kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

晩年「陰謀論」に傾斜した故白川勝彦氏

 白川勝彦氏が亡くなられた。お悔やみ申し上げる。

 

 しかし、氏が晩年陰謀論にはまっていたことも指摘しておかなければならない。検索語「陰謀論 白川勝彦」から下記の白川氏自身のツイートが検索された。衆院選のあった2014年12月のこと。

 

 

 さっそく、リチャード・コシミズから支援をねだられたりもした。

 

 

 問題の白川氏のブログ記事は下記。リンクのみ張り、本文は引用しない。

 

 白川氏は政権交代直前の2009年に『翔べ! 鳩山由紀夫』という恥ずかしいタイトルの本を出すほど熱烈な鳩山由紀夫のシンパだった。私のブログでも以前は白川氏のブログ記事をよく引用したものだが、鳩山由紀夫の応援本を出した前後から離れて行き、支のブログをあまり読まなくなった。そして鳩山由紀夫は、2010年に政権を投げ出したあと、年々陰謀論への傾斜を強めて今に至る。

 白川氏は鳩山由紀夫から悪影響を受けてしまったのかもしれない。

 それにしても、白川氏もまた「あまりにも脆い宏池会保守本流)の政治家」の1人だったと言わざるを得ない。

辛坊治郎、自ら司会するテレビ番組で福山哲郎に瞬殺されるw

 そういえば最近辛坊治郎の悪口をほとんど書いていなかった。かつては毎週こいつが土曜朝に司会している番組をチェックして悪口を書いていたのだが、2013年に自己責任論者のこいつが赤恥をかいた頃にはもうチェックする気力は失せていた。

 まず6年前に書いた記事にリンクを張っておく。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 辛坊治郎は自らの遭難の件などもう誰も覚えていないだろうと高をくくっているに違いないから、この件をほじくり返した次第。

 その辛坊が、昨日(23日)、自らが司会を務める番組で立憲民主党福山哲郎にやり込められて反論できず、赤恥をかいたらしい。それを、放送した読売テレビ(大阪)と同系列のスポーツ報知に報じられている。

 

https://hochi.news/articles/20191123-OHT1T50058.html

 

辛坊治郎氏が立憲・福山氏と激論「桜を見る会」名簿巡る生放送発言詳報

 

 

 立憲民主党福山哲郎幹事長が、フリーアナウンサー辛坊治郎氏(63)がキャスターを務める23日放送の日本テレビ系「ウェークアップ!ぷらす」(土曜・前8時)に生出演した。

 同番組では前週の放送で辛坊氏が、政府が首相主催の「桜を見る会」について来年の開催中止を決めた特集の中で「野党はバカ」「東京の政治部バカ」などと発言。番組のエンディングで「今日の番組に関して、私のバカ発言に対しまして局、番組サイドから謝罪取り消しの指示が参りました。局、番組のスタンスとしてしっかりとおわび取り消しをさせていただきます」とコメントしていた。

 この日は、辛坊氏と福山氏が生放送で“直接対決”。「桜を見る会」の出席者名簿について白熱のやりとりが交わされた。やりとりは次の通り。

 辛坊氏「民主党政権時代も『桜を見る会』はあったんですが、そのときの出席者データを出せと言われたら出せるもんですか?」

 福山氏「出せますね」

 辛坊氏「それ、黒塗りなしで主席者全員の名前を出すのはプライバシー上OKですか?」

 福山氏「政治の枠は出しても…。まぁ、黒塗りねぇ…。我々は出してもいいと思いますよ。だって問題ない人ばかりですから」

 辛坊氏「だったら、民主党政権時代のデータを出して『何で出ないんだ。電子データがあるはずだろ』という追及の仕方もあるのでは」

 福山氏「だって、うちら保管していませんから。それは内閣府にありますから」

 辛坊氏「あっ、そういうことですか」

 福山氏「そうです。そうです。民主党政権時代のデータも全部含めて廃棄しちゃったと言っているから、話がややこしいんです。実はあると思いますけれど」

 辛坊氏「党内にデータくらい残っているでしょ」

 福山氏「そしたら自民党にも母体が残っている。そんなの、残っていないですよ。とりまとめは総理がしたっていう話も、そうなっちゃったら矛盾しちゃいますから」

 辛坊氏「なるほど」

 

