国内の新型コロナウイルス感染症週間新規陽性者数14,054人、死亡者数519人 (2021/6/5-11)／新規陽性者数「下げ止まり」の可能性が出てきた

　新型コロナも過去に4つの大きな波*1に襲われてきたので、さすがにメディアも少しは敏感になったのか、それとも東京五輪開催を控えているためか、今回は早い段階から「下げ止まり」の指摘が聞かれ始めた。

　下げ止まりが見られるかどうかは、対数グラフを見なければわからない*2。対数グラフで新規陽性者数が直線的に減少しているならば指数関数的な減少が続いているといえるが、傾きが鈍ってくれば下げ止まりの可能性が示唆される。但し、局所的かつ一時的な波の影響で一時期だけ傾きが鈍ったあと元に戻る可能性もあるので、ある程度の期間で見ないと正確なことは言えない。

　その傾きの鈍り方がグラフでも確認されるようになった。また7日間移動平均値でも、先週は前週比31.0%の減少だったのが今週は前週比27.4%のに鈍化した。そのグラフを下記に示す（データはNHKによる*3）。また週間値のリニアプロットのグラフも示す。

f:id:kojitaken:20210612103339p:plain — 国内のCOVID-19新規陽性者数及び死亡者数 (2020/3-2021/6, 7日間移動平均対数=NHK)

f:id:kojitaken:20210612103817p:plain — 日本国内のCOVID-19の週間新規陽性者数と週間死亡者数 (2020/10/3-2021/6/11, NHK)

　繰り返すが、本当に下げ止まりが始まっているかはまだわからない。現段階で言えるのは「下げ止まりの可能性がある」ことだけだ。

　6月5日（土）から11日（金）までの1週間の新規陽性者数は14,054人（前週比27.4%減）、死亡者数は519人（同17.7%減）だった。週間の新規陽性者数は4週連続で減少し、死亡者数も3週連続で減少した。死亡者数はようやく目に見えて減少するようになった。感染の第4波は後期の真ん中あたりといったところか。問題は、もしかしたらもう第5波が立ち上がり始めているかもしれないことだが、前述の通り、はっきりしたことが言えるのはもう少し先になる。