山本太郎の被災地入りに関しては、あれを礼賛することはもちろん、声高に批判したところでそれは山本と元号新選組のエネルギー源にしかならないと思っている。
私の山本及び「組」に対する基本的な考え方は、下記まことん氏のXに非常に近い。
私が山本太郎氏やその支持者を批判するのは、個々の政策では無く、「カリスマ」を礼賛し、依存するあり方は、私達が目指すべき民主主義とは対局にあると考えるからです。彼が代表を務める「れいわ」は、代表ワンマン独裁政党ですし。
— まことん┃はたらく人の学び直し@社労士受験 (@makotonch) 2024年1月6日
山本と新選組は、昨日のTBS「サンデーモーニング」の新春特集でもやっていた「民主主義対権威主義」の対立構造でいう「権威主義」にもろに該当する。その観点からもっとも強く批判されるべきだ。弊ブログは同じ観点から立民や共産の支持者たちに多く見られる「組織防衛」第一のあり方を批判しているし、立民に対しては現代表・泉健太やその支持者たちだけではなく、前代表・枝野幸男の個人崇拝に走りたがる人たちをも(その頻度はそんなに多くはないとはいえ)批判している。彼らは「権威主義」という言葉で一括りにできる。
なお、最近nitterがまたXの履歴を表示できるようになっていたことに(おそらく遅まきながら)気づいた。弊ブログがリンクするXのうちかなりの割合は「政治おじいちゃんお化け」氏によるXのリポストが表示されたnitterを経由している。
上記まことん氏のXの前段として、下記のポストがあった。
町山智浩氏や想田和弘氏のような、知性のあるはずの人士たちが山本太郎氏の劇場政治パフォーマンスを礼賛する様をみると、この国のリベラルや左派には、「反権力しぐさ」をして悦に入りたいだけの向きが少なくないんだなと、嫌気を覚えます。小泉純一郎氏や安倍晋三氏を持ち上げる「自称保守」と裏表。
— まことん┃はたらく人の学び直し@社労士受験 (@makotonch) 2024年1月6日
それもそうだが、私はそれにも増して、かつての「オザシン」(小沢一郎信者)の心性の延長を見る。実際の地方選挙における同組の動きの中には、たとえば昨年12月の江東区長選で立民・共産・社民・生活者ネットが支持した候補を新選組も支持するなど、リーズナブルな動きをする、というか普通のリベラル的な例が多いのだが、Xで目立つのは「権威主義」的な信者やそれを煽るかのような町山智浩だの想田和弘だののポストの数々など、ろくでもない人たちの発信ばかりだ。
彼らばかりではない。今回の能登地震で志賀原発への影響(決して「異常なし」ではなかった)が報じられた影響もあってか、あのお方も参戦してきた。飯田哲也(てつなり)である。今回の件で平河エリ氏が山本太郎を批判する一連のXを発信したが、それへの反論に長いXのポストを発信した。以下に示す。
この方は「体制翼賛・忖度・同調圧力系ライター」と名乗った方がよい。
— IIDA Tetsunari 飯田哲也 (@iidatetsunari) 2024年1月6日
「県や市、ほぼ全与野党が県北への視察の自粛を要請している」という事実はない。
←1/5午後の与野党会談での維新提案による政治家視察自粛申合せが始まり。これ自体が意味不明であり、むしろ批判すべきポイント… https://t.co/5yg8y40ezt
長文のポストご苦労さまとしか言いようがないが、上記飯田のポストに含まれる事実関係の誤りを立民・泉健太支持者のnaoko氏に指摘されてしまっている(というより、氏のTwilog経由で私は飯田のポストを知った)。
すでに4日には国交省北陸地方整備局や岸田首相も、物資輸送、人命救助や復旧作業に支障が出ているとして「一般車両の能登地方への移動は控えて」と呼びかけています。それを重視しての与野党判断
— naoko (@konahiyo) 2024年1月7日
平河さんに対するあまりに酷いレッテル貼りです。https://t.co/GuW2jE0r9Uhttps://t.co/Klsw02qfz4 https://t.co/syi2OjijCV
論点を整理してみる。まず飯田は下記のように主張している。