出典:https://hochi.news/articles/20191123-OHT1T50058.html

 

 なんと、辛坊はいとも簡単に福山哲郎に言い負かされてしまった。

 

 Twitterでは、辛坊はたとえば下記のように馬鹿にされている。

 

 

 あまりにも情けない姿をさらした辛坊。単なる「虎の威を借る狐」に過ぎなかったということだろう。そういや「虎」で思い出したが、辛坊は昔、阪神ファンをウリにしていた。読売と阪神の両方の威を借る遭難し損なったこのふざけた自己責任キツネは、いい加減テレビの画面から追放されなければならない。

「陰謀論」の問題点と荻上チキ氏の「結果スピン」論

 沢尻エリカ容疑者の逮捕が「桜を見る会」から目をそらさせる「スピン」だとする陰謀論が流布した件に関して、元毎日新聞の石戸諭氏がネットに記事を出したが、しっくりこない点がいくつかあったのでこれまで取り上げなかった。石戸氏の記事は下記。

 

news.yahoo.co.jp

 

 石戸氏は陰謀論の問題点について、下記のように論じている。以下、上記にリンクした記事から引用する。

 

陰謀論の問題点

 「芸能人の逮捕と政権の不祥事」がつながっていると言うならば、確たる証拠が求められる。証拠がないままの主張は陰謀論と言わざるを得ない。

 日経サイエンス2014年2月号に掲載された「陰謀論をなぜ信じるか」によると、陰謀論の本質的な問題は「政治的な重要な問題への一般市民の関心をそぎ、妨げてしまう恐れ」にあるという。

 いくつかの研究を簡単にまとめれば、陰謀論の基本は「根本的な帰属の誤り」と呼ばれる認知バイアスにある。これは「他者の行動の背景に意図を過大に感じ取る習性」だ。これが働き出すと、人は複雑な政治問題や、多くの人が関与するような問題であっても、単純な説明で世界を理解するようになる。

 ネトウヨがちょっとした言動から「在日」認定し、日本のあらゆる問題を在日コリアンによるものと主張する様を思い出すといい。

 もう一つの大きな要因は「権威・権力」への不信だ。権力は基本的に信用できないという信念を持っていれば、いくつかの主張に矛盾があったとしても、「権力への懐疑」さえ共有されていれば、もっともらしさを感じることができる。

社会問題への関心を低下させる

 陰謀論の決定的な問題は、社会問題について、人々の関心を低下させることにある。英ケント大の研究によると、地球温暖化について、陰謀論を支持する見解を被験者に読ませたところ、彼らは政治的問題に関与する気が薄れ、身近な温暖化対策にも消極的になった。

 陰謀論はあまりにわかりやすく、安直なストーリーであるがゆえに、同じ価値観を有する人々の間では盛り上がるが、異なる価値観との間では議論が成立しにくい。

 安倍政権に批判的であること、政権の説明を疑うこと自体はまったく問題ないし、私もまた批判すべき点が大いにあると思っていることは冒頭に書いた。大事なのは、批判や疑いが確かな根拠に基づいているかだ。関連が薄そうな問題をセンセーショナルにつなげて、証拠もないままに陰謀論を展開することは、結果として政治への関心の低下を導くのではないか。

 

出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidosatoru/20191118-00151366/

 

 ここに書かれているような問題もあるのだろうが、それよりも、陰謀論を唱える側が自らを甘やかした結果、自らの勢力自体に悪影響を与えてしまう弊害が大きい。下記はそれを指摘した記事の例。

 

sumita-m.hatenadiary.com

 

 以下引用する。

 

幾度か書いたけれど、陰謀理論の問題というのは〈主体性〉を巡る問題でもある*3。要するに、一方において大陰謀を実行する強大な主体を設定することによって、自らの主体性の危機(無力感)を正当化し、、他方においてはその陰謀に為す術は持たないが陰謀の存在及び下手人を正しく認識している無力ではあるが明晰な主体としての私を救出すること。これをロマンティック・アイロニーと呼んでいいのだろうか。また、陰謀理論の消費者にとっては、陰謀理論を供給してくれる別の主体に対する拝跪が同時に行われることも珍しくない。勿論、安手のシニシズムに奔る可能性も少なくはないのだけど。

