最初に、自由討論会の共用ブログに、宮武嶺さん執筆の記事が公開されたことをお知らせします。
free-discussion-in-time-of-chaos.hatenadiary.com
弊ブログはこの件についてこれまで意見の表明をしていません。そのうち何か書くかもしれませんが何も書かないかもしれません。
さて、昨日、一昨日とほぼ仕事に徹していて、ブログは元朝日の鮫某*1について短い記事を書いただけだった。
昨日は寝落ちした*2が、例の「衰退6党」のうち、立民と共産の総括がそれぞれ論議を呼んでいるようだ。
野田佳彦については、やっぱり若き元(?)選挙クラスタの「きょんきょん」さんの目は確かだったなと改めて思う。氏は昨年の立民代表選の頃だったか、野田を「ドボン」と評していた。その野田が党首としては初めての国政選挙勝利となった昨年の衆院選後には「野田信者」たちが大喜びして「『ドボン』とか言われて悔しかった」などと鬱憤を晴らしていた。しかし昨年衆院選での立民の勝利は、その2年前の参院選で泉健太が犯していた「提案型野党」路線の誤りを党が正しく総括して路線を改めたためにもたらされたものだった。しかし今回は野田が総括をすることを嫌い、それどころか勝手に2年前に党が「誤り」と総括した「提案型野党」路線に回帰しようとしているようにしか私には見えない。野田は「目指す社会像」を明確にしようとはいっこうにせず、ひたすら石破茂にすり寄り続けている。最悪の流れだ。弊ブログは立民は石破政権打倒を目指す必要はないが、野田が現在やっているような石破政権へのすり寄りもする必要はないばかりか不利益ばかりがある「百害あって一利なし」なので、それよりも参院選大惨敗の総括をきちんとやって、立民はいったいどういう社会を目指すのか、そのビジョンをはっきりさせるべきだと思う。
そんな野田を見て、やっぱり野田は「ドボン」だったなあ。19年前に「偽メール事件」への対応を間違った人だけのことはあるなあ、この人には政局勘なんて欠片も持ち合わせがないよなあと思う。2011年から12年の野田政権が失敗したのも当然だった。
例の「軍師」政治学者氏は最近はすっかり「反野田」となっていて、例の右翼的民主・民進系支持者である「駅前は朝の七時」とつるんでいるが、その軍師氏が有田芳生立民衆院議員の下記Xをリポストしていた。
https://t.co/Wol2ax1CWZ pic.twitter.com/BmS5aTdIVG
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2025年8月19日
何やら立民が総括を渋っていることを中北浩爾中央大教授が批判しているらしいのだが、それが書かれた朝日新聞デジタルの有料記事のうち、上記スクショされたコメントプラスの前に書かれたもう1件のコメントプラスの方が興味深かった。
その有料記事については本記事の最後で無料プレゼントを行うが、その前に共産党の話を少しする。
下記2件は残念ながら軍師氏のX。
この共産党幹部会の決定のなかでは、排外主義批判に傾きすぎたために、暮らしの問題などを置き去りにしたことについての自己批判的総括がなされていますね。まっとうな総括だと思います。あとは参政党街宣を妨害したような運動ときちんと手を切れるかどうかです。 https://t.co/8tj73NnKWq
— こたつぬこ🌾ネオ構改派 (@sangituyama) 2025年8月19日
上記XからリンクされたXがリンクする下記の共産党幹部会の決定が「しんぶん赤旗」に掲載されたのは、決定後16日も経った8月19日(つまり昨日)だった。
上記「決定」には「参議院選挙の総括の中間的方向性について」が含まれている。
下記は再びの軍師氏のX。
今回だされた共産党の幹部会決定はいくつかの点で異色のものです。まず、決定が行われたのが8月3日であるにもかかわらず、発表されたのは19日だということ。つまりこの決定を公表するかどうかで内部論争があったということです。それだけこの決定の内容が党内に動揺をもたらすものだということです。… https://t.co/8tj73NnKWq
— こたつぬこ🌾ネオ構改派 (@sangituyama) 2025年8月19日
下記に途中まで引用する。
