kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

生活・小沢一郎代表が「生活の党」から「自由党」に変更の意向(産経)

生活の党の党名変更の件、先に朝日の記事を紹介したが、その記事に下記のコメントを伴う「はてなブックマーク」をつけた。

はてなブックマーク - 生活の党「自由党」に変更検討 小沢氏意向、山本氏は?:朝日新聞デジタル

[小沢一郎][これはひどい] おそらく、小沢一郎にとってもっとも愛着のある党名がこの「自由党」であって、自分の政治生命をこの党名とともに終えたいのだろう。でもこの「自由党」は99年の自自連立やあまたの悪法成立の象徴みたいな党名だよ。


ところでこの件、野党、特に民進党や生活の党の政界内幕話をネットに載せるのが大好きな産経がネットにやや詳しい記事を載せている。

生活・小沢一郎代表が「生活の党」から「自由党」に変更の意向 - 産経ニュース

生活・小沢一郎代表が「生活の党」から「自由党」に変更の意向

 生活の党と山本太郎となかまたち小沢一郎代表が、党名を「自由党」に変更する意向を固めた。党員向けに「自由党」の是非を問うアンケートを往復はがきで発送しており、返信を集計した上で12日の両院議員総会で最終決定する。

 はがきには、小沢氏の見解として「来年1月の衆院選もかなり現実味を帯びて伝えられている」「これを機会に党名を変更し、『自由党』として新たに再スタートを切ろうということになりました」などと記されている。

 生活の党関係者によると、自由党」は小沢氏のお気に入りで、所属議員の中でも支持する声が最も多かったという。

 旧自由党は小沢氏が平成10年に結成し、党首に就いた。自民、公明両党との連立政権に加わったが、12年に離脱し、15年に当時の菅直人代表が率いた民主党と合併した。東京都の小池百合子知事や自民党二階俊博幹事長も自由党に所属していた時期があった。

(産経ニュース 2016.10.8 00:56)


また、読売は下記の記事を出していた。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20161007-OYT1T50153.html

生活の党名変更「自由党」で調整…「原点回帰」
2016年10月08日 17時49分

 生活の党(生活の党と山本太郎となかまたち)が党名変更を巡り、「自由党」を軸に調整していることが分かった。

 12日にも開く両院議員総会で決定する。

 自由党は、生活の党の小沢共同代表が新進党を解党し、1998年に結成した政党の名称で、2003年に民主党と合併した。党関係者によると、「生活」では保守層の支持が離れたことから、「原点回帰する狙いがある」という。

YOMIURI ONLINEより)


産経や読売の記事は、まあそんなところだろうと思わせるものだが、「自由党」という党名は「小沢一郎のお気に入り」で、「『生活』では保守層の支持が離れたことから、『原点回帰する狙いがある』」と報じられているというのに、リベラルをもって任じているであろう支持者たちからの反応が聞こえてこない。

まあそういう人たちだということは前から知ってはいるのだが、あれほど「国民の生活が第一」という看板にこだわっていた人たちが、右を見て左を見て誰も言葉を発していないのを見て自らも黙ってしまう姿は、ふがいないの一語に尽きる。

もちろん、中には旧自由党時代からの小沢支持者や、それに限らずとも小沢の資金集めパーティーに参加してきた筋金入りの支持者たちが今回の党名変更を支持するのは当然であって、それに対しては文句をつける筋合いはない。問題はそれ以外の、「生活」という言葉に強くこだわっていたはずの人たちが沈黙していることだ。

なお、エマニュエル・トッドの本の翻訳で知られる堀茂樹は、下記のTwitterを発信している。

https://twitter.com/hori_shigeki/status/784652101494329344

堀 茂樹
@hori_shigeki

生活の党の党名変更に関するウェブ上のコメントを眺めてみた。少し穿っているのは橋下徹氏のTwだった:「山本太郎の言い分を全部飲んで、やらせるだけやらせて、全く結果を出せないことをはっきりさせてから自らの主導権に持ち込む。小沢さん、流石の政治家」。尤も、「全部飲んで」云々は言い過ぎ。

