新型コロナウイルス感染症だが、週明け早々は4連休でPCR検査数が少なかったであろう分が「新たに確認された陽性者数」に反映されるだろうから少なめに出て、またぞろ「K値」信奉者あたりから「収束」云々の妄言が出てくるのかもしれないけれども、木曜日以降はどうなるのだろうか。
それにしても、緊急事態宣言明けに見られた「緩み」に「K値仮説」が与えた悪影響は計り知れなかったのではないか。下記ツイートが指摘する通りだと思う。
日本おける外出自粛を阻害したひとつの大きな要因として、正直大阪大学の原子核物理専門の中野貴志教授が考案した K 値の存在があると思います。第1波の際に K 値を元に緊急事態宣言は不要だったと誤ったメッセージを出し、それが今の感染再増大をもたらした一因になっています。
— sekkai (@sekkai) 2020年7月26日
上記ツイートへのリプ。
吉村くんやっちゃいましたね
— 竜咳咳 (@WacNncejpu60HlD) 2020年7月26日
君が思うそのままのこと
歌う誰か見つけても
すぐに神と思っちゃダメさ
色々な説を提唱するのは科学的営みとして当然だけど、その影響がどこまで波及するのかは提唱者には覚悟して欲しいですね。
— N.O (@Yokan_Of_Imo) 2020年7月26日
西浦さんは10万人の生死に影響し得るとNHKの番組で述べていたと思う。同じ覚悟がK値の提唱者にあるのか。政策決定者にあるのか。
もちろん生死には経済的な方も含むと思う。
核物理学と公衆衛生学でどちらも科学ではあるけど、人の生死に直接関わる医療者としての職業倫理を備えているかどうかに違いが出るのかも。
— N.O (@Yokan_Of_Imo) 2020年7月26日
もちろん倫理には個人差はあるけど周囲の人や経験の中で触れる考え方には大きな差があると思う。どちらが優れているかではなくその仕事に適しているかどうか。
昔から「物理帝国主義」という言い方があるけれど、今回、中野貴志教授は「物理帝国主義者」の驕りから専門外の分野に気軽に喙をはさもうとして自滅したように見える。もちろん一番悪いというか責任を問われるべきは、自分の政策にとって都合の良い「K値」に飛びついた吉村洋文であることはいうまでもないが。
大阪モデルとやらで維新は存在感を示し天下人の道を歩もうと思たんやろうけんど背伸びしすぎや。専門外のバチモンつかんでブランドと見栄張るんはそもそも大阪風土やない。しかし今の大阪民はカスしかおらんからそんなこともわからん。虚勢張る奴を笑いモンにする強さも賢さもあらへん。情けないわな。
— 一書生@天上天下唯我鈍亀 (@otonyade123) 2020年7月26日
勝川俊雄氏のツイートより。
的確な指摘ですね。「コロナは大したことがない」のではなく、初期段階において、日本はコロナを多大な経済や生活の犠牲を払って凌ぐことができた。その理由を精査した上で、より少ないコストで、コロナ対策を継続する道筋を探らないといけなかった。そのための軍資金も準備しないといけなかった。 https://t.co/s24m4fwge0
— 勝川 俊雄 (@katukawa) 2020年7月25日
3月末では情報が少なかったので、とにかく人の接触を止めるために緊急事態宣言をするのは仕方が無かった。現在は、国内でも情報が蓄積されているのだから、より経済的な負荷が小さいブレーキのかけ方がわかるはずなんだよね。そういう議論を経済学者に期待した。
— 勝川 俊雄 (@katukawa) 2020年7月25日
残念ながら、国が選んだ経済学者たちは、国民全員PCRを唱えたり、K値を国に持ち込もうとしたりと、ろくな事をしなかった。おそらく、人選に問題があったのだと思う。時間を無為につかい、来ることがわかっていた第二波の前に、経済負荷が小さく実効性がある対策を立てることができなかった。
— 勝川 俊雄 (@katukawa) 2020年7月25日
私自身の場合は、4月から2か月間行われた緊急事態宣言の期間中は8割の勤務日で出社できなかったが、大きな制約が化せられた状態での在宅勤務を強いられた。6月以降は4月、5月のノルマの分も追いつけとの指示を受けて4連休でも疲れがとりきれないくらい疲弊している。緊急事態宣言下での8割在宅勤務はもう真っ平御免というのが本音だ。しかし、現在はどう見ても「人の流れに制限をかけるしかない」状態であるように見える。「経済負荷が小さく実効性がある対策を立て」てもらいたいとは、私も心底思うことだ。
それなのに、自治体(大阪府や神奈川県)や政府の一部*1は、「何も対策をとらないでもコロナが抑えられる」と主張する「K値」に飛びついた。こんな馬鹿げた政治を誰が求めるものか。私が思い出すのは、大日本帝国軍が自軍にとって都合の良い結果を予測する作戦ばかりを採用した結果、多くの日本軍兵士を死に追いやったと伝えられる近現代の歴史だ。大阪府や神奈川県、それに政府の一部は、日本軍が犯した誤りを繰り返そうとしているようにしか見えない。
一時期に大阪府知事・吉村洋文を天まで届かんばかりに持ち上げたマスメディアもひどかった。その吉村が採用した「K値」の破綻を真摯に取り上げるメディアは果たして出てくるかどうか。この点にも注目している。