kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

参院選東京選挙区の目標は海老沢由紀(維)、山本太郎(組)、荒木千陽(ファ)の全員落選

 私は参院選東京選挙区で2013年には吉良佳子(共産)、2016年には小川敏夫民進)、2019年には山岸一生(立民)に投票した。13年と16年には投票した候補が当選したが、19年の山岸は落選して音喜多駿(維新)の当選を許し、大いに立腹した。選挙結果を大きく左右したのは山岸の古巣・朝日新聞の情勢調査であって、山岸が当選圏内、同じ立民の塩村文夏が当落線上との報道を知って、逆に山岸は危ないな、塩村に同情票が集まってしまうと危惧していたらその通りになってしまったのだった。塩村は元みんなの党だったので大して買っていなかった。ポスターに東大卒、元朝日新聞を麗々しくうたっていた山岸にも抵抗はあったが、何よりも音喜多駿を落とすことが投票行動の目的だったから選択には全く躊躇しなかった。

 2013年の参院選に初当選したのが山本太郎だった。私は山本に心惹かれるところは最初からあまりなかったのと、民主党鈴木寛保守系だったので(鳩山由紀夫羽田孜前原誠司のグループに属していた)、吉良への投票にも迷いはなかった。この選挙で鈴木は落選し、民主党は東京選挙区で当選者ゼロだった。当時はまだ「反山本」ではなかったので、山本の当選は何とも思わなかったどころか、山本と鈴木の比較ならまだ山本の方がましかもしれないと思っていた。

 一番熱くなったのはなんといっても2016年の参院選であり、維新から立候補した田中康夫山本太郎の応援を受けた三宅洋平を何が何でも共倒れさせたい、そのためには民進2人目の小川敏夫に投票するしかないと思ったが、民進支持層が同党右派にして新自由主義系の蓮舫に票を集中させようとしているのを見て、民進支持層ってそんな志向なのかよ、と日々彼らを呪っていたものだ。しかし、三宅洋平への支持が思いのほか伸びて、実にうまい具合に田中康夫の票を食ってくれたおかげで、田中と三宅の共倒れ、小川の当選という会心の結果になった。これを大いに喜んでいたら、すぐあとの都知事選に小池百合子が当選してしまう最悪の結果に遭遇し、そのあとは弊ブログに小池百合子批判の記事ばかり公開していた。あの頃も強烈な逆風に見舞われたが、翌年の「希望の党」騒動と立民の発足によって、突如として流れが大きく変わった。

 そして今年。未明に公開した記事に書いた通り、心情的には服部良一に入れたいところだが、選挙区で落とす大きなターゲットが3つある。まず一番手強いと思われるのが維新の候補であって、大阪市議の海老沢由紀を立ててくるらしい。次に手強いのは山本太郎か、それともファ□ストの会代表・荒木千陽のどちらだろうか。とにかくこの3人を全員落とすための投票行動に徹することになる。手の打ちようがない場合には服部良一に投票する。仮に山添拓が前記3人とデッドヒートを演じているなら山添に入れる可能性があるし、山添は楽勝で立民の松尾明弘が2議席目を狙えそうなら松尾に入れる可能性がある。私にとっては東京選挙区は2016年以来「誰を当選させたいか」ではなく「誰を落選させたいか」の選択なのだ。

 

 

 海老沢と山本はもっと強いんじゃないでしょうか。

 昨年の衆院選も、維新があんなに伸びるとは全く想定していませんでした。東京15区でも立民の井戸まさえの得票率24.75%に対して維新の金澤結衣は18.83%とりましたし、参院選では立民の得票は2016年と同様、間違いなく蓮舫に大きく傾くでしょうから、松尾>海老沢の結果はほとんど想定できないんじゃないかと思います。

 また、×××新選組への支持もあんなに根強いとは思わなかったし、ましてやカリスマ党首の山本おん自らの出馬ですからね。一方、荒木には小池百合子みたいなカリスマ性はありません。強い順番に、海老沢>山本>荒木じゃないでしょうか。

 まあ私の肌感覚は全くあてになりませんけど。いい加減歳をとったので、若い世代が何を考えているかは全然わかりません。数年前に「批判なき政治」を掲げた自民党候補(現国会議員)が出てきた時にはびっくり仰天しました。のちに、現在の若い人たちは子ども時代から「批判=悪」と教え込まれていることを知りましたけど。日本社会が長年の自民党の策略にまんまと嵌ってしまっているわけです。

