kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「私にもっと金をよこせ」「仕事をよこせ」「予算を増やせ」と日本の人たちが主張するようにならない限り、日本では人民同士の不毛な争いが繰り返されると思います。(にっしーさん)

 昨年12月21日に公開した下記記事にコメントをいただいた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 上記記事に対しては「『世界的に』といってもイギリスと日本だけではないか」とのご批判をいただいている。それは確かにその通りで、ヨーロッパでは極右民族主義の台頭が目立つし、ウクライナ戦争ではロシアが有利になりそうな雲行きだし、アメリカではそのロシアを助ける気が満々ではないかと疑われるトランプが大統領選で優勢なのではないかと言われている。

 しかし、中曽根康弘サッチャリズムに影響を受けて新自由主義を始めたり*1小沢一郎らが音頭を取って衆議院選挙制度をイギリスに範をとった小選挙区制中心のものに変えたりするなどした日本で自民党政治がいよいよ行き詰まったタイミングで、本家ともいうべきイギリスで一足早く政権交代が確実に起きるとされる情勢になっていることは、私には偶然とは思われない。

 日本では今、山本太郎が「消費税減税」を言い続ける一方、再分配については何も言わなくなったことが奏功したのかどうか、日本では「減税真理教」的な主張が支持を増やしているが、そんなものはイギリスでは現在の緊縮派首相であるリシ・スナクの前任者であるリズ・トラスがやろうとして7週間で政権を崩壊させた政策、つまり極端な経済右派の政策に過ぎないのである。トラスや山本太郎は、日本保守党の共同代表である名古屋市長の河村たかしと同様に、「夜警国家」を理想とする人たちにしか私には見えない。新選組の経済政策の指導者である長谷川羽衣子はどうやら参院議員になり損ねたようで、組長が白旗を掲げたことに対して心中はいかばかりかと思うが、その長谷川がトラスの首相就任直後にトラスを絶賛するツイート(現X)を発信したのはとんだ恥晒しだった。現在の日本では社民主義政党であるはずの社民党までもが党首の福島瑞穂が減税派への傾斜を見せる嘆かわしい情勢ではあるが、政党支持率0コンマ2ないし3の零細政党が多数に流されてどうすると言いたい。全体に現在の社民党はあまりにも9条護憲に特化し過ぎて経済政策に弱点があるようにしか私には見えない。実は私も9条護憲派ではあり、その意味では立民よりも社民に期待したいのは山々なのだが、あまりに経済政策の訴求力に見劣りする現在の社民党のあり方には大いに不満を感じる。もっとも立民には軍事タカ派ばかりか新自由主義者までもが大量にいて、何かというと維新とくっつきたがったりするありさまなので(その最悪の例が小沢一郎だ)、そのどうしようもなさは社民党よりも一段と酷いのだが。

 前振りが長くなったが、記事にいただいた最新のコメントを以下に紹介する。

 

 にっしー (id:nissy38)

私が、管理人と同じく再分配の思想を持ちつつも、あまり再分配のことを言いたくないのは、日本の人たちには、「他人と比較したがる」悪いクセがあるからです。

他人と比較するから、嫉妬したり、劣等感にさいなまれたりする。

そして、自分の窮状の訴えの矛先が、他人に向かうんです。

「アイツを引きずり降ろして貧困者にしてやる」「あの事業の予算を減らせ」という具合になる。

「私にもっと金をよこせ」「仕事をよこせ」「予算を増やせ」と日本の人たちが主張するようにならない限り、日本では人民同士の不毛な争いが繰り返されると思います。

 

 これに続いては、再分配こそ「正義」あるいは「公正」だという考え方が人々に共有されるまで言い続けるしかないと考えています。新自由主義者は「頑張った者が報われる社会を」というスローガンを言い続けますが、大谷翔平が世間一般の人々の万倍だかの報酬を受け取るのは世間の人の万倍努力したからかといえば、そんなことはないでしょう。確かに人一倍の努力はしたに違いありませんが、一般人の努力との違いはせいぜい報酬の対数、それも自然対数ではなく10を底(てい)にした常用対数くらいのものでしょう。つまり人の4倍くらいは努力したとかその程度だと思います。だから報酬も本来そのくらいで良い。しかし市場原理によって報酬が人の万倍にもなるのだったら、余分にもらった分は再分配の対象になって当然だと私は考えます。

 それに、個人が頑張って得た富が遺産として次の世代に受け継がれるのはどう考えても公正とはいえないでしょう。そして世襲貴族たちが分不相応な地位を占めてきたことの弊害を体現している組織こそ自民党です。これこそ、本当にぶっ壊さなければならない。小泉純一郎は「自民党をぶっ壊す」と言いましたが、彼が本当にやったのは自民党をそれまでにも増して酷い世襲貴族の王国にしてしまったことでした。その象徴ともいうべきが小泉進次郎でしょう。自民党が今後、不人気の岸田文雄に代えて党総裁に据える可能性がある一人がこの小泉のドラ息子ですが、こんな人にいつまでも人気があるようではどうしようもありません。

 「頑張った者が人の数倍程度の報酬などによって報われることは良いが、それは一代限りでなければならない」と私は確信します。

 実は今日もあまり時間がないのでここまでにします。

*1:その新自由主義「カイカク」は中曽根政権当時には部分的にしか進まなかったが、清和会の小泉純一郎竹中平蔵と組んで大々的に推進し、日本に大惨禍をもたらした。