 

出典:https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2019/11/21/131432

 

 上記の視点が石戸氏の記事からは欠けていると思った。

 実際、小沢一郎の一派が民主党から分派したあと、2012年の衆院選日本未来の党9議席)と2013年の参院選(生活の党0議席)に相次いで惨敗したことの要因の一つとして、コアな支持層というか「小沢信者」たちが陰謀論に傾斜したことがあるのではないかと私は考えている。

 

 しかし、石戸氏の記事への食い足りなさはこのことだけにとどまらない。それを指摘してくれたのが下記に示す荻上チキ氏の記事だった。

 

note.mu

 

 荻上氏はこの記事で、

記事の趣旨はほぼ同意できる。根拠なき陰謀論は、議論リソースを無駄に消耗させてしまう。また陰謀論は、世界を単純化する思考に人々を慣れさせてしまう他、友敵図式のフィルタリングバブルを強化する。

と書きつつ、それに加えて新たな視点を提供する。以下引用する。

 

同意できない点というか、補足点は以下。おそらく皮肉を込めたであろう、「そもそも『桜を見る会』の出席者名簿すら管理できない政権で、なぜ芸能人の逮捕リストを管理できるのか」の一文は、余計であると思った。というのも、両者は同じ「管理」という言葉でくくれない。政府は公文書を「管理できない」のではなく、破棄することをもって管理としている節がある。また、ここ数年だけでも、実際上は破棄されたはずの公文書が度々存在してきた前例があることは、例えば石戸氏の古巣である毎日新聞が、「公文書クライシス」という優れた連載で明らかにしている。

 

他方で、政治問題から目を背ける「スピン」については、世界で事例はいくつもある。では日本では実際どうか。個別の事例ではわからない。ただ、メディア関係者と総理との会食が「寿司友」と批判されるように、懇意にしている記者が与党有利な「解説」をしたり、官邸で質問に当てられやすかったり、官房機密費が順調に活用されていたり、あるいは新聞業界が軽減税率については都合の良いオピニオンを流していたりするような、距離感の取り方そのものは、常に批判的検証が必要だ。 

陰謀論」を批判する次に求められるのは、「陰謀論」に陥らずとも、メディアの報道についての批判的検証は可能だ、と共有することだろう。メディアが自発的に、ニーズに合わせて芸能スキャンダルを取り扱うことが、主権者教育の機会を失わせるとは僕も思う。だからメディア関係者は、メディア期待をめぐる政治についても、アンテナを高める必要がある。

 

僕は、「スピンか否か」という政治意図に着目するのではなく、「結果がスピン的になっていないか」という政治効果に着目するのが重要だと思っている。そして、結果的に政治ニュースの優先順位を下げるような報道のあり方を、「結果スピン」と読んでいる。

(中略)

薬物所持の容疑で逮捕された芸能人の、前日の服装や表情がどうだったのかという情報は、僕にとっては無価値で、薬物報道ガイドラインの観点からすれば有害であるとも思う。そうしたニュースが、より重要と考えるニュースからの「結果スピン」になっているではないかという視点は、メディア論の末席に携わるものとしては常に考えている。

 「陰謀論」的な立論の貧しさに対して、警鐘を鳴らすことは大事だ。他方でこうした政治的な議論においては、「問題を追及している人間の愚かしさ」をあげつらうこともまた、問題点そのものをうやむやにするような力もある点に注意も必要だ。例えば追及している人たちのうち、極端な意見の人だけに着目して嘲笑し(セレクティブエネミー)、どっちもどっちのような雰囲気となったところで、議論がおひらきになるというような仕方で。「陰謀論に問題だよね」という議論をするとき、それ自体が「結果スピン」として機能しないよう、私たちはすかさず、議題設定のあり方を意識しなくてはならない。

 「こっちの方が大事だろう」という声は、どのような報道機会にも行われる。「桜を見る会」を報じることに対しても、「くだらない」という声もあれば、「日米貿易協定こそ大事だ」という声もある。僕個人は、先に説明したような「桜を見る会」の論点は、いずれも重要であると思うし、軽視していい問題とは思わない。他方で、「問題の優先順位」については人によってばらつきがある。個別の政治だけでなく、優先順位をめぐる政治水準についても、私たちは絶えずコミュニケーションを行っている。難しいように見えるかもしれないが、少なくともメディア人は、なぜこのような報道の優先順位なのかと、ルーティンに陥らず、問い続けながら報道に取り組んでほしい。