 この惰性力は全く馬鹿にできません。人間社会に働く最強の力は惰性力ですからね。

山本太郎、依田花蓮氏を将棋の駒のように比例区に動かして参院選東京選挙区に出馬へ(呆)

 仕事がやっと一段落。日曜日に読書ブログに公開したディケンズの『荒涼館』の記事にかまけたせいで、今週は全く余裕がなくなってしまったが、やっと昨日(5/20)に仕上げた。

 その昨日の夕方、山本太郎が今夏の参院選で東京選挙区から出馬すると発表したらしいことを知った。12年前に都民になってしまった*1私は「ちっ、結局東京に来やがるのか」と舌打ちした次第。

 以下毎日のサイトより。短い記事で無料らしい。

 

mainichi.jp

 

 以下引用する。

 

れいわ山本太郎代表、東京選挙区からの出馬を表明 夏の参院選

毎日新聞 2022/5/20 13:21(最終更新 5/20 13:21

 

 れいわ新選組山本太郎代表(47)は20日、東京都内で記者会見を開き、夏の参院選で東京選挙区(改選数6)から立候補することを明らかにした。既に公表している候補予定者は比例代表に回る。

 山本氏は4月15日、参院選で「確実に1議席を取りに行く」と述べ、衆院議員を辞職してくら替え出馬すると表明していた。比例ではなく選挙区から立候補すると述べる一方、どの選挙区から出馬するかは明言していなかった。【竹内麻子】

 

出典:https://mainichi.jp/articles/20220520/k00/00m/010/097000c

 

 昨年の衆院選東京8区に続いて、またしても山本太郎は自党の候補予定者を将棋の駒のように無造作に移動させた。昨年は東京8区からの立候補断念に追い込まれたが、参院選では間違いなく東京選挙区から出るだろう。共産の山添拓や立民の2人目、それに社民の服部良一幹事長らと戦うことになる。共産党系の人たちの間では、これで山添が安泰とはいえなくなったとの危機感が強まっているらしい。蓮舫に圧倒される立民の2人目はますます目がなくなったというべきか。私は最近の各党の動きを見ていて、現在の情勢であればもともと当選の見込みがほとんどない社民の服部に投票しようかという気持ちに傾いている。比例も同党の秋葉忠利への投票を考えている。秋葉氏は今年で80歳なんだね。小沢一郎一派の新生党から出て衆院議員になったものの、のち小沢から離反して福田康夫の引きかなんかで自民党清和会に移ったものの、自民党とも喧嘩別れした栗本慎一郎脳梗塞で倒れる直前に書いた『自民党の研究』(カッパ・ブックス, 1999)で秋葉氏を高く買っていたことが思い出される。あの頃はまだ社民党にもそれなりの力が残っていた。

 今度の参院選ではその社民党の政党要件が存続するかどうかがかかっている。一方、山本太郎が構成員を駒のように動かすことから明らかな通り、「山本天皇が君臨する反民主主義的集団」であるとしか言いようがない×××新選組は改選議席がゼロなので、参院選で国会の議席が増えることこそあれ減ることはあり得ない。社民を名乗る党が政党要件を失って、党内民主主義が全く働いていない「組」がのさばるのは業腹もいいところなので、今回の参院選では社民党を応援しようという気に傾いている。そういえば昨年の衆院選でも選挙直前に東京15区の「野党共闘」の候補に東京4区の立民候補予定者だった井戸まさえ氏を急遽移動させた経緯から立民と共産に腹を立て、選挙区では井戸氏に投票したものの比例は社民党に入れたのだった。井戸氏にせよ今回山本太郎によって東京選挙区候補予定から比例区に飛ばされた依田花蓮(よだかれん)にせよ、駒のように動かされるのはたまったことではあるまい。

 今回の件で、×××新選組はさすがに党名に元号を冠するだけあって、山本天皇が君臨するとんでもない反民主主義的政党としての体質がますます露骨に示されたな、という以外の感想はない。このような民主主義の敵に対して、弊ブログは今後も徹底して敵対的態度をとり続けることはいうまでもない。

 

 前記毎日新聞の記事についた「はてなブックマーク」のコメントより。

 

