48

b.hatena.ne.jp

 

佐々木俊尚 on Twitter: "プーチンロシアを大日本帝国になぞらえる議論がなぜ右からも左からも出てこないのか。納得感あり。/サヨクとウヨクのウクライナジレンマ - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳) https://t.co/7M64YmKJyv"

ゼレンスキが大日本帝国になぞらえて国内の右翼が激怒していた記憶が/例える必要性云々はどうでも良くてこの方の視野の狭さを示したツイートだということが論点では

2023/03/28 22:10

b.hatena.ne.jp

 

 そもそも安倍晋三が親露派の筆頭人士だったから、近年は親露の風潮は左側より右側の方にずっと浸透していた。

 以上のような背景があったから、能川元一氏が下記ツイートで濱口氏に突っ込んだものだろう。

 

 

 下記は上記ツイートへの反応。

 

 

 

 

 

 

 こうした左側からの思わぬ反論に濱口氏が持ち出してきたのは、なんとあのヨニウム氏のいくつかのツイートだった。

 

 

 

 

 

 

 

 濱口氏は勝ち誇った調子で下記の文章を書いている。

 

侵略されているウクライナプーチンのお言葉に従ってナチと誹謗し、ロシアによる虐殺はフェイクだと嘯き、劣化ウラン弾ばかりを極悪非道と言い募る、このヨニウムおじさんはサヨクじゃないのかねえ。

それとも、それは勘違いで、このプーチンが大好きなヨニウムおじさんはネトウヨだったんかいね。

 

URL: http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-59560c.html

 

 ヨニウム氏は私に言わせれば「右」も「左」もない陰謀論者だが、あえてサヨクネトウヨのどちらに近いか選べと言われれば文句なく「ネトウヨに近い」と答える。

 そもそも彼のブログが左派やリベラルの間で人気があったのは2000年代の中頃、小泉郵政総選挙前後のことだ。おかしくなった最初のきっかけは2006年の新春に、前年に小泉純一郎に刺客・片山さつきを送りまれて衆院選落選に追い込まれた城内実の応援メッセージを大々的に掲載したことだった。城内が例の「喜八」を感化させたきっかけもこの一件だったに違いないと私はにらんでいる。ヨニウム氏はそれでも小沢一郎を熱烈に応援する人たちを「小沢信者」と呼んで批判する矜持を見せていたが、民主党政権交代選挙に勝って鳩山内閣が発足した少しあとの2010年に自身がオザシンに転向した。2014年の東京都知事選に細川護煕が立候補し、小泉純一郎が細川を応援すると、今度はその小泉の応援まで始めた。その間、ブログの有料化*1を行うや、2000年代後半にアクセス数を自慢していた頃とは打って変わって人気が凋落した。Twitterを始めたのは2010年のようだが、醜悪な陰謀論を開陳し続けた。中でも悪印象が強いのは、2015年初めにイスラム国に惨殺された後藤健二氏をめぐる陰謀論を開陳した下記ブログ記事だった。

 

critic20.exblog.jp

 

 記事の中身は紹介しない。ブコメを紹介するにとどめる。

 

後藤健二の疑惑 - マスコミが正確に報道しない湯川遥菜との関係 | 世に倦む日日

読めば読むほど心配になってくる。書いてる人のことが。

2015/01/22 07:48

b.hatena.ne.jp

 

後藤健二の疑惑 - マスコミが正確に報道しない湯川遥菜との関係 | 世に倦む日日

この状況でこういうことを書き散らす行為は、「賢しらを言う」「下種の極み」以外にどういう表現があるんだろうか。

2015/01/22 01:21

b.hatena.ne.jp

 

 この記事には私もブコメを書いた。

 

後藤健二の疑惑 - マスコミが正確に報道しない湯川遥菜との関係 | 世に倦む日日

これが日に46万アクセスを記録したという世に倦む大先生の陰謀論エントリ。なんというか、こういう妄想全開の記事を公開できる才能は稀有だよね。46万アクセスなんて「きっこ」でも見たことない。完全に超えたなw

2015/02/01 10:32

b.hatena.ne.jp

 

 そうそう、あの時だけはヨニウムのブログのアクセス数は、全盛期にも記録したことがないほどの爆発的な数に達したんだった。今にして思えばいわゆる「超新星爆発」みたいなものだったんだろうけど。

 まあとにかくこんな御仁が「サヨク代表」のわけはないのであって、安倍晋三射殺スナイパー説に代表される陰謀論にご執心のネトウヨの方がよっぽど近いと思えるのは当然だろう。

 そんな人が「サヨク代表」に思えてしまう濱口氏はもうどうしようもなくズレてしまっているのだ。

 濱口氏はアナクロウヨサヨ論などもう一切書かない方が良い。下手をしたら本職の研究分野の信頼性まで疑われてしまうぞ。菊池誠みたいになっては目も当てられない。

*1:全文はメルマガに登録しないと読めなかった。私はもちろん登録などしなかった。