安倍晋三が今日(8/24)病院に検査結果を聞きに行くとか、玉木雄一郎が大平正芳の後継者だとアピールし始めたとかの話がある。
前者は現段階(8/24未明)で結果を知っているのは安倍本人と官邸の一部、病院関係者など限られた人間だけだろうから、結果が公表されないうちから騒いでも仕方ない。重症かもしれないが元気かもしれない。また後者については、大平正芳の「田園都市国家構想」は、1970年代の時点でも既に、田中角栄が1973年を「福祉元年」に位置づけた福祉国家路線と比較して、経済政策軸上で大きく「右」に位置する「小さな政府」、すなわち新自由主義志向のものだったことを指摘しておかなければならない。そんな大平の後継者を自称する玉木の新党に「エールを送った」らしい山本太郎は、何もわかっていないとしか言いようがないのではないか。
そんなわけでこの記事での主な標的は大阪府知事・吉村洋文に絞る。
大阪の重症者は東京の倍以上です。大阪では自粛は必要なかったような雰囲気を知事が醸し出してましたからね。 pic.twitter.com/eNbDQ4sstG
— Misawa Takenao (@Misawa_T) 2020年8月23日
「雰囲気を知事が醸し出して」いたというのは、ややマイルドに過ぎる批判ではないか。吉村はもっと露骨にこれをアピールしていた。
吉村曰く、本当に緊急事態宣言の効果があったのか、これから検証していくと。まだ緊急事態宣言が発令される前の5月中旬か下旬あたりには既にほのめかしていたが、6月12日に開いた府の専門家会議だっけ、例の「日刊ゲンダイ」御用達の京大准教授・宮沢孝幸や、宮沢が依拠する「K値」提唱者である阪大の原子核物理学教授・中野貴志らを招聘して行った会議のあと、大々的にアピールしていて、TBSの「news23」にも取り上げられた。下記は当時のMBS毎日放送(TBS系の大阪準キー局)のニュースへのリンクだが、緊急事態宣言には効果がなかったと断言した中野教授の発言の映像を見ることができる。
それから2か月あまり。大阪府が行うはずだった「検証」の結果が報じられたとは寡聞にして知らない。
一方、昨日のTBS「サンデーモーニング」では、大阪府においてPCR検査を行って陽性が確認された時点で既に「重症」と診断される例が多いと報じていた。系列局のMBSが現在どんな報道をしているかは、東京在住の私にはわからないが、少なくともキー局のTBSの報道番組では、2か月前までのような異様な吉村の宣伝からは一線を画するようになった。しかし、まだまだ大阪維新に対する報道は大甘だ。そんな空気が、最初に引用したツイートでの表現をやや微温的にしてしまったものだろうか。
実際には、新自由主義むき出しの吉村府政が、大阪府での新型コロナウイルス感染症の蔓延を、首都の東京都以上にひどいものにしてしまったといえる。
私が想起するのは、数日前の『広島瀬戸内新聞ニュース』が指摘していたことだ。東京都知事の小池百合子もひどいけれども、小池はたとえてみれば戦前の「統制派」(東条英機ら)みたいなもので、それに対して新自由主義をむき出しにしている大阪府知事の吉村洋文は、(暴走して戦局を大きく悪化させた)軍部に相当するという指摘だった。これは本当にその通りだと思う。
玉木雄一郎は、そんな吉村が属する維新にラブコールを送っている。そして山本太郎はまだできてもいない「玉木新党」にエールを送る。