れいわ山本太郎代表、東京選挙区からの出馬を表明 夏の参院選 | 毎日新聞

(手遅れかもしれないが)れいわには左のN党と化してほしくないので、法の範囲内であれば何をやっても良いという考えを控えて貰いたい。信者は喜んでも多くの有権者の心はその分だけ離れていく。

2022/05/20 14:38

b.hatena.ne.jp

 

 甘いな。×××新選組はとっくの昔に「右も左もないN党」*2だよ。×××、N党、参政党はすべて同じ穴の狢だ。

 

れいわ山本太郎代表、東京選挙区からの出馬を表明 夏の参院選 | 毎日新聞

ある意味ではN党と同じで、話題を提供し続けないと消えてしまう党であると山本太郎は認識しているのだろう。ポピュリズム政党の宿命だよな。

2022/05/20 20:30

b.hatena.ne.jp

 

 ほんと往生際が悪いんだよな。早く消えればいいのに。

 

 まことん氏のツイートもリンクしておく。

 

 

 驕り高ぶる山本の姿には、激しい怒りしか感じない。

*1:そんなつもりではなかったが、結局仕事をするために東京に出て来ざるを得なかったのだった。

*2:党名に元号を冠している以上「左の」政党であるとは決していえない。×××新選組は「右」の要素と「左」の要素が入り交じった正体不明の反民主主義的政党でしかない。

「日中戦争であれば日本、ベトナム戦争であればアメリカ、アフガニスタン侵攻であればソ連、レバノン侵攻であればイスラエルを徹底的に非難しなければならないように、ウクライナ戦争ではロシアを徹底的に非難しなければなりません」(「無識者(風来坊)」さんのコメントより)

 下記記事のコメント欄より。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 無識者(風来坊)

和田春樹東大名誉教授らがロシアとウクライナの双方に停戦を呼びかけたとのことですが、これが日本のリベラル・左派のズレっぷりをよく表していると思います。ロシアが侵略戦争をやめて撤退すれば戦争はすぐに終わるわけですからね。ウクライナの人たちは好き好んで戦っているわけではありません。自分達の命や基本的人権を守るために戦いを強いられているわけです。戦わずに逃げればいいじゃないかと言う人もいますが、逃げたくても逃げられない人もたくさんいるわけですしね。日本大空襲の犠牲者にもっと安全な場所に逃げれば良かったのにと言うのと同じくらい無意味なことです。日中戦争であれば日本、ベトナム戦争であればアメリカ、アフガニスタン侵攻であればソ連レバノン侵攻であればイスラエルを徹底的に非難しなければならないように、ウクライナ戦争ではロシアを徹底的に非難しなければなりませんね。(後略)

 

 そうなんですよ。

 「日中戦争であれば日本、ベトナム戦争であればアメリカ、アフガニスタン侵攻であればソ連レバノン侵攻であればイスラエルを徹底的に非難しなければならないように、ウクライナ戦争ではロシアを徹底的に非難しなければなりません」とは、本当にその通りだと思います。

 1979年のソ連のアフガン侵攻は、まだ親ソ派として有名だった向坂逸郎が生きていた頃(1985年死去)でしたから社会党左派(社会主義協会)はどうだったかは知りませんが、共産党新左翼を含む左翼の大半がソ連を批判しました。もちろんリベラルも。

 ところが最近は新自由主義グローバリズムへの批判が普及してきたので(この議論自体は正当だと私は考えています)、その旗手であるアメリカを批判せずして議論してはならない、みたいな「反米原理主義者」たちが現れ、彼らが「NATOの東方拡大を議論せずしてロシアを批判するのは議論が不十分だ」などと言っているわけです。「NATOの東方拡大」の枕詞をいちいちつけなければまともな批判ではなく、その枕詞をつけない人間は事実上の親米派だと決めつけるに至っては何をか況んや。呆れて言葉もありません。

 でも、上記の意見であればプーチン批判(ロシア批判)の部分はまともなのでまだ見るべきところはあります。さらに悪質なのは暴走して「ゼレンスキー=ネオナチ論」等を喚いて事実上プーチンと同じようなことを言い出す人間がいることで、私の見るところその比率が高いのがヤマシン(「山本太郎信者」)です。もちろんこんな方向に暴走するのはさすがのヤマシンの中でも一部に過ぎません(その多くはツイッタラーです)が、その比率は一般人はもちろん、政治的意見を発信するツイッタラー全体から見ても異様な高さになっているように見受けられます。ここまでくると論外としか言いようがありません。