今回だされた共産党の幹部会決定はいくつかの点で異色のものです。まず、決定が行われたのが8月3日であるにもかかわらず、発表されたのは19日だということ。つまりこの決定を公表するかどうかで内部論争があったということです。それだけこの決定の内容が党内に動揺をもたらすものだということです。
おそらくこの決定の公表を促したのは、朝日新聞の11日の『「現状に不満、支持層が重なる」共産が考える比例票の流れ先とは』という記事だと思います。
https://comment.digital.asahi.com/articles/AST892R1ST89UTFK00NM?beta=1
この記事では「訴えを排外主義との戦いに割かなければならなくなった」(田村氏)。党関係者は「戦略の軌道修正を余儀なくされ、調子が狂ったのは確かだ」と、排外主義批判に傾斜したことが選挙戦での党の訴えをブレさせたことが語られています。(後略)
この指摘はその通りで(そのあとに軍師氏の自己PRが続くが、その部分の引用は割愛した)、朝日のインタビューでの田村委員長のコメントは党の「幹部会決定」に沿ったものだ。それに共産党支持系の一部「武闘派」が不満を持ったというのが軍師氏の見たてであって、それについてはおそらくその通りなのだろうと思う。
ここで前述の朝日新聞デジタル記事を取り上げるが、いつものようにいったん朝日のアカウントをログアウトして、以下に無料部分を示す。
「若者から選択肢に映っていない」 立憲が不調の参院選の総括原案
大久保貴裕 2025年8月19日 16時15分
立憲民主党の7月の参院選の総括文書の原案が19日、判明した。獲得議席が横ばいの22議席にとどまった結果を「勝利することができなかった」と認め、立憲の現状を「『新規投票者層』と『若者世代』から既存政党と見なされ、魅力と期待値のある選択肢に映っていない」と分析した。総括は月内にも正式決定する方針。
原案は「与党が議席を大きく減らし、投票率が大きく上昇した中、獲得議席も比例得票も伸び悩む厳しい結果となった」と指摘。現職6人が議席を失ったことを「痛恨の極み」とも記した。
目標としていた非改選を含む与党の過半数割れについて「現実のものとなった」としつつ、「事実上の政権選択ともされた選挙の中で、立憲は受け皿としての評価を得られず、野党第1党としての存在感が低下する選挙結果となった」と総括した。
新規投票層は自己利益追求…ブレずに「中道」重視
参院選全体の状況については…
(朝日新聞デジタルより)
URL: https://www.asahi.com/articles/AST8M24XPT8MUTFK00SM.html
「ブレずに『中道』重視」などと書かれているのを見ただけで野田立民に対す猛烈な嫌気がますます強まるが、それはさておき。本記事の眼目は有料部分で読める中北教授の1件目の「コメントプラス」にある。
ここで中北氏は立民の総括案の取りまとめの請求さを批判している。曰く、(立民と同じように参院選に惨敗した)自民党は8月6日と7日の聞き取りを終えてようやく月末にまとめるのに、自分たちに意見を聞いた直後にはもう11ページもの原案が出るとは、という。しかもその原案では「厳しい戦い」は認めながらも敗北は認めていないという。
つまり、中北氏らは形の上だけ意見を聞かれたが、党執行部はそれを取り入れるつもりなど到底ないのではないかということだ。
少し前に軍畑先輩が弊ブログに対して「民主集中制」の誤用を止めろ、と書いてきたが、今の立民執行部のあり方は3年前の泉健太執行部時代よりさらに執行部の独裁性が強まっているのではないだろうか。立民支持層の間では広報担当への責任追及がさかんで、中谷一馬が槍玉に上がっているが、この中谷は他陣営、あるいは「直諫の会」のボスである重徳和彦を推すかに見せかけて野田当選に尽力していた人物ではなかったか。つまり中谷の重用は「論功行賞」なのではないか。そう思えてならない。
現在の立民支持層は組織防衛志向が過剰にまでに強く、それが野田執行部を支えているが、3年前と違って参院選惨敗の総括がまともにできそうにもない立民の前途は真っ暗だと思わずにはいられない。
以下に上記朝日新聞デジタル記事への無料ブレゼントのリンクを張る。
リンクの有料期限は21日午前8時54分。