6日前の今週日曜日に読み終えた、松本清張作品の区切りの40タイトル目は『内海の輪』だった。
- 作者: 松本清張
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/02/13
- メディア: 文庫
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この小説の舞台は、東京のほか、岡山、牛窓、倉敷、尾道、鞆(福山市)、伊丹空港、六甲の有馬温泉(神戸市)と蓬萊峡(西宮市)。灯台もと暗しというべきか、子ども時代の地元中の地元だった地域にある蓬萊峡(殺人現場)を除いてすべて訪れたことのある場所だ(倉敷には住んだこともある)。小説に出てくる六甲山塊にある遺跡にも、記憶にある名前があった。また被害者は松山在住で、しばしば今治から尾道まで渡っていたことが書かれているが、私は過去に7度も今治から尾道に渡った(うち2度は自転車を漕いでしまなみ街道を渡った。あとの5回はバス=福山への直行を含む=やフェリーなど。尾道から今治への逆方向は一度も使ったことがなく、すべて北上している=南下はJR瀬戸大橋線4度、宇野から高松へのフェリー2度、広島の宇品港から松山へのフェリー1度)。
そんなわけで、元瀬戸内人(瀬戸内海に面した地域=大阪を含む=の在住歴28年)・古寺多見の郷愁と旅愁が大いにかき立てられたのだった。
他に短篇「死んだ馬」も併録。この1冊は清張作品としても面白い部類に入ると思う。