新型コロナ第5波の感染再加速だが、対数グラフでもいったんピークが見えたかの傾きの低下が再び急になる様子が見られるようになった。下記3つのグラフの一番上で確認できる。データはNHK*1により、上から順に昨年3月以降の新規陽性者数・死亡者数の7日間平均の片対数プロット、同線形プロット、昨年10月以降の新規陽性者数・死亡者数の週間値の線形プロットを示す。
高橋洋一の言い方を借りれば、第3波や第4波など、現在の第5波と比較すると「さざ波」に見えてしまう。菅義偉や小池百合子らが世論の反対を押し切って東京五輪の開催を強行した結果がはっきり表れた。
8月14日(土)から8月20日(金)までの1週間の新規陽性者数は147,720人(前週比36.9%増)、死亡者数は196人(同59%増)だった。週間の新規陽性者数は8週連続で増加し、先々週から先週にかけて鈍化していた新規陽性者数の増加率が前週の22.7%から36.9%に反転上昇した。死亡者数は3週連続で増加し、今週は先週に引き続いて前週比約1.6倍の死亡者が出た。死亡者数は2週間で2.5倍以上に増えているから、本当に深刻な急増だ。少し前のある日、東京都の死亡者数がゼロだったことに言及して「すべてを物語っている」などとしたり顔に語った(=誤った「安心理論」を垂れ流した)猪瀬直樹に対する怒りが改めて込み上げる。第5波の感染のステージは引き続き中期の前半にあるとは思うが、感染初期の特徴も再び出てきた。感染爆発の状況は先週と比較しても深刻さの度合いをさらに増した。