 

出典:https://note.mu/ogiuechiki/n/nc37d8eb10b76

 

 そうなのだ。私が石戸氏の記事に引っかかった点も、陰謀論がそれを唱える側自身に与える悪影響の指摘がないことのほか、「そもそも『桜を見る会』の出席者名簿すら管理できない政権で、なぜ芸能人の逮捕リストを管理できるのか」という文章にあったのだった。私は、それは違うだろ、この論理を持ち出すと「どっちもどっち」論になってしまうんじゃないか、と直感しながらも、そこから論理を組み立てて記事にすることはできなかった。

 問題点を的確に把握し、論理的に考察した上で「結果スピン」という、問題点を一語で表す言葉を用いて記事をまとめることは、能力の高い書き手でなければできないことだ。荻上氏に脱帽した。

 この記事には多くの「はてなブックマーク」がついているが、陰謀論者が荻上氏の記事に含まれる、陰謀論に対する石戸氏の「不用意な批判」を批判した部分にのみ着目してつけた我田引水のブコメが多くのスターを集めたりしている例もあって、ため息が出た。そんな中で、私がもっとも良いと思ったブコメは、「人気コメント」の下の方にあった。それを下記に示す。

 

「桜を見る会」と芸能報道から考える、「結果スピン」の効能|荻上チキ|note

「「陰謀論」に陥らずとも、メディアの報道についての批判的検証は可能」「少なくともメディア人は、なぜこのような報道の優先順位なのかと、ルーティンに陥らず、問い続けながら報道に取り組んでほしい」同意

2019/11/19 22:15

b.hatena.ne.jp

朝日・前田直人記者の安倍晋三評に同感

 朝日新聞・前田直人記者のツイートより。

 

 

 これには同感だ。政権があとどのくらい続くのか知らないけど。

 坂野潤治が言った「崩壊の時代」は、来月でまる7年になる。前回の「崩壊の時代」の始まりが1937年7月7日なので、それに当てはめれば現在は1944年6月に当たる。東条英機内閣が倒れたのは1944年7月22日だった。

 そろそろ潮時だということだ。

 前記前田氏のツイートへの反応より。

 

 

 メディアだけじゃないけどな。変節・転向した人たちの罪はあまりにも重い。

 菊池誠とかね。ほかにも大勢いるだろうけど、真っ先に名前が浮かんだのがこの人だった。

2007年最大の悪役はあいつに決まってるだろ

 たまたま、一昨年(2017年)に書かれた下記記事を見かけた。

 

gendai.ismedia.jp

 

 その中で注目したのは、2頁目の下記のくだり。

 

2007年の三悪役は本当に悪だったのか?

2007年の悪女、沢尻エリカ

ちなみに池上彰が2007年10月15日の朝日新聞紙面「池上彰の新聞ななめ読み」というコラムにおいて、いま(2007年10月当時)人々がもっとも話題にしている「エリカ様」騒動を朝日新聞はまったく取り上げていないが、その態度は問題ではないか、と指摘している。マスコミがすべて巻き込まれた騒動だったことがわかる(べつに、と沢尻エリカが言ったのは、同年9月29日)。
 
当時、朝青龍と亀田一家と並んで、2007年の三悪役としてマスコミに取り上げられた。

この3人のうち、どの人が不当に悪役に仕立てられているでしょう、とのアンケートが新聞に載っている。回答は朝青龍、沢尻、亀田の順(つまり亀田、沢尻、朝青龍の順でほんとうに悪い人だとおもわれている)〔朝日新聞be〕。

 

出典:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/51970?page=2

 

 池上彰とはなんたる俗物なのか、と呆れた次第。

 私は沢尻エリカの「べつに」騒動なんか覚えてもいない。もともと好きなタイプの人ではないので関心がなかったといえばそれまでだが。

 芸能人に対する摩訶不思議なバッシングといえば、1993年頃の裕木奈江に対するものがもっとも印象深い。女性週刊誌が入れ替わり立ち替わり、毎週のように叩いていたのを新聞に載る広告で見ていた。沢尻はそんな叩かれ方まではしていなかったのではないか。それを新聞で取り上げろとは、池上彰は何を考えていたのか。

