数日前に批判したばかりの黒川滋氏を今回も批判する。
「あいつはヒトラー」と言って言われた方が「どこがヒトラーなんだよ」と応酬して当事者と熱烈支持者どうしが無限の議論をやって、有権者からバカみたいと突き放されて、「後が怖い」ことになることを止められるとは思いません。むしろ逆効果だと思います。有効な批判をすべきです。 https://t.co/B9hT2oVsuk
— くろかわしげる (@kurokawashigeru) 2022年1月27日
上記のツイートは事実の認定が間違っている。
橋下は「あいつはヒトラー」と言われて「どこがヒトラーなんだよ」と応酬したのではない。「人をヒトラー呼ばわりすることは国際的には御法度」という虚偽に基づくプロパガンダを行い、それをテレビを筆頭とするメディアがオウム返ししたために「嘘も百回繰り返せば真実になる」という、まさにヒトラーが得意としたとんでもない結果を招いた。それが問題の核心だ。その結果、加藤綾子なる、その経歴を調べても「右翼局でアナウンサーを長年務めた、自身はなんということもないノンポリ」としか思えない人士が菅直人を「批判」し、それをスポーツ紙のサイトが「拡散」するという頭の痛い事態になっている。
国際的に「ご法度」なのは、ヒトラーやナチを賛美することで、何かを批判する際にヒトラーやナチと比較することじゃないですよ。 https://t.co/xowA5P4bCU
— 町山智浩 (@TomoMachi) 2022年1月26日
加藤のような人が「嘘を百回繰り返す」人たちに加わった現状はとても深刻だと思う。そして、野党の政治家、支持者、あるいは無党派層においても、従来から左派色の強かった人たちは熱心に橋下を批判して菅直人を擁護しているが、右派的だったり「自称中道」だったりする人たちの反応はいたって鈍い。たとえば、弊ブログがよく槍玉に挙げる「小池都知事と民進党との連携にちょっとワクワクした」ことがある某ブログ主は、そのさらに前の2013年頃には「立憲主義を理解している橋下くん」に期待するかのようなブログ記事をしばしば書いていたとはいえ、もともとは大の菅直人支持者だったはずだ。しかし氏のブログにはこの件はいまだに取り上げられていない。
そんな状況だから、ツイートには菅(かん)の発言を「不適切」だと評した立民幹部がいるとの未確認情報が流れている。
立憲が党としての発信ではないとするのはそのようなスタンスで構いません。
— 🍊みみやん🍊 (@Komomo_mx) 2022年1月26日
しかしながら、このような不当な抗議文に対しその抗議そのものがおかしいと、きちんと反論することは必要ではないでしょうか?それをせずにヒトラー発言は不適切との発言はいかがなものかと。
立憲民主党は、菅直人氏のヒトラーを引き合いにした維新批判を党として擁護もせず、それどころか党幹部が「不適切」とまでいうのはいかがなものか。菅氏は辻元清美氏の落選を重くみて維新批判を強めているのに、肝心の党執行部がこの体たらくでは、先が思いやられる。
— 神子島慶洋⊿ (@kgssazen) 2022年1月27日
逢坂誠司が菅直人の発言を「好まない」と評したことは知っているが、「不適切」とまで言った党幹部がいるとの情報は確認できなかった。もしいるとしたら弱腰もいいところだろう。
一方、すぐに流れに乗りたがる軽さが目立ってばかりの民民・玉木雄一郎はさっそく菅の発信を「見識がない」と評した。
菅直人元首相は「見識ない議員」 国民・玉木代表、「ヒトラー」投稿に不快感あらわ
2022年01月27日16時01分
菅直人元首相が、日本維新の会と創設者の橋下徹氏について、「第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす」と投稿し、維新側が反発している問題で、国民民主党の玉木雄一郎代表は2022年1月27日の記者会見で、「コメントはしない」と述べ、直接の論評を避けた。
ただ、「相手をおとしめて何かをやっていくという政治手法そのものが、我が党の考え方とは相いれない」とも話し、発言は不適切との見方を示した。さらに、仮に国民民主党の所属議員が菅氏のようなツイートを発信した際の対応を問われると「そういうことを言うような、見識のない議員は、我が党にはいないと思っている」と本音をのぞかせた。
「ヒトラーの話については、コメントはしません」と言っていたのに
菅氏のツイートをめぐっては、立憲の逢坂誠二代表代行が1月25日の記者会見で「党としてどうこうということは特段の必要はない」と発言。維新は1月26日午前、立憲に対して抗議文を提出し、菅氏は同日午後投稿のツイートで
「ツイッターは党の指示ではなく私の一存で発した、私の感想を述べたもの。維新からは私には直接何も言ってきていない。私のツイッターに抗議するなら私にするべき。いずれにしても的外れな謝罪要求に応ずるつもりはない」
と反応していた。
定例会見でツイートの是非や、仮に国民民主党で同様の事態が起きた際の対応について問われた玉木氏は、「ヒトラーの話については、コメントはしません」。一般論として次のように述べた。
「私もいろんなこと言われますし、そこは政治家や政党の良識・見識にかかってるんじゃないですか?もちろん表現の自由もありますし、特に院の中で発言したことについては責任を問われないという特権が、我々国会議員に与えられています。だからこそ、その一言一言が、どういう影響を与えるのかということについては、慎重にそれを選んでいくということが私は重要だと思いますし、それも含めて最終的には選挙で評価をいただくものかな...、と」
菅氏のツイートは「相手をおとしめて何かをやっていくという政治手法」
さらに、今回のツイートのような「相手をおとしめて何かをやっていくという政治手法」は「我が党の考え方とは相いれない」として、距離を置く考えだ。
「ただ、相手をおとしめて何かをやっていくという政治手法そのものが、私は、我が党の考え方とは相いれませんし、そういう政治は結果として誰も幸せにしないと思いますので、世界の中で今、まん延しつつある、相手を強い、ときに汚い言葉で罵りながら、自らを上げていくような、そういったやり方や手法から我々は一線を画したい」
国民民主の議員が菅氏のようなツイートをした場合の対応を改めて問われると、
「私の知る限り、そういうことを言うような見識のない議員は、我が党にはいないと思ってます」
と応じた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
(J-CASTニュースより)
上記記事でウケたのは「『ヒトラーの話については、コメントしません』と言っていたのに」という見出しだ。思わず引用する時に赤字にしてしまった。玉木はコメントしたくてたまらなかったために自制できず、菅批判をブチ上げてしまった。
あまりにも、と言いたくなる玉木の軽さを思うと、つい口元に皮肉な笑いが浮かんでしまう真冬の朝なのだった。