kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

フジテレビではなく伊藤守教授と平凡社の誤り。あまりにお粗末

本の粗製乱造 - ザキンコ(木崎貴幸)の日記@原発反対 より。

kojitakenの日記で平凡社新書の「テレビは原発事故をどう伝えたのか」の批判が書かれていました。

やはり「ダメダメ」ないまどきの原発本 - http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20120324/1332595614

単位のミスがあったようなのですが、これが平凡社のミスかフジテレビのミスか調べてみました。2011年3月17日の10:38頃のフジテレビの番組のキャプチャ画像です。

本ではこのように書かれているそうです。

 さらに10時台のニュースでも、加藤和明(高エネルギー加速器研究機構)をスタジオに招き、50万マイクロシーベルトではリンパ球の減少、100万マイクロシーベルトではだるさが顕在化、300〜500ミリシーベルトでは半分が死亡、700〜1000ミリシーベルトでは死亡、といった数字を出して、健康への影響はないことを力説した。

(伊藤守『ドキュメント テレビは原発事故をどう伝えたのか』(平凡社新書, 2012年)167-168頁)

フジテレビのフリップでは「300万〜500万マイクロシーベルト 約半数が死亡」、「700万〜1000万マイクロシーベルト ほぼ全員が死亡」となっています。フジテレビのフリップが正しく、平凡社のミスのようです。

ご参考ください。


まず当ダイアリーの記事をわざわざ検証していただいたid:zakincoさんに厚くお礼を申し上げます。


放射線量を一桁間違えたのはフジテレビではなく、早稲田大学メディア・シティズンシップ研究所所長の伊藤守教授と平凡社新書のミスだったようです。原発報道を批判する側がこんなミスを犯してどうするといったところでしょうか。

なお、この本の直前に書かれている部分についても、当ダイアリー及び『きまぐれな日々』の読者から疑念が寄せられています。フジテレビの前記の報道は、伊藤守教授の著書には、

汲田伸一郎(日本医科大学教授)を迎え、東京新宿区の測定値1250マイクロシーベルトについて

と書かれています。1250マイクロシーベルトは1.25ミリシーベルトという恐るべき高線量であり、これが「毎時」だったらたいへんなことです。昨年3月17日朝の番組というと、その2日前に東電福島第一原発2号機の格納容器が破損して大量の放射性物質が飛散した直後なので、一時的にものすごい線量になったのか、それにしても多いよなあとは思ったものの、本に書かれている通り引用しました。しかし、新宿で「毎時1250マイクロシーベルト」の放射線量が観測された事実はないのではないかとのご指摘を複数の方からいただいています。

伊藤守教授著のこの本は、その直後に誤記があることからそもそも信用ならず、果たしてフジテレビが本当に新宿で「1250マイクロシーベルト」が測定されたと放送したのか、それさえも疑わしいと私は思っています。この点に関しても情報を提供いただければ、なお助かります。