kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

生活の党が勢いを失えど、山本太郎は勢いを増す。3位当選か(朝日新聞報道を題材に思うこと)

自民圧勝が確実な参院選だが、朝日新聞(7/19)に選挙区の情勢が掲載された。
朝日は自民党が勢いを維持しているとは書くものの、個々の選挙区の情勢を見ると、やや勢いを落としている感は確かにある。たとえば、1人区では沖縄選挙区はほぼ糸数慶子(社大)で決まりで、序盤の情勢では先に名前が出ていた岩手でも、元小沢一派で無所属の平野達男に逆転されたようだ。あと山形でも先に名前が出ているとはいえ自民党候補とみどりの風舟山康江とが「互角の戦い」とのことで、自民は1人区で最大3敗の可能性がある。だが、その他の選挙区で自民が落とす可能性があるのは千葉の2人目(豊田俊郎)くらいしか見当たらず、自民党の圧勝は動かない。

また朝日は共産党が勢いを維持していると書いているが、やはり序盤の調査結果と比較するとやや失速気味と思える。記載順位が定数に入っているのは東京、神奈川、愛知、大阪の4都府県だが、朝日の共産党獲得予想議席の中心値は「3」である。

注目されるのはやはり東京選挙区で、なんと山本太郎(無所属)の名前が自民の2候補に続く3番目に出てくる。「序盤でやや優勢だった山口、吉良、鈴木寛らに並んだ格好だ」というのである。山本は東京選挙区の無所属であるにもかかわらず、先日、新潟入りして生活の党の森裕子を応援したとの情報を得ているが、その森は勢いを落とし、広島の佐藤公治小沢一郎の盟友だった故佐藤守良の倅)も同様に勢いを落としており、朝日は生活の党は選挙区では全滅、比例で1議席をうかがうとしている(朝日以外の報道機関はほとんど全て、生活は比例も議席獲得0を予想している)。岩手の平野達男といい山本といい、「生活」の名前を出さなければ選挙で善戦できるようだ。

その山本だが、選挙戦ではしきりに鈴木寛を批判して、鈴木の「SPEEDI隠し」を論点にして支持を拡大しているようだ。しかし、山本が鈴木を激しく批判したところで、鈴木の票をさほど奪えるとは思えない。というのは、鈴木は脱原発派ではなく、電力総連から支援を受ける原発容認派であって、脱原発派の多くが最初から投票を検討しないと思われる候補だからである。脱原発派の中道または左派の候補者といえば、吉良佳子(共産)、大河原雅子(無所属)、丸子安子(みどり)がいる。みんなの党桐島ローランドも一応脱原発系に数え入れられるかもしれない。山本はこういった候補者たちから票を奪っている。鈴木寛に関していえば、山本の鈴木批判がかえって鈴木に注目を集め、鈴木陣営も危機感を抱いて奮起することによって、鈴木の票が掘り起こされる可能性がある。

脱原発とは関係ないが、公明党山口那津男は固定票があって当選は堅いだろう。山本、吉良、鈴木の3者の争いにおいて、山本、そしてそれに伴って鈴木に注目が集まることはいかなる票の動きをもたらすか。最悪の結果が生じる可能性が出てきた。

昨夜注目したのは、山本太郎を批判した池田香代子への山本支持者のバッシングだった。池田香代子は最近でも孫崎享の『戦後史の正体』にいたく感激していたらしいとも聞いており、山本太郎を熱心に応援してしかるべき人だと思っていたので、池田氏が山本を批判するとはやや意外だったが、噂によれば最近は「反原連」と山本太郎の間もぎくしゃくしているらしい。それはともかく、山本支持者の池田氏への罵倒のすさまじさを見ると、多少の動機の不純さが感じられるとはいえそれでも「脱原発」の思いに嘘偽りはなかったであろう山本が、熱狂的(狂信的)な支持者にスポイルされてしまう危険性が少なくないのではないかと思われた。その危うさを思えば、山本太郎は落選した方が身のためだとは思うが、山本当選の流れはもはや止まらないだろう。池田氏の山本批判も、山本が注目され、山本への票が増える効果を(わずかかもしれないが)もたらしたかもしれない。

かくして、「生活の党」はほぼ絶滅するものの、公認では山岡賢次、無所属では平野達男山本太郎が生き残るという選挙結果になりそうだ。山岡は多少怪しいが、平野と山本はほぼ確実に当選するだろう。