 私の理解では、まともなリベラルまたは左派であれば「日中戦争であれば日本、ベトナム戦争であればアメリカ、アフガニスタン侵攻であればソ連レバノン侵攻であればイスラエルを徹底的に非難」する立場に立っていると考えています*1から、下記「世に倦む日日」のツイートのトップに固定されている呟きからリンクが張られている下記ブログ記事など、何言ってやがるとしか思えません。

 

critic20.exblog.jp

 

 いつまでこんな不毛な議論が続くんでしょうかねえ。

*1:中には右派系論客に無批判に同調する軽率な人もいるのは確かですが、そんな人たちは少なくともリベラル・左派の多数派ではありません。

5.15事件90周年

 今日は5.15事件から90年周年の記念日か。沖縄復帰50周年の日でもあるけれど。

 そういえば「昭和初期」も、「大正デモクラシー」の時代から一変して、すさまじい反動の流れに見舞われた時代だった。稀代の悪法・治安維持法が1925年(大正14年)に制定され、翌年末に昭和に「改元」された。共産党が1928年(昭和3年)の3.15と1929年(昭和4年)の4.16に大弾圧され、1932年には「スパイM」こと飯塚盈延が「非常時共産党」を牛耳っていた。その一方で急な追い風が吹いたのは右翼であって、5.15事件の犯人の助命嘆願が流行するとんでもない世相が現出した。下記は昨年5月15日に発信された岩波書店のツイート。

 

 

 「腐敗した政党政治への反感」が右側のテロリズムに拍手喝采する恐るべき風潮を招いた。

 実は、その直前には軍縮に動いた浜口雄幸民政党政権への支持が高かった。それに抵抗したのが、鳩山由紀夫の敬愛する祖父・鳩山一郎が持ち出した「統帥権干犯」のロジックだった。鳩山は、1930年にロンドン軍縮条約が調印された3日後に、帝国議会で「統帥権干犯」を振りかざして浜口内閣を攻撃した。坂野潤治『日本近代史』ちくま新書)によると、「統帥権干犯」の用語を考案したのは北一輝だというのが定説となっているが、当時の有名な評論家・馬場恒吾は「最初に統帥権干犯を言い出したのは政友会」と指摘していたし、最近(『日本近代史』執筆時の2011年から見て)は鳩山一郎主犯説が知られるようになってきたとのことだ*1

 それでも1931年までは世論は軍縮を支持し、軍人が白眼視される時期が続いた。それが一変したきっかけの一つが満州事変だったことは間違いない。

 1930年当時の二大政党は、政友会が軍事タカ派経済左派民政党が平和志向の経済右派だったが、後者は現在の立憲民主党支持層の志向にまで引き継がれている。即ち立民支持層の多くは安倍晋三や安倍の圧力に全く抵抗できない岸田文雄に批判的だが、経済政策の面では異様なまでの財政均衡論への傾斜を見せている。弊ブログは前者(安倍や岸田への批判)では立民支持層の多数派と同じスタンスだが、後者においては彼らを批判する立場に立っていることを明記しておきたい。

 ブログ記事だけに着目すれば、下記『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事は卓論だといえる。

 

hiroseto.exblog.jp

 

 以下引用する。

 

『問答無用!』

1932年5月15日、軍服を着た若者たちがぶっぱなした銃弾が、戦前日本に一定程度あったデモクラシーに止めを刺した。

これより前、浜口雄幸内閣の金解禁は、最近で言えば小泉純一郎さん、竹中平蔵さんによる新自由主義グローバリズムだった。それによる生活苦で人々の不満が増大。

『戦前の小泉』浜口や『戦前の竹中平蔵井上準之助蔵相らが暗殺された。

政党、特にリベラルとされた立憲民政党新自由主義グローバリズムの反動が軍部進出となった。

翻って今。

プーチン新自由主義グローバリズムへの反動として一定の支持を得ていたのも事実だ。

ポーランドでも『ポーランドの安倍』カチンスキーの法と正義が一定の再分配をしつつ、国家主義を進めている。

ハンガリーでも『ハンガリーの安倍』オルバンが国家主義&ロシア寄りでウケている。

我らが日本では既に8年間も安倍晋三さんがウケて来た。

そもそも、民主制と言うのは分厚い中間層があってはじめて成り立つものだ。だが、新自由主義グローバリズムでその条件が失われた国がいわゆる先進国でも増えてきている。

破滅的な戦争は回避しつつ、格差是正などキチッとやっていく。そういう綱渡りのような作業が世界的な課題だろう。

 

