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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「自民の単独過半数維持は微妙、立民が議席増・維新勢い保つ…読売・衆院選終盤情勢」

 読売の終盤の情勢記事が出た。朝日などと比べて自民に弱く出していた読売が、さらに自民弱含みとする記事だった。

 

 

自民の単独過半数維持は微妙、立民が議席増・維新勢い保つ読売・衆院選終盤情勢

2021/10/28 22:00

 

 読売新聞社は31日投開票の衆院選の終盤情勢を探るため、26~28日に世論調査を行った。自民党は単独での衆院定数の過半数(233)維持が微妙な情勢だ。立憲民主党議席を増やす公算が大きく、日本維新の会は勢いを保っている。289ある小選挙区の約4割で接戦となっている。

 調査結果に全国の総支局などの取材を加味し、情勢を分析した。

 

 自民は終盤に入り、野党に追い上げられる小選挙区が目立っている。優勢を保つ候補は113人にとどまり、劣勢は序盤の46人から60人に増えた。当落線上で104人がしのぎを削る。特に野党の地盤が強い北海道、大阪、沖縄で苦戦している。一方、保守地盤の強い富山、山口、高知では安定した戦いを展開しており、山形でも議席独占の可能性が出てきた。比例選では70議席近くを視野に入れるが、公示前の276議席からは減らしそうだ。

 

 公明党は、9人を擁立した小選挙区の多くで安定した戦いを進める。比例選では順調に議席を積み増し、前回の2017年衆院比例選の21議席を上回る可能性がある。自民、公明の与党では、国会を安定的に運営するための「安定多数」(244)をうかがう。

 

 立民は、優勢な小選挙区を序盤の30から七つ増やすなど公示前の110議席から30近く増やす可能性がある。ただ、94人が接戦を演じており、情勢は流動的だ。比例選では40議席を超える見通しとなっている。

 

 共産党は沖縄1区で優位に立ち、比例選でも2桁の議席確保を狙う。公示前の12議席は上回る勢いだ。

 

 維新は拠点の大阪で、19ある小選挙区の半数以上を制しそうだ。比例選でも20議席台に乗せる可能性があり、公示前の11議席から3倍超をうかがう。

 

 国民民主党は、公示前の8議席を確保できるかどうかが焦点だ。

 

 調査は電話で実施し、18万2039人から回答を得た。一定数の回答者が小選挙区選や比例選で投票する候補者や政党を挙げておらず、情勢はなお流動的な要素もある。

 

 衆院選には、小選挙区選(定数289)に857人、11ブロックの比例選(定数176)に194人(重複立候補を除く)の計1051人が立候補している。

 

(読売新聞オンラインより)

 

出典:https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20211028-OYT1T50171/

 

 しかし比例では自民が強く、維新が伸びる一方で立民は伸びないとしている。

 

 

比例選は自民が堅調さ維持、維新も浸透・立民は伸びず読売・衆院選終盤情勢

2021/10/28 22:11

 

 読売新聞社が実施した衆院選の終盤情勢調査では、比例選(定数176)で自民党が序盤情勢調査に続いて堅調さを維持している。日本維新の会はさらに伸長する勢いだ。

 

 自民は、比例選の全11ブロックで安定した戦いを繰り広げている。公示前の66議席を上回り、70議席に届く勢いを保っている。岸田首相(党総裁)のお膝元の中国ブロックでは6議席目に手が届きそうだ。

 

 公明党も前回選の21議席を上回る展開で、自民、公明両党で比例定数の半数を超えそうな情勢だ。

 

 一方、維新は地盤とする近畿に加え、南関東、東海両ブロックでも浸透が進んでいる。公明と同程度の20議席台に乗せる可能性がある。

 

 立憲民主党は40議席台に達する見通しだ。共産党は前回選の11議席を上回る勢いを保っている。

 

(読売新聞オンラインより)

 

出典:https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20211028-OYT1T50175/

 

 私は読売が終盤に自民巻き返しという記事を出す可能性はあまりないと思っていたから、今回の情勢記事もさほど意外ではなかった。なぜなら、公示から現在までの間に、総裁選で一時盛り上がった自民の勢いが徐々に落ちていく傾向を止めるできごとは何も起きなかったからだ。読売と朝日との予想の乖離は、両社の現在の政局観が大きく異なっていることを示すものでしかない。

 これほどまでにもメディア各社の予想がかけ離れる理由はいくつかある。

 まずコロナが招いた自公政権への失望がどのくらい大きな国政選挙の結果に反映されるかが読みづらいこと。現在顕著に見られる、選挙のたびに自民党の候補者や予測議席がメディアの情勢調査を下回る現象は、人々の自公政権への失望が原因だと私はみているが、それに重きを置いたのが読売の予想で、それほど重要視しなかったのが朝日の予想なのではないだろうか。つまり、選挙の序盤で自民が崩れて中盤に立て直したという原因不明の流れの変化など、実際には起きていなかったということだ。

 もう一つは、各社ともコスト削減の必要に迫られて、調査方法を変えたこと。ことに朝日の小選挙区情勢調査の外注が注目されている。

 最後に、衆院選が4年ぶりだったことだ。新型コロナの前は、安倍晋三が2〜3年毎に好き勝手なタイミングで衆議院を解散していた。昨年初め以降も、安倍はずっと解散のタイミングを計っていたはずだが、コロナに阻まれた。菅義偉も同様だ。そして安倍は最後の手段である「選挙直前に総理総裁の首をすげ替える」賭けに出た。賭けだから、結果がどう出るかはわからない。ただ、安倍には「郵政解散・総選挙」で小泉純一郎が見せたようなギャンブラーの素質はない。2017年に小池百合子前原誠司小沢一郎らの虚を突いた解散など、敵の弱みにつけ込むスキルは持っているけれども、2007年の参院選で顕著に見られた通り守りには弱い。

 野党では立民の伸び悩みは、同党が何をやりたい政党かわからないためではないか。野党共闘共産党と組む一方、経済政策を元みんなの党江田憲司に任せたりする。もっとも自民党も似たようなもので、宏池会岸田文雄が選挙の公約を極右新自由主義者高市早苗に作らせて、高市が好き勝手に反動的な公約を並べている。両党の間隙を維新に突かれたのも当然といえるかもしれない。もっともこれは既に長年はびこっていて惰性力を持っている維新だからできたことであって、同じことをやろうとしている玉木雄一郎の民民ではそうはいかない。

 固定票の多い公明と共産は着実な戦いだと思われる。

 読売の記事には某組が出てこないが、あの組長のカリスマ人気に頼る組は、今回の東京8区騒動で、日本の政治にとって有害であることがはっきりした。しかしその騒動の主犯ないし共同正犯が立民の前職だったことは、立民もまた大きな問題を抱えていることを示す。

 今回ほど結果がどうなるか読めず、メディアの予想が割れる選挙は珍しいが、2日半後には結果が出始める。