「県や市、ほぼ全与野党が県北への視察の自粛を要請している」という事実はない。
←1/5午後の与野党会談での維新提案による政治家視察自粛申合せが始まり。これ自体が意味不明であり、むしろ批判すべきポイント
←それに同調した石川県の昨日(1/6)16時の公表
←市は災害ボラ受け入れの注意はあるが自粛要請は見当たらない 「被災地に向かい」
←山本太郎氏はその前に被災地に入っている
それに対してnaoko氏は2件の反例を示している。まず首相・岸田文雄が4日に発したXのポスト。
現在、限られた輸送ルートに一般の車両が殺到し深刻な渋滞が発生しています。
— 岸田文雄 (@kishida230) 2024年1月4日
被災地へ速やかに必要な物資が届けられるよう、できる限り利用を抑制していただくことについて、国民の皆様のご理解とご協力をお願いします。
もう1件は朝日新聞デジタルの無料記事。
能登につながる道路で深刻な渋滞 一般車両を規制「移動は控えて」
2024年1月5日 11時44分
石川県警は4日午前7時から、七尾市の田鶴浜東交差点から国道249号や県道1号で輪島市や珠洲市に向かう車両の総量を抑制する措置を始めた。災害復旧の車両を優先させるためで、当分続けるという。
被災地とつながる国道や県道では地震発生直後から、深刻な渋滞が発生している。同交差点に警察官が立ち、一般車両への協力を求める。大型トレーラーは穴水町までは通行できるが、道路の陥没や損傷の多い輪島、珠洲両市方面への通行はできない状態が続いているという。
国土交通省北陸地方整備局も4日、物資輸送、人命救助や復旧作業に支障が出ているとして「一般車両の能登地方への移動は控えて」と呼びかけた。
(朝日新聞デジタルより)
URL: https://www.asahi.com/articles/ASS147TT9S14PISC00H.html
記事自体のタイムスタンプは5日午前だが、4日の朝早くには既に輪島や珠洲への車両の総量抑制が始まっていることを伝えている。
私が山本の一件を知ったのは下記まことん氏のXだった。多い頻度でXを発信している人の場合、アカウントを持っていないものでもGoogle検索によって直近の5件だけはスマホやPCでリンクをたどれるので、下記のXにもそれを利用してアクセスした。
「れいわ」山本太郎氏が、能登地震の被災地入りとの報が飛び込んできました。元日以来の「沈黙」を破り(苦笑)、いかにも「義挙」を演出した「ドラマ」仕立てという印象。またぞろ、「護憲派」を称する人士の中からも、礼賛する向きが出てくるんでしょうね。いい加減、山本太郎劇場から目覚めるべき。
— まことん┃はたらく人の学び直し@社労士受験 (@makotonch) 2024年1月5日
5日のポストだが、これを読んで私は、「えっ、車による被災地入りが制限されてるはずなのに山本は被災地に行ったのかよ」と思った。
だから飯田のポストがトンチンカンなものであることは一読してすぐにわかった。
この記事では山本の被災地入りの是非は問わない。正直言って「また山本の売名行為かよ」と思わなくもないが、行いによってはポジティブな結果に繋げることができる可能性もないわけではないから全否定はしないという立場だ。ただ、炊き出しのカレーを食べたことを誇示するかのようなポストは山本の良識を疑われても仕方ないと思う。
しかしこの記事で本当に批判したいのは山本ではなく、頭に血が昇ったらすぐに不用意なXのポストをしてしまうような飯田哲也という人である。
飯田は東日本大震災のあと、橋下徹が一時脱原発を打ち出すとさっそく橋下と野合して大阪府市のアドバイザーだかなんだかになった。
そして2012年の衆院選では比例中国プロックから立候補したが、公示日当日に比例名簿搭載順位をめぐって当時「小沢ガールズ」と呼ばれた小沢一郎側近の女性議員たちと意見を対立させて内輪揉めをしてみせる大醜態を晒した。とにかく軽佻浮薄さが目立つ人物なのだ。
その飯田哲也は衆院選での「日本未来の党」大大大惨敗から11年あまり経った現在も全然(悪いところが)変わっていない。
改めてそう思わされた。人間ってやっぱり変わらないものなんだなあ。