今日(2/10)は少し時間の余裕がないのと、新型コロナ第6波の統計データ、それは先月のある時期から検査数がサチって(飽和して)いるために定量的には信頼性が大幅に低下してはいるが、いくつかの指標がキリの良い数値になったので、予定していた「維新主要打撃論」の必要性を説く記事を先送りして、今日もコロナを取り上げる。なおいつものようにデータはNHK*1による。
まず1点目は、昨日(2/9)で昨年12月1日以降、つまり弊ブログが「第6波」としてカウントしている新規陽性者数の累計が、「第5波」としてカウントしている昨年7月1日から11月30日までの5か月間の新規陽性者数の2倍を超えたことだ。2点目は、それと時を同じくして東京都の新規陽性者数が今年初めて前週の同じ曜日を下回り、全国の総計で見ても91人増にとどまったことだ。つまり、検査がサチっているために即断できないとはいえ、新規陽性者数がいよいよピークを迎えた可能性がある。また昨日は、新規陽性者数の倍加時間が2.11日という恐ろしい数字で極小値(倍加速度の極大値)を記録した1月9日からちょうど1か月後だ。弊ブログは倍加速度が極大値をとった直後に、3週間後くらいにピークを迎えるだろうと予測した記憶があるが、オミクロン株は予想以上にしぶとく、予想を10日ほども上回って感染を拡大させ続けた。これには政府や各自治体の無策、弱毒弱毒とばかり言い募って視聴者にオミクロン株の脅威を過小評価させたメディア、それを鵜呑みにしてしまった人々のそれぞれに問題があるが、特に罪が重いのは政府(岸田文雄政権)と各自治体であることは当然で、後者については特に大阪府、神奈川県、東京都の3都府県がこの順番でひどい。ことに神奈川県知事の黒岩祐治はそのネオリベ度において小池百合子をも超え、橋下・松井・吉村の維新三悪に迫る極悪人だ。黒岩は一昨年に「K値」に吉村洋文ともども飛びつこうとした時にもその片鱗を見せていたとはいえ、今回の血も涙もない施策によって完全にその凶悪きわまりない正体を露呈した。
維新・黒岩・小池に代表されるネオリベ批判については改めて別の記事に書くとして、統計データの「キリの良い数値」の3点目に移る。やはり新規陽性者数の話だが、一昨日(2/8)、年初からの新規陽性者数累計が一昨年から昨年の2年間の新規陽性者数累計を上回った。つまり2020年1月から2021年12月までの2年間、731日間の新規陽性者数をわずか39日間で上回ってしまった。オミクロン株の感染力の強さ恐るべしである。
さらに4点目になるが、昨日(2/9)の死亡者数の7日間移動平均値が116.0人となって、過去最多だった第4波のさなかだった昨年5月21日に記録した113.3人を上回った。今回はタイミングが遅くなったが、NHKのデータに基づく対数グラフを以下に示す。赤線が死亡者数の7日間移動平均値である。
第6波による死亡者の累計について、弊ブログは発症から死亡までのタイムラグを考慮して第5波より1か月遅い今年1月1日を起点にしてカウントしているが、第6波累計は第5波の43.3%に達した。死亡者数がピークに達するまでにはもう少し日数がかかるので、最終的には第6波の死亡者数が第5波を上回ることはほぼ確実となった。少し縁起の悪い話をすると、新規陽性者数7日間移動平均値は底だった昨年11月の95.9人から昨日の9万3千人強まで、およそ1000倍になっている。死亡者数はピークが新規陽性者数と比較してブロードになる(幅が広くなる)のが普通なので、極小だった年末から年始頃の約1.0人の1000倍、つまり1000人にまでは到達しないと思うが、それでも数百人(300〜700人)に達する可能性がかなり高い。その場合、第6波の死亡者数と比較すべき対象は、第5波よりもこれまでの1日あたりのピークを記録した第4波や菅義偉がGoToにこだわり続けて犠牲者を大きく増やして過去最多の死亡者数を記録した第3波ということになる。つまり、まだワクチンの接種が始まっていなかった頃と比較されるほどオミクロン株の脅威は大きいのである。なお昨日までの時点で第6波による死亡者数は第4波の24.7%、第3波の18.7%である。
最後に、前の記事にいただいたnissy38(にっしー)さんのコメントを紹介する。コメントにはブログ「世に倦む日日」の2件のエントリがリンクされている。特に2件目のネオリベ批判は良かった。このブログの論調にここまで全面的に共感できたのは、おそらく2005年後半に同ブログが小泉純一郎の新自由主義を批判する記事を連日公開していた頃以来のことだ。
「世に倦む日日」は1件目の記事のタイトルに「死屍累々の2月」と銘打っているが、弊ブログも同じことを1月最後のエントリに書いていたことを宣伝しておく。
ただ一言書いておくと、今日の死亡者数は第6波では最多の48人を記録している。月間では400人を超えた。100万人中400人なら致死率0.04%じゃないか、などと侮ることなかれ。死亡者数は遅行指標なので、来月(2月)には相当悲惨なことになることを覚悟しておかなければならない。
やっぱり「ただの風邪」なんかじゃない。
2月の死亡者数は9日の時点で964人を数えた。今日で1000人を超える。
また「世に倦む日日」の2件目の記事は、玉城デニー知事の沖縄と吉村洋文・維新の大阪及び黒岩祐治の神奈川を比較して後二者に厳しい筆誅を加えているが、実際両者の致死率には天と地の開きがある。沖縄では3万人の陽性者が出たのに死亡者は2人、見掛けの致死率は0.007%&とのことで、これが「ただの風邪」「5類」を叫ぶ連中の論拠になっているが、国内の第6波による見掛けの致死率は昨日の時点で0.075%に達した。つまり沖縄よりも10倍高い。しかも先月末に0.04%だったはずの見掛けの致死率がもう0.075%にまで上がっている。その中でもひどい日には1日だけで29人もの死者を出す大阪は全国平均の2.3倍の人口あたりの死亡者を出している。この2.3倍という数字は宮武嶺氏のブログ記事*2に拠るが、その記事のタイトルにある通り、大阪に住んでいると「維新に殺される」のだ。
昨年の総選挙の直後に当たる昨年11月3日に維新の正体を喝破していたのが辺見庸だ。以下に当該ブログ記事をリンクする。
維新はファシスト。(衆院選で維新と正面切って戦わず、その結果選挙に負けた)辻元清美と枝野はパー。本当にそうだよなあ、と思う。
ブログ「世に倦む日日」のエントリのリンクを貼っておきます。
「インフルエンザと同じ」のウソ – 死屍累々と座視等閑の2月
https://critic20.exblog.jp/32462418/
事実上の5類移行とその既成事実化 - 弱者は勝手に感染して早く死ね
https://critic20.exblog.jp/32466868/
いずれも、日本の為政に蔓延る「新自由主義」「ネオリベ」に厳しい批判を加えています。