kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

高市自民圧勝の原因は、公明票が立民票に乗らなかったためではなく、無党派層の票が2005年の郵政総選挙並みに高市自民に集中したためだ

 三春充希氏が体調が悪いためにしばらく活動量を落とされるという。下記Xからリンクされたnote記事はおそらく会員限定なので引用しない。体調不良は過労が原因ではないかと推測される。

 

 

 しばらくは活動量を思いっきり減らして休養されるのが良いと思う。

 しばしば書いてきた通り、私は三春氏とは意見が異なる部分が少なからずあるが(特に菅野完あたりとも絡みで)、それにもかかわらず三春氏の業績を最も高く評価していた人間の一人だと自認しているし、今もそれは変わらない。氏が理系人間としての良心をもっとも純粋に持っている人であることは、同じ理系人としてよくわかるのである。理系人といっても平気でデータを捏造する人間がいて、それにノーベル賞級の大学者まで騙されたあげくに自死に追い込まれた悲劇がわが国でも2014年に起きた。でも氏は小保方晴子のようなことは決してやらない。だから信頼できる。このあたりは文系人間たちの多くには理解できないかもしれない。

 しかし、今回の衆院選を氏は見通せなかったではないかとの批判が上記Xに寄せられている。

 

 

 「大きく予測を外した」ように見えるのは、上記の三春氏の仕事のベースになった自民党の得票数のデータを、2024年衆院選の結果に基づいて試算していたためだ。しかし、最近では自民党の比例票がもっとも多かった2021年衆院選のデータに基づいて資産を行なっても、公明票が一定程度立民票に乗れば自民党議席はほとんど増えないか、かえって減るとの結果になることを少なくない学者や世論調査の関係者が示していた。

 それでは公明票が立民票に乗らずに今まで通り自民党に乗ったのだろうと思いたくなるのが普通だろうが、そうではなく公明票の7割ほどが立民票に乗っていたことが既に示されている。

 それなのに自民党が歴史的大勝を収めた原因は後述の通り明らかなのだが、それを導くには2024年の衆院選はおろか、2021年の衆院選のデータに基づく試算でもダメだったのだ。なんと、あの郵政総選挙の2005年のデータに基づかなければ今回の結果のシミュレーションは導けなかった。

 三春氏は2024年衆院選以外の自民党の比例得票数以外に、自民党の比例得票率をパラメータ(媒介変数)として振った試算も行う構想があったようだが、不運にして三春氏のコンピュータが選挙前の一時期に稼働しなくなり、その試算はできなかった。それをやっていたら、おそらく氏の今までの仕事から推測して、2005年の自民党得票数をベースにした試算もやったに違いない。そしてそれをやったら、公明票が自民票から立民票にどんなに移動しようと、今回の衆院選のような結果になることが示されたことだろう。

 今回の衆院選で自民が圧勝した理由はもはや明らかであって、それは無党派層、昔でいう浮動票の大半が自民党に乗ったことだ。それも比例ブロックだけではなく、小選挙区においても。

 そのことを思い知ったのは、私の地元である東京15区における立民→中改連候補(酒井菜摘)と自民候補(大空幸星)の得票を2024年と2026年とで比較した時だった。酒井は今回の衆院選で2024年よりも得票数を増やしていた。これは立民から中改連に移った東京都の選挙区の候補者では唯一だったらしい。

 

 

 りっけんカジュアルさんの下記ポストも早かった。投開票日翌日の9日午前1時11分に発信されている。

 

 

 別にりっけんカジュアルさんと張り合うつもりはないが、酒井の得票が前回を上回っていたことをもっと早く指摘したのは弊ブログだった(もちろん開票速報を見ていた酒井陣営の人たちが真っ先に気づいたのだろうけれども)。弊ブログはNHKのサイトで開票速報を見ながら下記リンクの記事を公開した。9日午前0時20分46秒の公開だ(はてなブログでは記事のURLから公開日時が秒単位までわかる)。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 上記記事は開票率99%の時点で書いたので、最終的な惜敗率はタイトルに書いた数字よりもさらに下がってしまった。でも速報記事なので修正はしない。