0:10 - 2016年10月8日


https://twitter.com/hori_shigeki/status/784643295053963264

堀 茂樹
@hori_shigeki

堀 茂樹さんがgendaigoをリツイートしました

ビミョーも何も、私見では、小沢一郎の横に山本太郎を並べること自体がアホらしい訳でしてね…。党全体のあり方の見直しに伴い、ふだん街頭でアジっている事の異なる山本氏が万一離反すれば、議員数が四名に減って政党要件を満たせなくなります。その場合の手立ても既に考えられているに違いないかと。

堀 茂樹さんが追加

gendaigo
@daigoyoshinori2

@hori_shigeki 、小沢一郎さんは党全体を見直すとの事ですが
党名変更後も 山本太郎氏と小沢一郎さんの関係がビミョーに変化するのでしょうか
? 党名変更で山本太郎小沢一郎さんが離れたり距離を置いたり
ケンカ別れまではいかないと思いますが、


23:35 - 2016年10月7日


議員数が4人に減るって? そんなの大丈夫だよ。堀のTwitterリツイートしてる人が下記のように指摘している通り、現在は無所属の森裕子自由党入りするに決まっている。なんたって、2001年の参院選、あの「小泉フィーバー」が吹き荒れた選挙で、自由党公認で当選した生粋の「自由党政治家」だよ、森裕子は。

https://twitter.com/kiryut/status/784695820675272705

桐生(山本太郎絶対不支持)
@kiryut

@hori_shigeki 多分、森裕子議員など、合流予定なのかもしれません。民進党からも、あるかもしれません。もう、蓮舫代表は、ほっておかれてると、野田幹事長の起用が分裂になったきがする。

3:03 - 2016年10月8日


これに対する堀茂樹の反応。

https://twitter.com/hori_shigeki/status/784723953415704580

堀 茂樹
@hori_shigeki

@kiryut いくつかシナリオが考えられますが、見通しつけにくいですね。問題の人物は相変わらずデマゴーグなので私としては離党してほしいですが、多分しないでしょう。無所属では委員会で質問に立つ機会も失うので。また、彼に付いていたベテランの有能な秘書がはたともこ氏と共に去ったので。

4:55 - 2016年10月8日

えっ、はたともこって山本太郎と訣別したの? 本当かよ。全然知らなかった(と言いつつ半信半疑なのだけれど)。

実は、「山本太郎」の名前を党名にねじ込んだと聞く「やり手」のはたともこは今回の党名変更に不満はないのだろうかとTwitterを覗きに行ったら何も言っていなかったので、この人も忖度組なのかよと思ってしまっていたのだった。山本太郎と訣別したのであれば、何も言わなくても全然不思議はない。

なお、私は小沢一郎山本太郎もともに保守の人間であると認識している。小沢の場合は「自由党」という党名がお気に入りだったり、離反した保守層をトリモロそうとの意図があるとのことだから間違いないし*1、山本は2013年11月に東京スポーツのインタビューに答えて

僕のポジションがどうこう言われれば“保守ど真ん中”です。

と明言している*2

但し、同じ保守でも小沢一郎山本太郎とでは方向性が異なる。小沢は新自由主義志向であり、山本は民族主義志向(だから三宅洋平とウマが合うのだろう)かつ反グローバリズム(というか反米)だろう。2人の体質はもともと水と油であるように私には思われる。

だから、小沢としては山本に「出て行きたければどうぞ」と言っているようなものだとの印象を私は受ける。しかし、山本がはたともこ(及び「優秀な秘書」氏)に去られたという堀茂樹のつぶやきが事実であれば、堀が言うように、山本は自由党にしがみつくしかあるまいと私も思う。

*1:私は朝日の記事のはてブコメントに書いた通り、小沢自身がもっとも好む「自由党」という党名とともに、保守政治家として政治生命を終えたいという小沢の思いがあるのだろう、つまり今回の党名変更は小沢なりの美学に基づくものだろうと想像している。いったん離反してしまった保守層をトリモロせるほど世の中甘くはないことくらい、小沢とて百も承知だろう。

*2:http://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/200284/2/