kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

横浜市長選で立民推薦・「野党共闘」支援の山中竹春が圧勝。菅義偉側近の小此木八郎は惨敗して政界引退へ

 横浜市長選には興味がなかったというか、候補者全員が気に入らなかったのでこれまで何も書かなかったが、選挙戦中盤で神奈川新聞が報じた情勢調査の通り、立憲民主党が推薦して野党共闘の共産・社民などが支援した山中竹春が圧勝し、菅義偉の側近で大臣を辞めてまで立候補した小此木八郎が惨敗した。小此木はなんと政界を引退する意向だという。菅義偉には大きな打撃となった。

 この選挙では与党系も野党系も分裂し、与党系では現職の林文子、野党系では田中康夫松沢成文がそれぞれ立候補し、このうち誰も供託金没収には至らなかったものの、全員山中竹春の得票には遠く及ばず惨敗した。松沢成文には維新、田中康夫には某組の支持者たちが肩入れしたとのことで、前者は理解できるけれども、後者は田中が山本太郎の経済政策をこき下ろしていたことを考えると奇異の念を抱く。まあ彼らの多くには確たる思想信条も何もなく、単に自公憎し以上に立民憎しの暗い情念をひたすら強く持ち続けているだけの人たちなのだろうが。なお一部に、田中は2009年以降急速に右傾していてリベラルの人間が推せる候補ではないとの指摘があり、基本的にはその指摘に同感だけれども、田中康夫が右傾化したのは何も2009年以降に始まった話ではなく、2005年に新党日本を立ち上げた時に「石原慎太郎の直系」を自認する小林興起と組んでいた。つまり田中は2005年には既に激しく右傾化していたというほかない。しかも2016年の参院選東京選挙区に、田中はおおさか維新の会公認で立候補した(もちろん落選した)。論外だ。田中は惨敗して当然の候補だった。だから彼が供託金没収の惨敗にまで至らなかったことは残念至極だ。

 当選した山中竹春とて江田憲司系の人とのことで、おそらくネオリベ色がかなり強いと思われるし、パワハラ疑惑などもある。ただ野党支持者や菅政権に批判的な人たちが、菅の直系である小此木を落とすために「戦略的投票」を行ったことは想像に難くない。私も横浜市民だったら「鼻をつまんで」そのような投票行動をとった可能性が高い。

 一つだけいえるのは、これで菅義偉政権がはっきり「死に体」になったことだ。菅は、緊急事態宣言の延長を9月12日までの短期間にしたことからもミエミエの通り、自民党総裁選の告示日より前に衆議院を解散したいと思っている(思っていた)に違いないが、そもそも9月12日に緊急事態宣言を終わらせられるはずがない。さりとて総裁選で当選した人間にしても、就任早々衆院選敗北の責任を問われることは必至だ。そうなると、任期満了選挙にして自民党総裁選は衆院選直後にまで延期する目がでてきた。実際、自民党閣僚経験者の1人がNHKの取材に対して下記のように答えたという。

 

「非常に厳しい結果だ。国民の声は『コロナ対応をしっかりしてほしい』ということだと思う。とにかくコロナ対応を最優先にし、自民党の総裁選挙は先延ばしにしたうえで、衆議院選挙は任期満了で行うべきではないか」

 

出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210822/k10013216971000.html

 

 そうなるのではないか。

 秋の衆院選は、自公政権の継続か政権交代かが問われる選挙になりそうだ。もちろん結果によっては自公に日本維新の会(や国民民主党)が連立政権入りする可能性もある。