東京に移住してから、新刊の本などへのアクセスは便利になったはずなのだが、逆に書店から足が遠のくようになってしまっている。
今日書店で見かけたのは、佐藤優と魚住昭がマガジンハウスから出版した三部作。この二人の共著は、以前は朝日新聞出版から出ていたと思うのだが、「佐藤優現象」もピークを過ぎたのか、今回の三部作は安っぽい作りで、内容も薄そうだった。
ところが、パラパラとページをめくると、植草一秀が寄稿していた。これには驚かされた。
帰宅して植草のブログを見ると、植草がこの三部作を宣伝しているではないか。
『誰が日本を支配するのか』シリーズ全3巻刊行: 植草一秀の『知られざる真実』
立ち読みした限りでは、植草はブログで愛用している「悪徳ペンタゴン」という言葉を使わず、ブログで見られる異様なまでにテンションの高いアジテーション調ではなかった。とはいえ、文章の主旨はブログと変わらない。
なんでも、植草を起用したのは魚住昭の意向によるそうだ。おそらく魚住は、2002年頃にテレビで活躍していた植草のイメージを強く持っていて、トンデモとしかいいようがない植草のブログなど読んでいないのではないかと思うが、それでも、植草を起用したことは知識人として軽率に過ぎるだろう。
私はかつて魚住昭の著作の愛読者だった。それだけに、佐藤優にたらし込まれ、佐藤との共著にライターとして植草一秀を起用するに至った魚住の堕落ぶりに、深く失望するものである。