昨日(1/18)の新型コロナウイルス感染症の国内新規陽性者数はNHK*1によれば32197人で、過去最多を記録した。死亡者数は10人だった。7日間移動平均では新規陽性者数が22672人、死亡者数5.7人で、前者は昨年8月25日に記録した23192人に迫り、これを超えるのは時間の問題になった、というより今日超えるのではないか。前記NHKのデータに基づく対数グラフを以下に示す。
死亡者数の7日間移動平均値が5.7人と低いのが曲者で、東京都が重症者認定基準を異常に厳しくして「瀕死」にならない限り重症と認定しないことと合わせてオミクロン株の脅威を侮る原因になっている。このことに対する批判的論評としてわかりやすいのは下記のツイートだ。
コロナの死亡率出す時、ある日の死亡者数を同じ日の感染者数で直接割ったらあかんよ。感染してから死亡するまでタイムラグが例えば2週間くらいあるとすると今の2週間前の感染者数は1/30だったから死亡率を30倍過小評価することになる。
— Zetton (@Dr_Zetton) 2022年1月18日
発症から陽性確認までのタイムラグよりも陽性確認から死亡までのタイムラグの方がバラツキが大きいが(症状の進行の具合は患者によって異なるから当然だ)、粗っぽい見積もりとして昨日の死亡者数7日間移動平均値5.7人をを2週間前(1/4)の新規陽性者数7日間移動平均値664人で割ると死亡率は0.85%になる。これは第5波の致死率0.34%と比較しても高い数字だ。オミクロン株は症状の進行が早いらしいので、おそらく2週間前よりももっと手前の陽性者数と比較すべきなのだろうと考えて、10日前(1/8)の新規陽性者数7日間移動平均値を分母にすると死亡率0.16%になった。これでもデルタ株の半分くらいの致死率だから*2、オミクロン株を決して侮ってはならないことは明らかだ。新規陽性者数はまだ7日間陽性者数前週比3.5倍、倍加速度3.85日(1/17の値*3)程度で急増が続いており、今月中にはピークアウトするような気もするがまだしばらくは増え続けるだろうから、少し前に書いたことの繰り返しになるが、1日の死亡者数が少なく見積もっても数十人に達することはほぼ間違いないと思われる。
このように、第6波の全貌が明らかになっていない段階で、新型コロナの「5類引き下げ」を求めることは全くのナンセンスだ。安倍晋三・松井一郎・吉村洋文・玉木雄一郎・小池百合子らは全く信頼に値しない政治家たちである。
*1:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/
*2:これには季節要因もあるのだろう。今の真冬が一年でもっとも人体の免疫力が低い季節だ。
*3:1/18は前週の1/11が3連休の3日目だったことから値が過大になっていると思われるので、1/17の値を用いた。