来週、ついにトランプが米大統領を退任するが、昨秋の大統領選敗退後のトランプの醜態には呆れた。こんな人間をアメリカ人の半数近くが支持していたことについては、日本でも安倍晋三をトランプの倍近い年数総理大臣の座につけてのさばらせていたから大きいことは言えないけれども、トランプは「不正投票」のデマを垂れ流し続けながら、自らが不正開票をさせようと圧力をかけていた。ことに最悪だったのは最後にバイデンの当選の認証を妨害する暴動を煽動して5人の死者を出したあげく、「暴徒は本当の支持者ではない」などとほざいたことだ。トランプとは絶対に大統領にしてはいけなかった人間だ。
しかし日本では安倍晋三や菅義偉らの自公政権を批判する側の人間にもトランプを支持する者がいた。その代表例が2016年の米大統領選当時の植草一秀だ。下記は当時植草が書いたブログ記事へのリンク。
以下引用する。
米国を支配する巨大資本は、死に物狂いでクリントン当選を誘導したが、主権者はこうした巨大資本の誘導に抗(あらが)った。
主権者の勝利、レジスタンスの勝利である。
この選挙に際して、一貫してトランプ氏の当選見通しを提示し続けた副島隆彦氏の見事な洞察力が改めて輝きを放つ。
今回大統領選の最大の特徴は、マスメディアがクリントンへの投票誘導を全面的に展開したことである。
そして、もう一つの特徴は米国の主権者がこのメディア誘導を跳ねつけたことにある。
出典:http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-e27d.html
ここで引き合いに出されている副島隆彦は、最近佐藤優と共著で新型コロナウイルスに関する駄本を出したようだ。本屋で見掛けたが、立ち読みする気も起きなかった。そんな佐藤を、やはり最近「痴の虚塵」、もとい「知の巨人」と持ち上げた新聞社があった。朝日だ。このように、次々とろくでもないものが思い浮かぶ。思わずNGワードを自ブログに書いてしまったではないか。くたばれ朝日、くたばれ読売(笑)
それはともかく、さしもの植草一秀もある時期以降はトランプを見限った。日本では結局ネトウヨを初めとする右翼(上杉隆を含む)だけがトランプ応援団として残ったが、昨秋の米大統領選をめぐっては右翼内でもトランプの「不正選挙」の言い分を認める「勝ち組」と、トランプは選挙結果通り負けていたとする「負け組」の争いとなった結果、ネットでは「勝ち組」の勝ちということになり、「負け組」の論陣を張った「りふれは」の上念司は悪名高い「ニュース女子」(そういえば元東京新聞の長谷川幸洋は元気だろうか)の出演を降ろされたという。
このように、タコツボの中では「よりトンデモ」の側が勝利するという現象は、反政権側でもオザシン(「小沢信者」)たちの間で見られた。今回とよく似た騒ぎが「オザシン界隈で2012年末にあったのだ。同年の衆院選で東京新聞の紙面挙げての応援を受けたり*1、日刊ゲンダイで「3桁議席もあり得る」などと煽られたりしたにもかかわらず、わずか9議席の惨敗に終わった。これが「ムサシ」(「トラシン」*2たちにとっての「ドミニオン」に相当する)による不正投票のせいかどうかで内紛が起きたのだ。この時にもネットで優勢だったのは「勝ち組」の方だった。
しかし現実には、翌年の参院選で未来の党を乗っ取って嘉田由紀子を追い出したあげくに党名を「生活の党」に改めた小沢一郎の政党は、1議席たりとも獲得できない大惨敗を喫したのだ。
これと対応するのが、年明けに行われた米上院・ジョージア州の2選挙区での決選投票だろう。もともと共和党優位の州なのに、2議席とも民主党候補の完勝に終わり、米議会は下院に続いて上院も民主党優位になった。この決選投票に、トランプが垂れ流した「不正投票論」やトランプ支持者たちの暴走が共和党にマイナスの影響をもたらしたことは想像に難くない。
前述の2013年参院選における生活の党の惨敗ともども、陰謀論を含むトンデモに走る人々は手痛いしっぺ返しを食らうことになるという良い見本だろう。
陰謀論といえば、百田尚樹や有本香らとともに「トランプ勝ち組」の代表格である加藤清隆が8か月前に放った下記のツイートが思い出される。
歌手やってて、知らないかも知れないけど、検察庁法改正案は国家公務員の定年を65歳で揃えるため。安倍政権の言いなりになるみたいな陰謀論が幅をきかせているけど、内閣が検察庁を直接指揮することなどできません。デタラメな噂に騙されないようにね。歌、頑張って下さい。 https://t.co/hGH6x7hffh
— 加藤清隆(文化人放送局MC) (@jda1BekUDve1ccx) 2020年5月10日
これに対するきゃりーぱみゅぱみゅ氏の反応は下記。
歌手やってて知らないかもしれないけどって相当失礼ですよ、、、、
— きゃりーぱみゅぱみゅ (@pamyurin) 2020年5月10日
当時この2つのツイートについた反応を見ると、さすがにネトウヨが多いだけのことはあって、加藤を応援したり、きゃりーぱみゅぱみゅ氏を批判したりするツイートの方が多数派だったが、両者のどちらに軍配が上がるか、今となっては明らかだろう。今では上記加藤のツイートを失笑なくして読むことは不可能だ。
加藤清隆には、政治評論家やってて知らないかも知れないけど、陰謀論が幅をきかせているけど、デタラメな噂に騙されないようにね。頑張って下さい、とでもいうべきなのかもしれないが、果たして加藤(元時事通信の政治記者らしいが)に頑張るべき何物かが残っているのか、ちょっと想像がつかない。
ここは、「くたばって下さい」と言い替えようか。くたばれ加藤清隆。