 埋め込みリンクに「酒井の得票率は前回より少し悪いが得票数は前回より多い」と書いた。それにもかかわらず当選した大空幸星の得票の3分の2にも満たなかった。

 2024年に2回も行われた東京15区の衆院選は、いずれも一騎打ちにはならず、補選では5候補の乱戦を組織票(共産票)の上乗せも得た酒井が比較的楽に勝てた。本選では野党共闘が不成立で共産候補が立ち、補選では不戦敗だった自民が若い大空幸星を立ててきたが、須藤元気という強力な無所属候補が補選に続いて、かつ補選の時とは異なって「満を持して」挑んできたために三つ巴になった。それで辛勝できた。今回は右系の5候補が立って共産は立たなかったし、須藤は元立民だから須藤票の一部も得て比較的楽な戦いができるのではないかと思ったがそうはならず、浮動票のうち非常に多くの割合が自民の大空に乗った。それで酒井は完敗したが、江東区は都内でも有数の民主・民進系の弱い地盤だから*1、浮動票を大量に大空(というより高市)に持って行かれては、酒井が立民で立とうが中改連から立とうが勝機はなかったことになる。

 しかし、書きたくはないが高市早苗のバブル人気が2005年衆院選での小泉純一郎人気に匹敵するものだったとは誰が予測できただろうか。三春充希氏に反自民のバイアスがあったから選挙結果に合うシミュレーションができなかったわけではないのである。しかしこれはどんなに力説しても、世の文系人間たちは理解してくれないんだろうなあ。三春氏とかトマ・ピケティの主流派経済学者からの転向後の仕事は、「文系数学」と呼ばれる手法を用いたもので、決して難しい話じゃないのになあ、と嘆きたくなる。これは何も前記ポスト主のような自民党支持者と思われる人間たちに対してのみぼやくのではない。三春氏を「元号新選組びいきだから」などとみなしてブロックするなどした立民支持系のXerたちに対してもいえることだ。私は能力こそ決して高くないけれども理系人間としての矜持だけはあるから、断固として三春氏を擁護する。

 残念ながら官邸で頭の切れる人間はこの結果を予測できたのだろう。そうでなければ高市も解散には踏み切れなかったはずだ。2005年の郵政選挙の時と同じである。あの時も、解散が決まった瞬間岡田克也がガッツボーズをして、小泉純一郎の解散は「自爆テロ解散」と評された。しかし小泉は解散した時には必ず勝てるとの確信を持っていたとされる。そして小泉が「改革勢力対抵抗勢力」の「小泉劇場」を演出し、それに有権者が熱狂したことによってあんな結果になった。

 今回はあの時のような派手な熱狂はなかった。しかし有権者の多くが抱く「初の女性総理を支えたい」という情念がきわめて強かったため、このような結果になった。「静かな熱狂」といえるものがあった。

 今回の衆院選の結果を受けて日本が大きく右傾化する恐れはきわめて強いから、書けるだけのことは書いておかなければならないのだが、ここで指摘しておきたいことが一つある。

 それは、日本国民が右傾化しているからこのような選挙結果になったのでなく、このような結果になったから大きく右傾化する恐れが強まったということだ。

 以下kazukazu氏のXより。スレッドはまず氏のリポストから始まる。

 

 

 そういえば財政拡張の一方で、高市は消費税減税を本当にやりたいらしい。私は見ていないが、TBSの開票速報の番組で太田光に挑発された高市は「公約に掲げたから、やるんですよ!」と大ミエを切ったという*2

 よかったな、山本太郎。あんたの後継者が政権政党から現れて総理大臣に上り詰め、絶対安定多数だかなんだかをバックにあんたの宿願をかなえてくれそうだ。あんたが私物化していた政党の獲得議席実質ゼロ*3と引き換えにな。また、存命中に「小林鷹之さんの総裁選出馬は財務省による高市早苗さん潰しだ」と陰謀論かましていた森永卓郎も、今頃天国で大喜びのことだろう。ご同慶の至りだ。

 以下がkazukazu氏の連投。

 

 

 

