連休が終わって3週間以上経ち、緊急事態宣言の効果が対数グラフではっきりわかるようになったが、緊急事態宣言も3回目になった今回が一番宣言の効きが悪いことが対数グラフの右肩下がりの傾きの小ささからうかがわれる。緊急事態宣言は最初の昨年4〜5月が一番効いた。今年1〜3月の2回目は規制が初回より緩かったこともあってグラフの右下がりの傾きも緩くなったが、今回は2回目より強い規制にしたはずなのにグラフの右下がりがさらに緩くなった。これは変異株N501Yの感染力が強いためだろう。
以下に、NHK集計のデータ*1をプロットしたグラフを2つ示す。上が昨年3月以来の新規陽性者数と死亡者数の7日間移動平均値の対数プロットで、下が昨年10月以来の週間データの線形プロット。
5月22日(土)から5月28日(金)までの1週間の新規陽性者数は28,071人(前週比24.8%減)、死亡者数は664人(同16.3%減)だった。週間の新規陽性者数は2週連続で減少し、死亡者数も7週ぶりに減少した。しかし先週は神戸市で報告漏れ121件が追加された分の下駄を履いていたので、これを除くと死亡者数は高止まりしている(先週分から神戸市の追加発表分の121人を引くと673人になり、今週は664人だったからほとんど変わらない)。死亡者数の高止まりは、感染の波の後期にはいつも見られる現象だ。
これまでは第4波の流行が先行した大阪府や兵庫県の死亡者が目立ったが、今後は愛知県や福岡県、北海道、沖縄県など遅れて第4波のピークを迎えた自治体から多くの死亡者が出ると思われる。また、インド型変異株による第5波が立ち上がらないかも強く懸念される。