kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

WBC準決勝で村上宗隆が逆転サヨナラ二塁打を打った

 WBCについてはこれまで何も書かなかったが、イタリア戦までの「勝って当たり前」の試合ではそもそも生中継を見ていないし、それらの試合での活躍はさほど評価する気にならないからだ。韓国戦で3回3失点のダルビッシュもイタリア戦5回途中で2失点の大谷翔平も調整十分には見えなかった。それに、強化試合で三振しまくった山田哲人や本番で格下相手に全然打てない村上宗隆からは昨年の日本シリーズ後半が嫌でも思い出された。

 しかし代表チームが渡米しての準決勝以降はメジャーリーガーの数では上回る国が相手だし今日は祝日だし、近年は日本シリーズを除いてテレビの野球の生中継もほとんど見なくなっているからたまには見るかと思って今日のメキシコ戦は見た。

 そしたらまた村上が三振ばかりだし、佐々木朗希も調子が良かったのは1回表だけで、4回には3ランを打たれるなど重い試合になった。ところが昨年の日本シリーズ第5戦でマクガフからサヨナラ2ランを打った吉田正尚が体勢を崩されながらも右手1本で同点3ランを放つ離れ業を見せた。吉田も昨年の日本シリーズは村上と同じような低打率だったが、第5戦でのサヨナラ2ランが村上との差で、今回のWBCでの活躍といい、これなら阪神の選手たちとは違ってメジャーでも活躍できるだろうと思った。井川とか伊良部とかひどかったもんな。もっとも伊良部は日本に戻って阪神に入ったのだが。オリックスの選手は古くは長谷川滋利に始まってメジャーで通用することが多いように思われる。

 試合は吉田の3ランから動き始め、8回にはそれまでの3イニングを無難に抑えてきた山本由伸が2失点して再び勝ち越されたがその裏に山川の犠牲フライで1点を返した。リクエストで判定が覆ってアウトになったものの、メキシコの選手のタッチをかいくぐる技術には舌を巻いた。

 そして9回裏。大谷がツーベースを放って雄叫びをあげ、吉田が四球を選ぶと栗山監督は吉田に代走・周東を送った。打順は4打席ノーヒット3三振の村上に回ってきたが、ついに村上が逆転サヨナラ二塁打を打った。村上のサヨナラ打はめでたいが、今回は大谷がチームを牽引しているように見える。今日も大谷のお膳立てがあったから村上が打てたというべきだろう。

 SNSでは掌を返す人たちが続出したらしいが、私は一昨年の日本シリーズのマクガフで懲りているので一喜一憂はしないように心がけている。しかしさすがに見た甲斐があったとは思った。

 ただこれで村上が吹っ切れるかどうかはまだわからない。明日のことを言っているのではなく、今年のレギュラーシーズンのことだ。

 村上の不振は昨年9月に読売の大勢から王貞治に並ぶ55本塁打を打った試合の直後からずっと続いている。山田哲人に至ってはもう数年本来の力が出せずにいる。

 これが構造的な問題でなければ良いが、何らかの構造的問題である可能性もあるのではないかと危惧するのである。

 その結果は、月末に行われる開幕戦以降に明らかになるだろう。一昨年は本拠地での阪神戦に3連敗し、昨年は京セラドームでの阪神戦に3連勝してスタートした。今年は本拠地での広島戦で開幕するが、神宮での広島戦といえば1978年と1993年が思い出される。いずれも2連戦で1978年には連勝して1993年には連敗した。しかしどちらの年にも日本一になった*1。とはいえ今年はそれほど楽観できる状態ではない。塩見泰隆は「下半身不調」で開幕に間に合わないとの話だし、肘に問題を抱えながら温存療法を選んだ奥川泰伸はオープン戦の登板もないようだから当然ながら開幕ローテーションには入らない。

 少なくとも昨年の前半戦のような独走はあり得ないだろう。一昨年のように中盤から首位争いに定着して終盤に一気にスパートできれば良いのだが、そうそう都合良くは事が運ばない可能性が高い。

 そんなわけで、2006年や2009年とは様変わりでメジャーリーガーたちを揃えたアメリカとのWBC勝戦よりも今季のスワローズの方が気になる今日この頃。

*1:相手のカープは1978年は3位だったが、開幕6連勝した1993年は9月に12連敗して最下位に終わった。昨年はそれ以来29年ぶりの開幕6連勝だったが、危うくまた最下位に終わりそうになった(5位)。山本浩二佐々岡真司という監督に問題があったと思う。新井貴浩がどんな監督になるかはわからない。