kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

コメント欄より (9/7〜9/8未明)

 今日は台風を突いて出勤しなければならない。しかし昨日かなりのコメントをいただいたのでそれらをまとめて紹介する。

 その前に一昨日(9/6)公開した下記記事にいただいた「はてなブックマーク」のコメント(ブコメ)から始める。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

脱原発や自然エネルギーの経済合理性に限った議論はもはや古い (はんわか氏) - kojitakenの日記

2つ前の記事のコメントに書いたけど、北米富裕層に代表されるライフスタイルの革命こそ、喫緊の課題だと思う。今や彼らこそ、人類の敵、地球の敵と見做すべき。(AIが反逆する寓話ももはやお伽噺にできない。)

2023/09/06 09:17

b.hatena.ne.jp

 

 ご指摘の点はトマ・ピケティが言っていることでもありますね。

 実は8月最後の金曜日夜に池袋のジュンク堂書店に行ってピケティが2019年に刊行した大著『資本とイデオロギー』(みすず書房)のやっとこさ出た邦訳を買ったのですが、あんな重厚長大な本はまとまった時間がとれなければ読み始めるにならないので当分は「積ん読」でしょう。

 

www.msz.co.jp

 

 でも以前にも弊ブログで取り上げた、少し前に文藝春秋から刊行されたピケティのフランスでの講演録があります。ピケティの自著紹介記事の邦訳が文春のサイトにあったので、以下にリンクします。

 

bunshun.jp

 

 残念ながら気候変動(地球温暖化)の話は出てきません。講演録の本にも最後の方でちょっと触れられているだけなので仕方ないか。ですが、ピケティは気候の変化が激しくなると人々も考えを変えるのではないかと言っています。私もそう思うので、はんわかさんの言う「守旧派」はじきに少数派に転落するのではないかと楽観的に考えています。てかここで諦めてしまったら待ち構えているのは人類の危機でしかないので仕方ありません。

 以下は昨日いただいたコメントより。まずは一昨日に公開した下記記事のコメント欄より。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 管見

疑問氏へ

 お経(確か法華経)に、家が燃えて退避しないと危険なのに遊びに夢中で、いくら言っても聞かない子供たちの比喩が出てきます。
「電気代で文句を言ってる環境派」などと言う人は、お経に出てくる危機感のない子供と同じですね。
地球温暖化は、「地球に優しく」とかそんなレベルの話ではない。いまそこにある危機です。
国連事務総長が言うように「地球灼熱化」の瀬戸際、人類存亡の危機。
何十年かかるかわからない核融合発電を待ってる場合ではありません。
今できることを全てやらないと間に合わない。

 原発容認とか、別の意味で人類滅亡への道でしょう。
戯論もいい加減にしてもらいたい。

 

 核融合発電なんてまだ20世紀(1980年代)私の学生時代から22世紀の技術だろうなどと言われていました。核融合なんて言い出す時点でリアリストの議論だとはおよそ思われません。

 

 昨日公開した下記記事には、珍しくかどうかコメントを多くいただいた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 管見

 私も、かつては天皇制に対して微温的な考えでした。
必要悪というか、日本で最も伝統・格式ある家系と思ってました。
でも、今は存続は無理ではないかと思います。
美智子さんにしても、雅子さんにしても、皇太子妃になって辛酸を舐めたと聞きます。
今後、皇太子もしくは皇位継承候補と結婚しようという女性は出てこないでしょう。

 女性天皇が認められたとしても、女性皇族と結婚する男性はいなくなると思いますね。
眞子さんと結婚した人も、各方面からボロカスに叩かれてたし、眞子さんは気の毒に、好きな人と結ばれるために皇籍離脱をしなければならなかった。
 妹の佳子さんも、何かにつけてチクチク言われてます。

 

 自発的に茨の道を歩みたい人はそんなにいないでしょうし、無理に連れてきてもろくなことになりそうもないとしか思えないですよね。天皇制についても、昔からの伝統を墨守する方が非現実的だろうと思います。その意味で泉健太には大局観が欠けていると私は思うんですよね。今現在の流れしか見ようとしない。だから「提案型野党」を言い出したり「維新八策」に大部分協調できるなんて言ってしまうのでしょう。あれで成功するとは到底思えませんでしたが案の定でした。

 次は問題の「疑問」氏のコメントだが、敵方の意見のサンプルとして、そうか敵もそう思っていたのかとよく納得できるものだったので以下に紹介する。

 

