kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日本の「報道の自由度」は小泉時代の末期(2006年)の「51位」から2010年には「11位」にまで上がっていた

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120126/erp12012600250002-n1.htm(注:リンク切れ)

報道の自由度 日本、22位に後退
2012.1.26 00:21


 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF、本部パリ)は25日、世界179カ国・地域を対象にした報道の自由度ランキングを発表した。日本は前年の11位から22位に後退した。東日本大震災東京電力福島第1原発事故で過剰な報道規制が行われ、「報道の多元性が制限された」としている。

 「アラブの春」の結果、中東諸国ではチュニジアが164位から134位、リビアが160位から154位にそれぞれ上昇した一方、ムバラク政権崩壊後も軍が統治を主導するエジプトは127位から166位に下がった。(ベルリン 宮下日出男)

MSN産経ニュース 2012.1.26 00:21)


この記事の見出しを見た時、えっ、22位に「後退」だって? と思った。

なぜなら、かつて『きまぐれな日々』に下記の記事を書いたことを覚えていたからだ。


きまぐれな日々 日本の「報道の自由」度は世界51位(2006年10月26日)


日本の「報道の自由」度は、小泉郵政選挙のあった2005年には37位、小泉純一郎から安倍晋三に総理大臣が代わった2006年には51位だったのだ。それが、2010年には11位にまで上がっていた。

こんなランキングにはさしたる意味はないようにも思うが、実感としても2006年頃の日本の報道には、現在の比ではない息苦しさがあった。特に2005年8月の「郵政解散」以降、小泉純一郎や「ポスト小泉」一番手と目されていた安倍晋三に対する批判は実質的にタブーだった。2006年2月、当時民主党幹事長だった鳩山由紀夫NHKの『日曜討論』で、ライブドア事件に絡んでライブドア投資事業組合に関係していた政治家として安倍晋三の実名を挙げたことがあったが、なぜか当のNHKはもちろん民放各局もそれをニュースとして取り上げたところはどこもなかった*1。あの頃、テレビや新聞はもちろん、週刊誌にさえ安倍晋三批判の記事がほとんど掲載されなかったので、数少ない安倍批判記事が出ると、私はそれが載っている週刊誌を買い求め、ブログでそれらの記事を紹介したものだ。あの頃ほど権力批判が抑制されていた時期は、私の人生で他に記憶がない。

それが、総理大臣が小泉から安倍に代わるや否や、憑き物でも落ちたかのように政権批判が盛んになった。その一年後、安倍晋三首相(当時)は「KY」と嘲笑され、参院選惨敗と腹痛のために退陣した。それ自体は痛快だったが、なんでマスコミ報道があんなに一変したのか、今もって腑に落ちないところではある。それと日本の「報道の自由度」が、「底」だった2006年から4年間で40位もランクを上げたことと相関があるかどうかは全くわからない。

報道の自由」度は、2010年の11位から2011年には22位に落ちたとのことだが、大震災や東電原発事故をめぐる報道統制以上に気になるのは、橋下徹への批判言論がほとんど見られないことだ。2005〜06年の「小泉暗黒時代」に回帰しつつあるように思えてならない今日この頃である。

*1:そうこうしているうちに永田寿康が「偽メール事件」を起こし、安倍ら武部勤自民党政治家に対する追及は沙汰止みになった。