出典:https://hiroseto.exblog.jp/29947270/

 

 引用文中青字ボールドにした部分は、90年前の民政党批判であると同時に、現在の立民やその支持層の問題点を的確に突いているし、赤字ボールドにした部分もその通りだ。生き延びるだけで精一杯の人たちに「個の確立」をいくら力説しても意味がない。日本国憲法第25条を満たさない労働条件は違憲なのであってはならないが、この国の現実は憲法25条違反の職場だらけだ。一方、現在は立民支持層は(それどころか、とある「はてな」のブコメが指摘している通り共産支持層までもが)中間層、それももしかしたらアッパー・ミドル層が主流ではないかと思われる。このような状況下では、党運営が非民主的(まことん氏の表現)あるいは反民主主義的(弊ブログが採用する表現)であることに目をつぶってでも×××新選組*2のような政党が人々の切実なニーズに応えなければならない。そのようにブログ主は考えておられるのではないかと推測される。

 そう、ブログ主は現在ではれっきとした「×××関係者」なのである。

 しかし、弊ブログはたとえ時限的であっても独裁制あるいは寡頭制をとる政党に与することはできない。そもそも、×××新選組自体がブログ主の言う「新自由主義グローバリズムの反動としての国家主義」を担いかねないと考えている。

 その観点からいえば、より国家主義への志向が強い人たちは参政党に流れたとはいえる*3。しかし、トンデモ勢力が去って万々歳とは全くいえないのではないかと私は考えている。その「トンデモ」の部分こそ、山本太郎と×××新選組が持つ、あるいは持っていた吸引力の核心部分ではないだろうか。その吸引力を表す言葉は権威主義であって、吸引力を象徴する言葉は党名が冠している現元号の平仮名3文字だ。そのように私は考えている。

 一部で指摘された、×××新選組参院選の候補予定者として鳩山由紀夫の擁立を考えていたとの話(真偽不明)もネガティブな材料だ。政党政治を政党内部から破壊した鳩山一郎を、自らの政治家生活の晩年になって心から敬愛するようになった鳩山由紀夫*4を担ごうとするなど、そんな風評が出るだけでも「信用できない」と強く思わされる。それでなくても山本太郎の思考が植草一秀孫崎享らに親和性が強いことは明らかだ。

 さらにいえば、権威主義的でない山本太郎や×××新選組など、他ならぬ山本太郎自身にとって何の魅力もないのではなかろうか。山本太郎がなりたいのは、単なるリベラル・左派政党の党首やリベラル・左派の政策を行う総理大臣なんかでは全くあるまいと私は推測している。

*1:坂野潤治『日本近代史』(ちくま新書,2012)351-355頁。

*2:「×××」は現元号を表す平仮名3文字であって、安倍晋三の経済政策を表す片仮名6文字と、昨日現在のプロ野球セ・リーグ3位球団の愛称を表す漢字2文字とともに、弊ブログの3大NGワードである。なお、前記漢字2文字は一般名詞としては禁句ではない一方、現元号は平仮名、片仮名、漢字、ローマ字を問わず原則としてすべて禁句である。但し、人命に用いられている場合にはこの限りではない。

*3:山本太郎自身が彼らの今後の道を考えて提示してやったのではないか。そのような仮説を私は立てているが。

*4:そのようにしか見えない。自民党時代から民主党で総理大臣を務めて辺野古現行案への回帰を決めた時までは、鳩山由紀夫は単なる凡庸な保守政治家の一人に過ぎなかった。彼のトンデモ化は総理大臣退任後に始まった。

「プーチンを悪魔化しても仕方ない」「戦争を止めることが先決」とか言う”識者”やら政治家やらって、結局、具体的に戦争を止める方法については何も語らないか、およそあり得ないトンデモ論しか語らんよね(呆)。(by 志葉玲氏)

 志葉玲氏のツイートより。

 

 

 

 2件目のツイートには山本太郎支持者orシンパor「信者」が反応してるに違いないと思ったら案の定だった。

 

 

 

