私など沢田研二というと、昔、新幹線に同乗した客に「イモジュリー」と言われて切れて客を殴った暴行事件を引き起こしたこととか、内藤やす子や研ナオコがマリフアナ吸引で逮捕された頃に沢田もやっているのではないかと噂が立ったこととか、「サムライ」といういかにも右翼的なタイトルの歌をハーケンクロイツの腕章をつけて歌って故野坂昭如に批判されたことなど、70年代の悪ガキ的な印象ばかりが強いのだが、その沢田が最近では9条護憲と脱原発を訴えるようになっているのは周知の通り。
それはそれで結構なことなのだが、最近その沢田が引き起こしたコンサートのドタキャン劇は、チケットの売れ行きが悪く、ガラガラの会場で歌いたくないという沢田の身勝手な理由によるものだったことを自ら明らかにした。ああ、彼は「イモジュリー」に切れた頃と何も変わってないんだな、と思った。
しかし、「陰謀論大好き」な「小沢信者」系は例によってこのドタキャン劇を沢田の原発反対署名活動と結びつけるデマを日々Twitterで垂れ流している。この国に住む人の大部分はそんな話は聞いたこともないに違いないが、「信者」たちのTwitterの世界では「常識」と化しているようだ。もちろんそれを裏付けるエビデンスなど一切示されておらず、会場を保有する企業の株主に東京電力が名を連ねているなどの状況証拠的な「根拠」が示されているだけだ。6,7年前に「小沢信者」どもがしきりに発した「岩手県に原発がないのはなぜだろう」という言い草*1を思い出したが、いつもながら呆れた話である。
たまたま、アサヒ芸能(徳間書店が出している週刊誌)のサイトに下記の記事が出ているのを見つけたので引用する。
沢田研二ドタキャン、「集客不足」の裏で指摘された“禁止行為が原因”説! | アサ芸プラス
沢田研二ドタキャン、「集客不足」の裏で指摘された“禁止行為が原因”説!
10月17日に埼玉県のさいたまスーパーアリーナ(SSA)で開催予定だった沢田研二のコンサートが、開演30分前に突如、開催中止となった。会場では「契約上の重大な問題が発生したため」との説明が繰り返され、SSAに押し寄せたファンはがっくりと肩を落としていたという。「若者からは『こんなジイサンにSSAなんて無理だろ』といった批判も寄せられていますが、とんでもない話。70歳を迎えても意気揚々の沢田は7月6日の日本武道館公演を皮切りに、全66公演に及ぶツアーの真っ最中です。会場も大阪城ホールや横浜アリーナ、日本ガイシホールといったアリーナ級が目白押しで、ツアーのラストは武道館スリーデイズですから、その集客力は恐るべしですね」(音楽ライター)
そのようにオールドファンを中心にいまだに高い人気を誇る沢田。それゆえツアーでも最大級の会場となるSSAの中止は惜しまれているが、沢田本人は今回の中止について「SSAでやる実力がなかった」と釈明したというのである。
ライブ翌日の18日になって取材に応じた沢田は、9000人と聞いていた集客が実際は7000人だったと告白。「客席がスカスカの状態でやるのは酷なこと」「ボクにも意地がある」と胸の内を明かし、イベンター会社からは土下座で開催を懇願されるも、みずから中止を決断したと語った。
以前にも同様の理由でライブ直前に中止をしたことがあった沢田ではあるが、今回は、この説明を額面通りに受け取らないファンも少なくないというのだ。音楽ライターが続ける。
「一部のファンからは、沢田が以前から熱心に取り組んでいる原発反対署名活動との関連を指摘する声もあがっているのです」
会場によってはこの手の署名活動を利用規約で禁止しているところもあり、沢田のツアーでも日本武道館やNHKホールでは署名ブースが設置されていなかったという。ここSSAの利用規定では署名活動禁止を明確にはうたっていないものの、禁止事項には《当社が不適当であると認めること》との定めが。そしてSSAの運営会社には東京電力が株主として名を連ねており、会場側が反原発の署名活動を禁止行為に該当すると認定した可能性があるというのだ。