 それよりも2007年最大の悪役はあいつに決まってるだろ。

 そう、安倍晋三だ。「KY」が流行語大賞の候補になったが、私など今でも第1次安倍内閣といえば「KY」を思い出す。

沢尻エリカ容疑者逮捕と「桜を見る会」をめぐる2つの「陰謀論」

 昨日(16日)、沢尻エリカという芸能人が麻薬所持の疑いで逮捕された。

 この芸能人は、数年前に逮捕された元プロ野球選手(西武・読売・オリックス)の清原和博同様、麻薬の疑いが何度も取り沙汰された人物であって、逮捕に特に驚きはない。しかし、さっそくいつものように「安倍晋三の『桜を見る会』問題から目をそらさせようとする『スピン』だ」という陰謀論が巻き起こった。今回はオザシン(「小沢信者」)やヤマシン(「山本太郎信者」)のみならず、立憲民主党支持層などからもこのスピン陰謀論の声が上がっている。

 厚労省麻薬取締部ではなく、警視庁が沢尻容疑者を逮捕したことが今回の「スピン陰謀論」の根拠になっているようだが(安倍政権は容易に警視庁を動かすことができるとされているから)、これも下記ツイートが指摘するように、以前から沢尻容疑者と「反社会勢力」とのつながりが警視庁にマークされていたと考えれば不思議はない。芸能人や前記清原和博などのスポーツ選手と「反社会勢力」とのつながりを知らぬ者は誰もあるまい。

 

 

 まあ実際に安倍晋三が警視庁を動かした可能性がないとは私は言わないが、証拠を示せなければ人々を説得できないばかりか、ネトウヨに攻撃の材料を与え、人々がネトウヨの側に流れてしまう割合の方が多いだろうから、そういう陰謀論は言わない方が良い。政権を倒すなんて最初からハンデ戦に決まっているのだ。もちろん、決定的な証拠を掴んでそれを広めれば政権を倒せる可能性もあるが、あくまで動かぬ証拠を掴めればの話だ。

 以上のような陰謀論ならありふれているのでわざわざ記事にもしないのだが、今回記事にするのは、沢尻容疑者が逮捕される直前まで、「桜を見る会」を野党が追及すること自体が「日米FTAから目をそらさせるための『スピン』だ」という陰謀論が、オザシンやヤマシンたちの間で広められていたからだ。

 特に目立つのは「ゆきのちゃん」と名乗るアカウントだが、この人のツイートをいくつか載せたブログ記事がネットで引っかかったので下記にリンクを張る。

 

ameblo.jp

 

 上記ブログ記事から筆頭にリンクされている「ゆきのちゃん」のツイートを下記にリンクする。

 

 

 オザシンやヤマシンたちは、この陰謀論に夢中になっていて、あろうことか山本太郎自身もそれに煽られて他の野党を「売国」呼ばわりして批判を浴びた。ヤマシン自身が山本太郎にダメージを与えた格好だ。

 「桜を見る会」は安倍晋三にとって不利な材料だろうと普通の人は思うが、彼らの一部は「安倍はもう宗主国アメリカ)から切り捨てられた」などと宣っている。

 ところが日米FTAから関心をそらすスピンだったはずの「桜を見る会」から目をそらすスピンとして沢尻容疑者の逮捕が語られることによって、わけのわからないことになってしまった。

 もっともそんなことにめげるオザシン・ヤマシンではない。彼らは「沢尻容疑者逮捕は日米FTAから目をそらさせるためのスピンだ」と言えば良いだけの話だから。

 彼らはいったい何をやっているのだろうか。沢尻容疑者の件は芸能人ならありふれた話だし、日米FTAと「桜を見る会」の批判は二律背反でも阻害要因でもなく、両方とも批判していくことはいくらでも可能なのだから、「(野党は)『桜を見る会』を追及して日米FTAから関心を逸らすプロレスをやっている」と主張する前記「ゆきのちゃん」の陰謀論はナンセンスとして一蹴されてしかるべきだ。

 それをやらずに「ゆきのちゃん」になびくオザシン・ヤマシンたちこそ、安倍晋三と自公の「補完勢力」として強く批判されるべきだろう。