 なんか変なコメントがついてるけど。

 

 

 「ボトムアップ」と「専門知の重視」とは本来両立するものなんだよ。その程度のことは理解しろ。あんたが高校生時代から愛読していたであろう本多勝一が書いた『アムンセンとスコット』に書かれているアムンセン隊がその好例だ。アムンセンは隊員たちが出す合理的な案を採用して南極探検から生還できた。一方トップダウンの権力構造だったスコット隊は全滅したんだよ。

 

 

 

 「スタイル」とあるから、まさかあの無理っぽいダイエットによると思われる貧相な体型のことかと思ったが、朝日の有料記事を読んだ限りではそうではなく、政治スタイルといったところだろうか。

 でも支持理由の中に「明るい」とかいうのがあったが、かつての高市に「明るい」イメージなんかあっただろうか。「笑顔が怖い」などとよく言われていた。それが高市が総理大臣になるや、イメージ戦略によって「とにかく明るい」虚像が作られていることを知って呆気に取られた。

 たとえば今や高市のトレードマークみたいになっている、「目を三日月にした笑顔」だが、あれはちょっとした訓練によってああいう表情ができるらしい。少し前から「目を三日月にして笑うには」などといった記事をネットで見たことがあった。またそのような表情を犬は普通はしないらしいが、最近は目を三日月にする犬がたまにいるらしい。そういう表情をすると飼い主が喜ぶことを学んだ犬がそれをするのだそうだ。

 そんなイメージ戦略で日本がぶっ壊されたのではたまったものではない。

 むしゃくしゃするので、当該朝日新聞デジタルの有料記事を無料プレゼントを行う。今月第一回になる。

 

digital.asahi.com

 

 リンクの有効期限は12日午前6時55分。

 

 以下は本記事の補足。

 無党派層の票がいかに自民に多く流れたかは、下記Xの末尾に示されたグラフから明らかだろう。

 

 

URL: https://x.com/tsurezure_lab/status/2020565114714509493

 

 選挙戦の終盤に、「無党派層の投票先で中道が自民に迫っているぞ、これはまだわからない」というポストがXに頻出したが、私は2024年衆院選での無党派層の投票先は立民の方が自民よりはるかに多かったことを覚えていたから、その比率が逆転している時点でダメなんだよ、と思った。わざわざブログ記事にはしなかったけれど。

 それでも、中改連ではなく立民単独で戦っていたらどうだったかという問題が残るが、私はそれでも立民の惨敗は必至だったと確信する。

 というのは、立民の政党支持率野田佳彦が代表になった時に瞬間的には上がったが、その後は下落一本槍だったからだ。その大きな原因として、立民が2025年、つまり昨年の参院選に負けたあとにまともな総括をやらなかったことが挙げられる。泉健太時代の2022年にも立民は参院選で惨敗したが、その時には立民が党として「提案型野党路線が敗因だった」としっかり総括して泉がそれを受け入れて路線を転換した。本当は泉は代表を辞任すべきだったと私は今でも思うが*4、それでも党が真面目な総括をやったことと泉がそれを受け入れたことだけは、何もやらなかった昨年の野田よりははるかにマシだった。それで、泉時代の路線転換後には立民の政党支持率や三春充希氏の「リアルタイム議席数予測」の数字が増え続けた。2024年の衆院補選3戦全勝もその線上にある。それが今回はなかった。だから野田は公明党からの党の合同の誘いに乗った。

 結局、立民が昨年の参院選の総括を真面目に行わなかったことが(いちおう形だけの総括は行ったようだが)致命傷になった。「アエニキ」とかいうXerが提唱した「衆参七掛け理論」を弊ブログは何度も批判したが弊ブログの批判は当然ながら正しかった。そんな法則が成り立っていたら野田が公明との合同に飛びつくはずもなかったからだ。

 結局最大の戦犯は公明ではなく立民の野田執行部だった。安住淳など、弊ブログは一貫して「私は買わない」「弊ブログは買わない」と書き続けてきたけれども、こたつぬこ(木下ちがや)などは天まで届かんばかりに安住を持ち上げてきた。衆院選に惨敗して、やっとこたつぬこや安住に対するまともな批判が出るようになった。

