kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

ヤクルトは阪神戦に石川と館山をぶつけるローテーションを組め

ヤクルトがまた阪神に完敗した。ナゴヤドームで2試合連続完封負けを喫していた阪神打線にヤクルト先発の村中がつかまったのだ。

前にも書いたが、ヤクルトの先発投手陣で阪神に通用するのはベテランと言って悪ければ中堅の石川と館山だ。一昨年、両球団が3位を賭けて激しく争った時に、最後の2連戦にこの2人が先発して阪神打線を抑え、ヤクルトは3位を確保してクライマックスシリーズに進出した。

一方、若手の村中、由規、増淵らは揃って阪神戦の相性が悪い。

しかし、今年の阪神戦に石川と館山は1試合も登板していない。これはローテーションの組み方が悪いとしか言いようがない。

2003年から強さを誇るようになった阪神だが、中日を苦手とする年が多かった。中日の落合監督は、2004年と2006年に優勝した時、阪神戦に相性の良かったベテランの山本昌とエースの川上を徹底的にぶつけるローテーションを組んで阪神に勝ち続けた。ローテを機械的に回していれば阪神戦から外れる場合は、間隔を開けたり縮めたりしてまで山本昌と川上を阪神戦にぶつけた。そして阪神との競り合いを制した。山本昌の史上最年長ノーヒット・ノーランは、阪神との首位攻防戦で達成された記録だ。

さらに古くは、1985年に「猛虎打線」が猛威を振るって優勝した翌年の1986年には、広島の阿南監督が阪神戦中心のローテーションを組んだ。前にも書いたかもしれないが、今も忘れられないのは、広島がホームに読売と阪神を相次いで迎えるカードが組まれていた時のことだ。読売戦の2戦目と3戦目には、川口と大野の先発が予想されていた。そこで、読売の王監督はこの2戦に右打者をずらりと並べるスタメンを組んだ。しかし、広島の先発は2戦目が白武、3戦目は金石と、いずれも右投手。広島は「格落ち」の先発投手で読売に連勝した。そして、次の阪神戦の1戦目と2戦目に満を持して川口と大野をぶつけた。川口は勝ったものの大野は負けたが、3戦目にエースの北別府を持ってきて阪神戦を2勝1敗と勝ち越したのだった。読売には白武や金石でも勝てたが、阪神戦には彼らの相性が悪かったことからこんな投手起用をしたのだろう。この年は最終的には広島と読売のマッチレースになったが、戦力では阪神も両球団にひけを取らなかった。

不思議なもので、プロ野球の投手は、相性の悪いチーム相手には何度登板しても打たれるし、相性の良いチームには勝ち続ける。横浜の三浦など極端な例で、阪神戦には滅法強くておよそ7割の勝率を挙げているが、読売戦の勝率は2割そこそこでしかない。読売にはもう何年も勝っていないはずだ。それでも長いスパンでは相性が変わることもあるが、同じシーズンでは相性が変わることはまれだ。

ベテランばかり特定のチームにぶつけたら、その後彼らがいなくなった時に困るではないかと言われるかもしれないが、80年代の広島も、2000年代以降の中日も、その後も長く阪神を苦しめた。現在、ヤクルトの若手投手陣が阪神打線を苦手にしているのは紛れもない事実なのだから、ここはローテをいじるしかない。このままのローテだと、下旬の甲子園での3連戦でも村中、由規、増淵のローテになる。来週の読売戦(東京ドーム)には村中と由規は相性が良いのだが、読売には勝てても阪神に勝てなければヤクルトの優勝はないと考える次第である。