甘利明が頭の悪いツイートを発して批判されている。
留学生が帰国する際、機微技術情報を持ち帰らぬ様に防止策を「講じていない」大学が6割に達しているとの文科.経産両省の調査結果は衝撃です。秘匿情報流出の防止策は経済安全保障の要ですが、日本では特に学術の世界で認識が甘いと従来から言われています。この点も経済安全保障推進法の必要性です。
— 甘利 明 (@Akira_Amari) 2021年9月16日
学術は基本的にオープンです。
— yunishio (@yunishio) 2021年9月17日
クローズにしてたら、論文も書けないし、他人の論文を閲覧したり、自分の論文が引用されることもできません。
日本国内に閉じた学会でも作りますか?それだと日本の科学者は世界から取り残され、日本の科学が衰退しますね。🤣https://t.co/IEJd4fEXDO
科学を知らないサルが、この国の行政を動かしてるんだぜ。😎https://t.co/WJZonmNBMl
— yunishio (@yunishio) 2021年9月17日
大学に軍事研究しろ、産学協同しろと圧力かけておいて、大学で機密関連の研究させたら研究内容がオープンになると気づくレベルの政治家が政権を担っていると。学術成果や情報には国籍もないので、日本人だから大丈夫という前提も通用しないだろw https://t.co/JwQBZEoUz4
— kazukazu88 (@kazukazu881) 2021年9月17日
ご多分に漏れず甘利明は世襲議員だ。とはいっても甘利の父・甘利正は三木内閣が衆議院を解散できずに任期満了選挙をやった1976年に新自由クラブから60歳で初当選し、1979年衆院選での落選を挟んで翌1980年衆院選(参院選との同日選挙)で返り咲いて2期務めただけの経歴だ。甘利明自身は1983年に世襲候補として新自クから立候補して初当選したが、この選挙で敗北した自民党を選挙後に助けたのが新自クだった。自民党優勢とのメディアの事前情勢調査を覆して自民党が敗北したことで、日刊ゲンダイは「田中曽根 退陣へ」との大見出しを掲げたが、新自クの裏切りによって中曽根政権は延命し、その後1986年の衆参同日選挙に大勝するなどして「大勲位」になりやがった。河野洋平の罪は万死に値する。新自クの議員はその1986年の参院選のあと大挙して自民党に合流(あるいは復帰)したが、甘利明は中曽根派に入り、以後右翼タカ派議員として鳴らした。なお河野洋平は新自クを結成する前は中曽根派に属しており、新自クが1983年に過半数割れした自民党を助けて連立政権入りしたのはその腐れ縁があったためかもしれない。そもそも中曽根自身が河野(一郎)派だったのだ。
しかし衆院議員を2期務めただけの父親であっても甘利明が世襲議員であることには変わりはない。普通の人間はそう簡単に34歳で初当選なんかできない。そして多くの世襲議員がそうであるように(河野洋平には当てはまらないが河野太郎には当てはまる)、甘利明も父親と比較してはるかに右翼にして新自由主義的な人間だ。
その甘利が無知を露呈している。
自民党の科学技術に関する新自由主義政策の柱は、よく知られる「選択と集中」だが、この政策は要するに「すぐにカネモーケができそうな分野にのみ政府支出を集中させる」というものだ。根っこを大事にしない政策だから、自民党政治が本格的に新自由主義かを強めた中曽根政権(1982〜87年)以降、日本の科学技術力は低下の一途をたどった。近年相次いだ日本人のノーベル賞受賞前は、自民党政治が新自由主義政策を本格化させる前の遺産によるものだ。その業績がたとえ中曽根政権以降である場合でも、それ以前からの遺産とみなければならない。
たとえば新型コロナウイルス感染症に関わる感染症の分野は自民党政権の「選択と集中」の対象外だった。その分野が「選択もされず集中もされず、合理化の『草刈り場』になった」*1国から、世界に先駆けてワクチンが開発されるはずがない。しかるに安倍晋三は「日本の科学力は落ちていない。1年後までには日本の学者がワクチンを開発してくれる」と本気で信じ、東京五輪の延期を2年後ではなく(当時は自分の任期中だと思っていた)1年後に決めた。こんな馬鹿が7年9か月も総理大臣をやっていたのだ。そりゃ日本の国力が大きく傾くはずだ。もちろん世襲でなければ良いわけではないことは、過激なネオリベである菅義偉やネオナチ系の極右にして「フラットタックス」を掲げる橋下徹並みの超ネオリベである高市早苗の例から明らかではあるが。要するに自民党自体が賞味期限をとっくに過ぎている。自民党とは、歴史的使命を既に終えた政党なのだ。
安倍、甘利とともに「3A」と呼ばれることもあるらしい麻生太郎も、頭の痛くなるような暴言を発した。
以下引用する。
麻生大臣「医者が言う話が本当かよ?」行動制限緩和に前向き姿勢
9/14(火) 15:27配信
麻生財務大臣は、緊急事態宣言下での行動制限緩和に医療関係者が慎重な姿勢を示していることについて、「医者の言う話が本当かよという話がいろんなところに出てきている」と話し、景気回復にむけて緩和を進めるべきだと主張しました。
「医者は結構反対かなんか言っていただろう?違ったか?」
記者
「尾身さんは、緊急事態宣言下ではどうかというような話だが・・・」
「医者とか医者みたいな人が言ってる話ね、これ。それに反対があるって話だったな。少なくとも感染爆発期に映画館で出たとか、どこかで出たとか話もあまり聞きませんから、ほとんど聞いたことがないので。そういった意味では、いろんな話が医者の言う話が本当かよという話がいろんなところに出てきてますよ、現実問題として」
麻生財務大臣はこのように述べたうえで、景気の回復のために行動制限を緩和できるところからやっていくべきだと話しました。(14日12:47)
(TBSニュースより)
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/257d2cfec5dcde3f03789bd2db0a28878d8a17f1
この手の「早く経済を回せ」という意見は、昨年5月の第1波減衰期には江川紹子あたりも(麻生太郎のような露悪的な表現でこそなかったものの)ずいぶん言っていたが、麻生は未だに言っている。第1波の減衰期には、新型コロナに対しては極右思想と関係がないために価値中立的だった安倍晋三が規制の緩和に当初は慎重だったが、江川紹子に代表される「リベラル」側からさえも「経済を回せ」との主張があり、ネオリベ系からはいわずもがなのもっと強い圧力があったために安倍は簡単に彼らの意見に従って規制解除をなし崩し的に前倒しした。結局その後の第2波から第5波に至るまで、新たな感染の波に襲われる度に日本国内の陽性者数や死亡者数のベースラインが上がり続けて現在に至る。もっとも死亡者数だけは主にアメリカ*2などで開発されたワクチンの効果と人体の免疫力が強い季節の効果も相俟って、第5波の死亡者数は第3波や第4波を下回りそうだ。しかしファイザーやモデルナのワクチンを開発したのはアメリカであって日本ではない。安倍晋三が妄信していた「東京五輪に間に合う国産ワクチンの開発」は出現しなかった。ああ、日本スゴイ!
とにかく、自公政権を一日も早く終わらせなければ話にならない。