 私が一昨日あたりから注目するようになったのは「匿名希望の蝸牛(まいまい)」さんのXだ。共感できるポストが非常に多い。枝野幸男支持の方だ。私は比例で立民に投票したことこそ一度もなかったけれども、立民の中では枝野幸男西村智奈美寄りの人間であることは間違いなく、そのために自称共産党支持の某権威主義者から「枝野信者」「西村信者」などと呼ばれている。

 

 

 でもその一方で下記のようにも書いておられる。これには本当に大賛成だ。

 

 

 上記ポストは、希望の党騒動において小池百合子は追い出されたのではなく自分から出て行ったはずであることを除いて同感だ。

 どうせしばらく衆院解散はないのだから*5、当面このまま行くしかない。私は「そんなことよりも」ボトムアップ社民主義政党立ち上げのためには何をすれば良いかということの方に主な関心がある一方、中改連には「中道政党」としてではなく、もっと保守寄りの、さらにいえば自民党伝統保守系の議員たちの受け皿になれる保守政党としての役割があり得ることに気づいたので、オルグ活動の才能があると見られる泉健太(そうでなければ少数派の民民系から立民代表になどのし上がれなかったはずだ)が代表になって自民党議員たちを仲間に引き入れれば良いと思う。ただそんな保守政党など支持も応援もできないというだけの話だ。まあこの話はもっと書かなければならないことがたくさんあるから別の記事に回す。

 その一方で、参議院や地方議員での立民と公明との合同には私は大反対である。

 

 

 下記はリポスト。

 

 

 ああ、開票センターから逃げ出した幹部がいるって安住のことか。

 今回自民党のおこぼれで最後の最後に当選した井戸まさえ氏は、宮城から東京に国替を強いられた時に安住にずいぶん偉そうなことを言われたらしいが、そのあずみが落選して井戸が13年ぶり2度目の復帰か。かつてこの人に投票した人間としてはもやもやするところもあるが、まあ井戸氏は玉木雄一郎には嫌われているに違いないし、二度の国替えでひどい目に遭ったことでもあるし、大目に見てやるか。

 でも、2024年の二度の衆院選(補選と本選)で二度とも1位を争った酒井菜摘と須藤元気が結局ただの人になり、井戸まさえと金澤結衣と吉川里奈が衆院議員(吉川なんか再選だよ。しかも参政党)というのもなんだかなあと思う。

 それで酒井菜摘だけど、衆院選はいつあるか、あったとしても勝てるかもわからない。一方、来年12月に行われるであろう江東区長選に酒井さんが出たら、今度は大久保朋果に勝てるんじゃないかという気がする。前回大久保を支援した公明を今度は味方に引き入れるとか、高野勇斗区議ならそんなことを考えているんじゃないかと想像するし。それに本来の資質からいえば、衆院議員には高野さんの方により適性があるのではないかという気もするがいかがだろうか。そりゃイメージ戦略的には酒井さんの方が当選しやすいかもしれないけれども。

 こんなことを書いたら、酒井菜摘さんの本当の熱心な支持者から怒られてしまうかもしれないけど。でも適性からいえばそっちの方が良いんじゃないかと思う。

*1:そのくせ柿沢未途みんなの党や維新の党の公認で当選したりもしたが、柿沢はもともと元自民の国会議員を父親に持つ世襲政治家である。

*2:https://news.yahoo.co.jp/articles/3a5ae6be8224f75ba285271dcc054cd999e6a91c

*3:新選組が得た1議席自民党の比例名簿登載者不足によるおこぼれだ。最後の当選者になった民民の井戸まさえもそうだろう?

*4:あの時泉が引責辞任しなかったから、昨年の参院選惨敗時に野田が居座ることができたのだと思う。

*5:前回は議席確定と同時に「次は来年の衆参同日選挙だ」という声がメディアやネットから一斉に上がり、衆参同日選挙こそ石破の粘りで阻止できたものの結局それに近い形になった。しかし今回は誰も次の衆院選は早い、などとは言い出さない。