 この人はヤマシン(=「山本太郎信者」。むろん蔑称である)によく見られる「ゼレンスキー=ネオナチ」論やら立民主要打撃論やらのような悪弊には染まっていないので、ヤマシンとは認定しない。山本太郎と×××新選組の支持者かシンパの範疇に属する方であろう。しかし、志葉氏に対する過剰反応だとは思う。

 以下は志葉氏の返答。

 

 

 

 うーん。山本太郎が「批判にもちゃんと耳を傾け、その後の行動や政策を改善してい」った具体例が思いつかない。どんな事例があったっけ。

 なお、山本太郎に真摯さを感じることなら、たまにはある。残念ながらごくたまにしかないけど。

 山本太郎と×××新選組の問題は、党運営の不透明さに代表される反民主主義的かつ反リベラルなあり方に尽きるというのが、ここ数日ずっと書いてきた弊ブログの見解。

毎日新聞の孫引き記事「プーチン氏は『血液のがん』か オリガルヒ発言の録音を引用 英紙報道」がよくわからない

 英タイムズをソースとする毎日新聞の記事だが、よくわからない。

 

mainichi.jp

 

プーチン氏は「血液のがん」か オリガルヒ発言の録音を引用 英紙報道

毎日新聞 2022/5/14 18:52(最終更新 5/14 18:52

 

 英紙タイムズ(電子版)は14日、ロシアのプーチン大統領が「血液のがん」にかかっている可能性があると報じた。ウクライナ侵攻後の3月中旬、プーチン氏に近いロシア新興財閥「オリガルヒ」の男性が西側投資家に話した内容の録音ファイルを米誌ニューラインズが入手し、タイムズ紙が引用する形で伝えた。

 

 この男性は、プーチン氏が侵攻を指示する直前に「血液のがんに関連する腰の手術」を受けたと証言。今回の侵攻でプーチン氏がロシア経済を完全に破壊したと指摘し、「我々は全員、プーチンの死を願っている」と述べた。

 

 プーチン氏の健康状態について多くの臆測が流れる中、タイムズ紙はさらにロシア独立系メディアの分析として、プーチン氏ががん専門医を含む3人の医師を常に同行させていると報じた。【ロンドン篠田航一】

 

出典:https://mainichi.jp/articles/20220514/k00/00m/030/186000c

 

 何がわからないかというと、記事中にある

「血液のがんに関連する腰の手術」を受けた

というくだりだ。

 

 血液は全身をめぐるから、手術ではなく化学療法、つまり抗がん剤を用いた治療法が中心のはずである。白血病の場合は骨髄移植を行う場合があるが、それを「腰の手術」とは言わないだろう。がん研有明病院のサイトより以下に引用する。

 

手術療法とは、手術によりがんの治療を行うことであり、化学療法と放射線療法と共にがんに対する三大療法の一つです。がんを周囲の組織やリンパ節を含めて切除することが最も一般的です。血液のがん(白血病やリンパ腫など)をのぞいて手術療法はがんの治療法の中心とされており、第一に選択する治療法です。しかしすべてのがんに対して手術を行うわけではなく、その病期 (ステージ)に応じて治療法を選択します。

 

出典:https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/treatment/operation.html

 

 ただ、悪性リンパ腫の場合は診断のために手術でリンパ腫を採取することがあるようだ。下記は国立成育医療研究センターのサイトからの引用。

 

リンパ腫の細胞は体中を循環していますので、稀な場合を除き、手術ではなく薬を使った治療(=化学療法)をします。ただし、リンパ腫の治療にあたっては、大きくなったリンパ節の中にリンパ腫の細胞がいることを顕微鏡で確認し、診断を確定するとともに、どのようなリンパ腫なのか分類することが重要ですので、診断のために手術などでリンパ節を一部採取します(生検:せいけん)。骨髄や胸水・腹水を採取することで診断が確定できることもあります。

 

出典:https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/lymphoma_qa.html

 

 上記のように、あくまでも診断のための手術なので、治療自体は化学療法になる。

 白血病でも悪性リンパ腫でも、何バッチかの抗がん剤投与が行われる間、患者はずっと入院しているはずだから、仮にオリガルヒのコメントの録音 → 米誌ニューラインズ → 英タイムズ紙 → 毎日新聞という経路の孫引き報道が正しいとしたら、プーチンはこのあと公式の場から姿を消すことになるだろう。

 ガセネタではないかとの疑いを強く持たずにはいられないけれども。