kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

山本党の政党支持率、共同通信調査で4.3%

 共同通信世論調査で、山本党(元号党)の政党支持率が4.3%を記録した。

 

https://this.kiji.is/535779019296097377

 

れいわが倍増、政党支持率

共産に並ぶ4.3%

 

 共同通信の世論調査で、れいわ新選組の政党支持率が4.3%となり、参院選結果を受けて実施した7月の前回調査から2.1ポイント増えた。野党では、第1党の立憲民主党に次ぐ支持率で、共産党に並んだ。若者の支持が目立った。

 れいわの支持層を年代別で見ると、若年層(30代以下)が7.4%で、中年層(40~50代)は4.6%、高年層(60代以上)は1.9%だった。男女別では、男性が4.1%、女性が4.6%となった。

 れいわと同様に参院選で政党要件を満たしたNHKから国民を守る党の支持率は0.3ポイント増の1.3%だった。

 

出典:https://this.kiji.is/535779019296097377

 

 参院選で山本党が政党要件を得て、いきなりテレビでの露出度が増えた割にはなかなか政党支持率が上がらないなと思っていたが、最新の世論調査でついに上がった。朝日新聞や読売新聞の調査でどう出るかが注目される。

 若年層の支持が高いことが特徴。昨日公開した記事に書いた通り、この党をめぐる世評のうち、同党の政策が「本当に困っている層の心に届いて」いるかどうかについては私は懐疑的というより否定的だが、高年齢層の支持が多い立憲民主党共産党とは対照的に、若年層の支持が高いことは間違いないだろう。ただ、同じように若年層の支持が高い自民党支持層を切り崩しているかどうかは大いに疑問で、主に無党派層の若者の心をとらえたものだろう。

 

 『広島瀬戸内新聞ニュース』の論評。

 

hiroseto.exblog.jp

 

新選組の支持率が、共産党とならび4.3%。維新より高い。
若者で7.4%と、支持率が高い。
参院選では、まだ立憲支持層、共産党支持層の一部を食っただけでしたが、政党要件確保で認知度が上がって来た。今後は若手の非正規労働者なども含む無党派層に浸透する可能性は出てきた。
新選組には、若者を含む庶民に優しい経済政策は維持しつつ、日本共産党などのしっかりした歴史認識も含めた基礎は固めてほしいと思いますね。

 

出典:https://this.kiji.is/535779019296097377

 

 歴史認識については先日舩後靖彦がボロを出したばかりだが、もう「支持率では野党第二党」なのだから、同党のコアな支持層に自浄能力が全く期待できない以上、無党派層の人たちは遠慮仮借なく同党の一部に見られる歴史認識の問題を批判すべきだ。いつだったか某自民党候補(現国会議員)が「批判なき政治」なるふざけたスローガンを掲げて選挙に当選しやがったことがあったが、批判こそ進歩の母だ。

 歴史認識以外で懸念されるのは、小選挙区制が中心になっている衆院選の選挙戦略と、それに直結する「野党共闘」との関係だ。現在は山本党は「野党共闘」の枠組に入っていないが、いずれ入らざるを得ないと思う。ただ、「小沢信者」から分化した山本党のコアな支持層には、独自路線を歩めと圧力をかける層が少なからず存在する。

 山本党の本当の課題は、選挙制度をどうとらえているかだろう。その上で小選挙区制下での選挙戦略をどうするかが問われる。

 私は、繰り返しこの日記でも書いてきた通り、比例代表をベースとした選挙制度、たとえば小選挙区比例代表併用制などが望ましいと考えている。しかし現実の選挙制度小選挙区比例代表並立制であり、かつ小選挙区議席が多く比例代表もブロック制になっている。こういう現状では「野党共闘」の戦法をとらざるを得ないとの立場だ。ただ問題なのは、これまでの「野党共闘」では共産党小選挙区制批判を(小沢一郎に遠慮してか)棚上げにしてしまっていることにある*1。早く「野党共闘」(やそれを支える「市民連合」)は選挙制度の再改変を目標に掲げるべきだと考えているのだが、いっこうにその気配はない。そしてその点では小沢一郎の直系ともいうべき山本党に期待はできないし、下手をしたら2012年の衆院選日本未来の党民主党が潰し合いをやって安倍政権を誕生させてしまった歴史を繰り返す。その日本未来の党と同じ選挙を志向しているのが山本党のコアな支持層にいる「小沢信者」たちだ。彼らこそ山本党のアキレス腱だといえる。

 

 

 市民連合*2の「苦労と実績をひっくり返そうとしている」のは「小沢信者」たちだが、政治思想的にいえば「小選挙区原理主義」がある。彼らや彼らが信奉する政治家(たとえば森裕子)はよく白を黒に一発でひっくり返すオセロゲームのたとえを持ち出すが、一発逆転の魔力が「小選挙区原理主義」にはあるのだろう。だが真に政治に求められるのはそういう「こらえ性のない」あり方ではない。そう、マックス・ウェーバーが言った「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、硬い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり貫いていく作業である」(岩波文庫『職業としての政治』)というやつだ。それができる政治(家)こそが必要なのだ。

 もう一つ気になるのは、昨日ネットの一部で話題になった下記の件だ。

 

 

 画像を見て、一瞬音喜多駿かと思ったが、この伊藤という仙台市議選候補は政党遍歴も「音喜多的」な人間らしい。

 

 

 

 調べてみたら、伊藤優太が維新の候補だったのは事実だった。2014年の衆院選に維新公認で神奈川13区から立候補していた。下記は橋下徹が同年に発したツイート。

 

 

 

 繰り返し書くが、伊藤優太って面構えも音喜多に似てるもんな。

 こんなのに推薦を出す山本太郎に、本当に「若者を含む庶民に優しい経済政策」を実行することが可能なのか。大いなる疑問を感じる。

 とはいえ、山本太郎にはしたたかさもある。参議院麻生太郎問責決議案に欠席したことを批判されると、いきり立って「反批判」を叫ぶ「信者」の声を無視して、あっさり態度を改めてブログで公言までした安倍晋三問責決議案への欠席を急遽止めて参院本会議に出席して問責決議案に賛成票を投じた一件に、特に彼のしたたかさを強く感じた。このことは、負けるとわかっている日本軍みたいな戦いに突入した2012年の日本未来の党みたいな壮大な自爆を山本太郎はやらないのではないかとの期待を抱かせる。

 いずれにせよ、山本太郎からますます目を離せなくなったし、「小沢信者」を中心とする山本党のコアな支持層からの山本太郎に対する批判が全く期待できない以上、今後も厳しい批判を行っていく必要があると痛感する今日この頃だ。

*1:旧民主・民進系の政党はもともと小選挙区制を推進してきた立場だから、最初から期待できない。

*2:この市民連合に対しては私も多くの批判を持っているが、2016年と今年の参院選一人区(主に東北地方)で結果を出したことは認めざるを得ない。