日本国内の新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数は明確に増加に転じた。
NHKのデータに基づくグラフを2枚示す。上が昨年3月以降の7日間移動平均の対数プロット、下が昨年10月以降の毎週土曜日から翌週金曜日までの週間値のリニアプロット。
グラフはいずれも青線が新規陽性者数、赤線が死亡者数。死亡者数は第3波の減衰によって5週連続で前週よりも減少しているが、新規陽性者数が2週続けて増加していることがわかる。
来週、新規陽性者数が急に減少するとはほとんど考えられないから、首都圏1都3県の緊急事態宣言が3度目の延長になる可能性がかなり高いと思われる。
ただ、政府(菅義偉政権)がそれでも緊急事態宣言を終了させる可能性がまだ残っている。
というのは、再来週には東京五輪の聖火リレーが行われる予定になっているからだ。緊急事態宣言下での聖火リレーは批判を浴びることが必至だから、菅としてはなんとしても緊急事態宣言を終わらせたいに違いない。そもそも今回の延長が2週間だったのも、聖火リレーが行われるからではないかと言われていたし、news23キャスターの小川彩佳などはそれをはっきり口にしていた。
しかし、聖火リレーばかりではなく、卒業式シーズンも迎える。来月になると入学式や入社式等も行われる。変異株の波が立ち上がりつつある時に緊急事態宣言を終わらせれば、まだ微増の段階にある第4波が一気に立ち上がる可能性がある。
もう一度緊急事態宣言延長せざるを得ないのではないか。今度延長するとしたら期間は少なくとも1か月は必要だろう。
3月6日(土)から3月12日(金)までの1週間の新規陽性者数は7,746人(前週比5.3%増)、死亡者数は324人(同12.9%減)だった。前週比の新規陽性者数は、先週は3.2%増加だった。増加率もわずかながら上昇している。死亡者は減ってはいるが第1波の時ほどではない。6月と3月の気温差の影響かもしれないが。
死亡者数を新規陽性者数で割った値は4.18%で、前週の5.06%より下がった。現在もなお第3波の末期と第4波の初期が重なり合っている状態だが、感染はもはや「下げ止まり」から「増加」に転じたとみられる。