kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍晋三と玉木雄一郎と山本太郎

 江東区の高野勇斗都議が国民民主党(民民)の戦略についてnoteに書いていた。

 

note.com

 

 以下引用する。

 

国民民主党の戦略戦術から、我々がやるべきことを明確化する

2025年5月28日 20:35

 

国民民主党の戦略と政策は、コトラー、ポーター、ドラッカー、古くはテイラーを基礎としたマーケティングの教科書のよう。都議選であれ参院選であれ、1人を争う小選挙区(比例復活なし)では、そもそも選挙に強い人を当てるか戦いを回避。一方、複数区ではターゲットを明確化し、1議席取る。ルールの違いによる戦術の分け方は鮮やか。そしてここが大事だが、必ず「(大企業の)労働者のため」というところから発想していて、それゆえにイデオロギーには立ち入らない。労働者の経済面の手当、生活防衛、生活向上こそまずありき。労働者のためというところを突き詰め、絞り込むがゆえに、「女性」「子ども」「高齢者」そして「マイノリティ」のためのきめ細やかな政策は、捨象されてしまう。選択的夫婦別姓も二転三転するのもこうした背景によるもの。

 

根本は階級闘争なのだが、経済政策以外の、例えばエネルギー政策や安保外交などで、自民党の支持層を奪う。たが、労働者のためというところからはブレない。ミクロ経済学でいう「合理的な人間」を前提にしている。経営者目線では緻密に分析されていて大変参考になる。

 

本日夕方の亀戸駅前での街宣。MAX100人ぐらい。身をもって体感したが「手取りを増やす」は手取りがないと刺さらない。チラシでも女性向け、子育て政策は皆無と言っていい。高齢者にも広がりがない。年金の話もするのだが、給付の話ではない。保険料つまり現役世代の負担の話に持っていく。徹底してターゲットを明確。ぶれない。我々が狙うところも自ずとわかる。4人区として再度全体の構図を見るが、この領域の方がレッドオーシャンだろうな。Back to Basic!

 

我々がやることは変わらず。江東区全体が学舎。区民が先生。街頭活動は授業。発信は板書とメモ。労働者、生活者、困窮している人、マイノリティの人の声を聴くことを徹底的に突き詰める。ブレない。

 

以上、夕方の街頭演説の代わりにレポートしました。

明日朝は豊洲駅のシエルタワー側です!

 

高野はやと@江東区

 

URL: https://note.com/takano_hayato38/n/nb96dab13782b

 

 民民がターゲットを大企業で働く現役世代の男性に定めている点では「ぶれない」と思うが、彼らが言っていることはぶれ続けているとしか私には思えない。たとえば祖父日勢の話がいつの間にかかすんで現在は政治に関する報道はほぼ米価問題一色だが、10年前と現在で玉木雄一郎小泉進次郎の2人の立場が入れ替わったかのような論戦をしていると指摘されている。また民民のツートップである玉木と榛葉賀津也とで言っていることが違うという話もある。「労働者のためというところからはブレない」というのもよくわからない。「大企業正社員男性のためというところからはブレない」のならわかるが。

 たとえば選択的夫婦別姓問題での民民の立場のブレは、大企業正社員男性にしばしば見られる家父長主義的主張、それがいわゆる「ネトウヨ」の主張とも重なるわけだが、その方面から民民へのが特に強まったため、玉木や榛葉が新規支持層に媚を売ろうとしては連合の反発などを受けてブレブレになっている情けない姿だとしか私には思えない。

 弊ブログにいただいた立民支持層右派を自民する方の「たまきチャンネル」に対する感想の方が説得力がある。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 HRK-Unidon

たまきチャンネルを見ていても、玉木雄一郎が選択的夫婦別姓について語る動画(玉木は賛成)のコメント欄では反対の声が多く、
更には「優先順位が違う」だの「通名を廃止しろ」だの「夫婦別姓問題は左翼がー」だの「それよりもスパイ防止法を」だのが沢山書かれていて(しかもそれらのコメに高評価が沢山つきコメント欄の上位に来ている、おまけにそのコメ主の大半は別動画で玉木支持のコメを書いている)、
これは間違いなく自民右派層が民民に流れてきているな、と思いました。

民民に行かなくてよかったー!
私自身、比較的「表自戦士」な側面ありますし、憲法9条に自衛隊明記までは賛成(一方、国民が戦争を中断できる国民投票システムや、防衛費は原則GDP比1%それを超えるなら毎年国民投票を行い過半数の信任が必要である制度を明記)ですから立民でも右派な方なんですけど、
流石に「感情的ナショナリズム」色が強い民民の支持層と一緒に活動できる気がしません。

 

 また、私としては「敵方の人間」に当たると認定しているのであまり取り上げたくないのだが、「やめ共」の軍師氏も玉木がブレていると指摘している。

 

 

 以下に全文を示す。

 

