kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

武田邦彦、小佐古敏荘、江川紹子らに頭痛がする

http://togetter.com/li/129757 を見ていて、頭痛がしてきた。

今回の小佐古敏荘の辞任劇を、あの江川紹子が絶賛しているのだ。


http://twitter.com/#!/amneris84/status/64104878745718784

今回の原発事故の後の専門家の対応を見ていると、人間の良心とは何か、というものを考えさせられる。推進派とか反対派とかいう立場の違い、とかじゃなくて。


私も、人間の良心とは何か、下記ブログ記事を読んで考えさせられた。


東日本大震災 福島原発 内部被曝の恐怖18 御用学者も逃げ出す子ども年間20ミリシーベルト 追記あり - Everyone says I love you !

小佐古敏荘内閣参与・東大教授について、私が旧ステイゴールドで紹介した文章*1がある。近畿原爆症訴訟集団認定訴訟で当時東大助教授だった彼が証言したときの傍聴日誌である。

「驚いた。そして、無性に腹が立った。2月23日、大阪地裁202号法廷で開かれた原爆症認 定集団訴訟・近畿の第11回公判。被告・国側がこの裁判で総論的観点から立てた唯一の証人、小佐古(こさこ)敏荘・東大原子力研究総合センター助教授に対する原告側弁護団の 反対尋問が終わりに近づいたころ。長崎の被爆者・松谷英子さんの原爆症認定申請を国が 却下したことを、最終的に不当と判断した2000年7月の長崎原爆訴訟最高裁判決についての 質問に、小佐古氏から、投げやりで無責任な答えが次々に返ってきたのだ。

尾藤弁護士 最高裁判決が指摘したDS86の問題点について読んだか。  
小佐古証人 読みました。  
尾藤弁護士 どういう点が問題点だと指摘したと思うか。  
小佐古証人 いまだに分からない。  
尾藤弁護士 最高裁判決で指摘された問題点について検討したことはあるのか。  
小佐古証人 立ち話程度の話はした。」

この人、最高裁まで負け続けた原爆症訴訟である原爆松谷訴訟で、国側の証人に立ち、その証言が最高裁にも受け入れられずに国が負けたんですよ!

その最高裁判決で指摘された問題点の検討について、「立ち話程度の話はした」って、よくもヌケヌケと言えたもんだと思いませんか??!

そんな準備で、厚生労働省が再び法廷の証言台に立てるわけがないし、本当の話なら、その鈍感さは尋常じゃない。っていうか、負け筋とわかっている原爆症集団認定訴訟で、もはや国側の証人になる人がほとんどいないわけだから(苦笑)。


こんな人物を江川紹子は絶賛する。江川紹子は、安倍晋三が総理大臣になる前は改憲容認派だったと、共同通信の企画した座談会で言っていたように記憶しているが、結構な風見鶏らしい。ある時期から江川は、小沢一郎に入れ込んでいる。その江川が、率先して小佐古敏荘を絶賛するのだが、その中でも私が特に引っかかるのは、

推進派とか反対派とかいう立場の違い、とかじゃなくて。

という江川の言い草だ。この一言で、江川は原発推進論を容認ないし免罪しているように私には見える。


いわゆる「安全な原発推進論」を肯定する論理だ。今、日本でもっとも支持を得ているのは、実はこの立場ではないだろうか。この立場の人は、朝日新聞世論調査原発の是非を問われると、「現状維持」と答える人たちだろうと思う。この選択肢を選んだ人は、実に51%に達した。

原発事故批判で、もっとも人気のある論者は武田邦彦だろう。私はもちろん武田邦彦批判派だが、一昨年に武田を批判した下記「きまぐれな日々」のエントリへのアクセス数が、2か月連続で7千件を超えた。今年初めからの累計だと、1万6千件を超えている。未だに時々いただくコメントは、ブログ記事に対する批判や罵倒が圧倒的に多く、武田信者からのコメントと推察される*2
きまぐれな日々 地球温暖化懐疑論者「武田邦彦」教授の呆れたトンデモぶり


この武田は、政治思想的には極右に属することは別にしても、原発に対する基本的な態度は「安全な原発推進派」である。武田が小沢信者の間で異様に人気が高いのは、この武田のスタンスゆえではないかと私は勘繰っている。小佐古敏荘にしても空本誠喜にしても、紛れもない「原子力村」の住人だった。彼らもまた武田邦彦同様、現在も「安全な原発推進論」に立脚しているに違いない。

今回の小佐古の政府批判に対して、「これで小佐古氏は『原子力村』を追われることになるのではないか」と心配している人たちもいるが、そんなことにはならないと私は思う。エネルギー政策に関して、旧「原子力村」はいくつかに分かれると思うが、反原発論を含めてもっとも世間の支持を得るのは、おそらく「『安全な原発推進』村」だろうと彼らは予想しているのだ。そして、その入村資格を得ようと彼らは必死になっている。

それは小沢一郎らも同じで、できるだけ経団連や電力総連や電機連合などのご機嫌を損ねない形で、これからのポスト東電原発事故の時代においても、環境・エネルギー政策で影響力を保っていきたい、そう考えているに違いない。だから、小沢一郎と小佐古敏荘の利害は一致する。

今回の辞任劇は、それだけの話に過ぎないのではないかと私には思える。

*1:http://www.tokuoka-miyatake.com/still_crazy/03.html

*2:古いエントリへの無用のコメントなので、原則として承認せず削除している。