「しかし、署名活動の可否は事前に確認できますし、当日に禁止を言い渡されたらすぐに署名ブースを撤収すればいいだけのこと。もしかしたら沢田サイドが署名活動を強行しようとして会場側と揉め、使用禁止を言い渡された可能性もあるという見方がファンの間で広がっていたんです」(前出・音楽ライター)
今回のコンサートを心待ちにしていたファンにとっては、その中止理由が何であろうと、納得がいかないことに変わりはないはずだが…。
(金田麻有)
(『アサ芸プラス』 2018年10月19日 11:40)
週刊誌系とはいえ、普段ならTwitterで流れるだけでおしまいの、こんなヨタ話が出版社のサイトに取り上げられるのは結構珍しいのではないか。
ところが、この手のうわさ話を真に受けて恥をかいた、というか沢田研二ファンたちの怒りを買ったらしいのが、あの「ネトウヨ(安倍信者)の星」百田尚樹だった。『女性自身』のサイトに載った下記記事には、腹を抱えて笑ってしまった。
https://jisin.jp/entertainment/entertainment-news/1673422/
百田尚樹 ライブ中止の沢田研二を批判もファンの猛抗議に謝罪
『永遠の0』『海賊を呼ばれた男』などで知られる作家・百田尚樹氏(62)のツイッターが物議を醸している。きっかけは10月17日に予定していたライブを開園直前にキャンセルした歌手・沢田研二(70)。18日に開かれた会見で沢田は「客席がスカスカの状態でやるのは酷。僕にも意地がある。最終的には自分で中止した」と客の不入りが中止の理由であることを明かした。
しかし一部ネット上では沢田がコンサート会場で反原発の署名を行おうとしたところ、会場側より断られたことが中止の理由という噂が流れていた。それに対し百田氏が10月18日に自身のツイッターで「沢田研二はコンサート会場でも、反原発の話を延々とするらしい。歌を聴きに来たファンに失礼だし、そんな話がしたかったら、そういう講演をやれと思う。コンサートを利用して、反原発はずるい行為だ」と反応していた。
このつぶやきに対し、《何度も沢田さんのライブに行っていますが反原発のことなんて聞いたことがないです》《私は百田さんの本のファンですが、今回はふざけるなと言いたいです》と沢田ファンより事実無根と抗議が殺到した。
抗議を受けて、百田氏は「下の記事を読んで、『沢田研二氏がコンサートで反原発の話をしているらしい』とツイートしましたが、多くの沢田研二氏のファンから、『そんな事実はない!』というリプライをいただきました。 伝聞をツイートして、申し訳ありませんでした」と過去のライブ中に沢田が政治的発言をした際のニュース記事をもとに推測で書いたと釈明し、謝罪している。
過激な発言で数々の炎上を起こしてきた百田氏だが、今回ばかりは素直に謝らざるをえなかったようだ。
(『女性自身』 記事投稿日:2018/10/19 20:48 最終更新日:2018/10/19 20:48)
この一件は、「小沢信者」的脱原発系「陰謀論者」たちと「安倍信者」(ネトウヨ)の元締めともいうべき百田尚樹が「同じ穴の狢」であることをはっきりと示した。
しかも百田は謝罪に追い込まれた。ざまあみろ。
そんなわけで、笑いが止まらなかったのだった。一粒で二度おいしい話だ(笑)
[追記]
下記リテラの記事も参照されたい。
https://lite-ra.com/2018/10/post-4321.html(2018年10月19日)より
(前略)今回のさいたまスーパーアリーナ公演のキャンセルに関しては、沢田研二が脱原発のための署名を行っており、その運動をめぐって施設側と揉めたのではないかという説がツイッターで流布された。結果的に、その情報はデマだったわけだが、しかし、沢田研二が署名活動をはじめ脱原発に関わる活動を積極的に行っているというのは事実だ。(後略)
この通り、あのリテラでさえ「沢田研二が脱原発のための署名を行っており、その運動をめぐって施設側と揉めた」というTwitter情報をデマと断定している(笑)