ポピュリズムをめぐって安倍さん、玉木くん、山本太郎を比較すると、安倍さんと山本太郎に実は共通点があることがわかる。この間みてりゃわかるように、玉木くんは無理をしすぎた。いきなり膨張した支持者をつなぎとめるためのやりすぎの反動がいままさに来ているのだ。こういうところについては、安倍さん、山本太郎はうまくやった。安倍さんは右派層にふりまわされることなく制御し、長期政権の原動力のひとつにした。だから安倍さん亡き後右派は分解し、制御不能になってますよね。山本太郎も自らの支配が脅かされない範囲で議員や候補者、地方議員を増やし、あちらこちらに手をだして支持者を増やそうとはしてこなかった。安倍、山本両者ともスキャンダルはあったものの、岩盤支持層が盾になり支配が揺らぐことはなかった。他方玉木くんの支持層は急速に膨らんだこともありゼラチン状であり、ひとたび勢いが止まると分解の危機にさらされ、「あちら立てればこちら立たず」の対応をすることで自らが分解を促進してしまっている。安倍さんと山本太郎の支配はスケールが全然違うし、そもそも政権党と小野党という違いはある。だが指導者ー支持者という関係性においては、安倍・山本太郎というカリスマによるイデオロギー支配が安定的である一方、玉木君は脱イデオロギー的であり、結束の弱さが広がりを生むぶん極めて不安定なのである。

 

URL: https://x.com/sangituyama/status/1927520925303423251

 

 少し前まで産経やネトウヨが自慢していた「岩盤支持層」とは、自民党の支持層ではなく安倍晋三というカリスマに対する「岩盤支持層」だったわけだ。それが安倍の暗殺によって、自民党高市早苗一派、民民玉木・榛葉派(民民の大部分を征圧している)の新規支持層、山本新選組の新規支持層、参政党、日本保守党河村分派の5つの勢力に分かれた。山本太郎の「岩盤支持層」はどうやら安倍の「岩盤支持層」との相性が抜群に良いらしく*1新選組議席が3倍になって日本国憲法を「よい憲法」だと思う人が支持層の3分の1にまで減っても、山本新選組の「岩盤支持層」はびくともしない。しかし玉木・榛葉分派の方はどうなるかわからない。彼らは都議選と参院選で自らの勢いを議席に結びつけて新たな「惰性力」を生み出そうと必死になっていると思われる。

 その意味で、来月の東京都議選はきわめて重要だ。また通常国会の会期末も同じタイミングだから内閣不信任案がどうなるかもその頃までには決着する。

 ここで山本新選組も引き合いに出したので、弊ブログにいただいた新選組に関するコメントも以下に紹介する。

 

 生存ユニオン広島 (id:lifeunion)

穏健保守で経済的には新自由主義グローバリズム反対。その辺りに新選組には落ち着いて欲しいし需要はあるはずですが。

 

 匿名意見

> 生存ユニオンさん

保守主義が独裁政治や新自由主義経済改革に対して肯定的機能を発揮することがあるのは確かだと思います(安倍独裁に対する立憲主義的批判など)。

私も地方住まいですから、そこに生きる穏健保守の人びとに接することがよくあります。しかし、彼らの良識的な忍耐強さなどは、実は前近代的家父長制社会の下で培われたもので、そうした土壌と切っても切り離すことができないものなのではないかという疑念も残ります。

また、保守の真髄は懐疑主義にあると言われることもありますが、彼らの懐疑的態度の根底にあるものは既得権を失うことへの恐れなのではないかとも思われます。それが再分配のための改革を妨げるものとなる可能性も否定はできません。

保守主義は、安倍的独裁や竹中的新自由主義による政治、経済、社会の破壊を防ぐことはできても、失われた30年のなかでジリ貧に陥っている日本社会を前進させる力は持ちえないのではないでしょうか。

野党は保守ではなく、連帯と前進を力強く訴えてほしい。私はそう思っています。

 

 そもそも新選組の傍聴した支持層が「穏健保守」だとは私には思えないんですよね。その表れが、弊ブログがしつこくこだわる朝日の郵送世論調査での「『よい憲法』32%」だったり、あるいは各種地方選の出口調査における斎藤元彦や立花孝志(!)らへの投票率の高さだったりします。同じ傾向は民民支持層も示してますけど、明らかに新選組の方が民民よりさらに極端だと思います。

 匿名意見さんが「家父長主義制下での『穏健保守』層の忍耐強さ」を指摘していますが、山本太郎といえば須藤元気とも張り合えそうなマッチョ的なキャラクターでもあって、支持層はその山本のカリスマ性に信服しているとは前記軍師氏の指摘でもありますし、最近ではレバ子氏の「おしゃべり会」潜入記(失礼!)でもその傾向が指摘されていました。これも否定しようがないところかと思います。

 下記はそのレバ子氏による長谷川羽衣子の寸評。

 

 

 新選組のブレーンといえば長谷川と伊勢崎の漢字3文字の姓。まるで長谷川、外木場、安仁屋、北別府、佐々岡、大瀬良のカープみたいですが、彼ら3文字姓の投手たちがカープを優勝させたように新選組の長谷川と伊勢崎が新選組の今後を担えるとは私には思えません。新選組の長谷川は2022年の英トラス政権発足直後に、狂喜乱舞する新選組支持者をたしなめようともせず、トラス政権が短期間で崩壊しそうになってから慌ててトラス批判のXを発信した時に「ダメだこりゃ」と思いました。現在はそのダメっぷりにさらに磨きがかかっているように思われます。伊勢崎に至っては(以下略)。

 長谷川羽衣子は一昨年から2年間立命館大学大学院の修士課程で研究していたはずですが、あれはどうなったのでしょうか。さすがに長谷川が経済学の大家とは思えませんが。それで「旦那さん」(朴勝俊)の多大な影響ですか。

 どういう結びの文章にしようか迷ったが、時間切れなのでここまで。

*1:安倍の「美しい日本」と山本の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とはほぼ同じであるとレバ子氏が指摘していた。