 疑問

枝野に排除の論理を当てはめたのが、排除の論理発言を超える小池の最大のミスであった。排除の論理発言は鳩山らが先達だが、そんなの知ってるのは詳しい人だけであるから、立憲民主党ノンポリからの同情票が発生した。これには、ノンポリ目線で、民主党系の中でも左派要素がかなり薄い枝野が代表だったこともある。そもそも党内右派議員だし。他のメンバーは露骨に日本人多数派の嫌悪する、社会党社民党にいてもおかしくない主張をする党内左派メンバーだった。あのとき、菅直人などノンポリ目線でも左翼が代表なら小沢の「未来」や「生活」党レベルの惨敗であっただろう。

枝野は排除された直後や左翼層からの立党要求にかなり右往左往したように、個別案件では左派要素もあるが、本人は保守自認もあるように排除されなければ希望の党に入っただろう。悩みに悩んだから結党も遅めだったわけで。
これこそが、立憲民主党における、積極的支持層(後に結構が共産や新選組等へ移動)と党代表の政治思想の乖離の始まりでもあるが。

 

 1996年の旧民主党結党時の「排除の論理」は、当時タカ派新自由主義者だった鳩山由紀夫が主導してさきがけの穏健保守派・武村正義の入党を拒否し、菅直人も武村が煙たかったのかどうか、これに乗っかったものだった。

 2017年の「希望の党」騒動については、それにつながった民進党代表選よりも前の同年8月2日で小池が「排除」をやらかすことを弊ブログの記事で言い当てたことを何度も自慢している通り、読みがずばり当たり続けた時期だったので思い出深い。そのあとの民進党代表選では、こたつぬこ(木下ちがや)氏は前原誠司が勝っても枝野幸男が勝っても同じだとツイート(当時)していたのに対し、弊ブログはどちらが勝つかで大違いだと言い続けた。また、当時まだ活発にネットで発言していたオザシン(のちヤマシン)の山岸飛鳥に至っては枝野をボロカスに叩いて明らかに前原を応援する始末だった。しかしこたつぬこ氏よりも山岸よりも流れを正確に予測していたのは弊ブログだった。

 小池百合子が枝野を排除しようとした時に私が思ったのは、「えっ、小池は枝野を排除してくれるの? それはラッキー」というものだった。その排除発言の直前に小池が記者会見を1日延期したことがあったが、これは小池が私の期待していた「排除」を言い出してくれるのではないかと思わせるものだったが、その予感が的中したばかりか前原が手元に押さえておきたかったに違いない枝野を「排除」したことはまさに「思う壺」の敵失だったのだ。

 あの時枝野が1日逡巡したことについても当時から今に至るまで批判し続けているが、そこは枝野の限界だから仕方がない。だから私は枝野を過渡的な指導者だとずっと位置付けていたが、2021年の立民代表選で思いもしない反動的な流れが表面に出てきたのにはいたく失望した。それは何も泉健太ばかりではなく、小川淳也サンクチュアリを押さえつつあったことも含まれる。泉が巧妙な党内工作をしていたのに対し、小川は自らの「野党共闘」への貢献などの実績で党内リベラル派に食い込んでいた。

 なお出発点が日本新党民主党時代にも凌雲会に属していた枝野に対しては私は2007年まで一貫してネガティブで、枝野を松下政経塾出身と誤認していたほどだったが、2007年に国会でキヤノン偽装請負を追及した時に初めて見直した。枝野が松下政経塾出身ではなく、凌雲会の議員の中ではリベラル派に属すると知ったのもその時だった。民主党政権時代に枝野が経団連に挨拶に行ったことを報じる下記朝日新聞デジタルの記事に、枝野と経団連との関係について少し触れられている。

 

www.asahi.com

 

 以下引用する。

 

 枝野氏は、野党時代の2007年、キヤノン偽装請負問題で同社会長を務める御手洗冨士夫経団連会長(当時)の国会への参考人招致を要求して労働問題で経済界と鋭く対立するなど、「天敵」のような存在だ。

 

URL: http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201006080321.html

 

 枝野の特徴は、根は保守派だけれども「空気が読める」人だということだ。たとえば安倍政権時代には金融緩和についても「立民が政権を取っても急に金融緩和を止めたりはしない」と言った。また最近の動画では「富裕層に負担をお願いする」と明言している*1。最初に紹介したsuterakuso氏のコメントにしてもピケティにしても、地球温暖化問題の解決には北米富裕層を頂点とした富裕層に二酸化炭素の排出を止めてもらうことが欠かせないからだ。志葉玲氏は大谷翔平の「飛び恥」を指摘したから叩かれたが、その時にダルビッシュ有にも言及していた。現在は野球のことしか考えていないであろう大谷に対し、年長のダルビッシュは社会的発言もすることで評価されている人でもある。日本のジャーナリストはダルビッシュ選手に「飛び恥」問題に関するコメントを求めてしかるべきではないだろうか。おそらくはフランスのジャーナリストがサッカーのエムバペに意見を求めたと同じように。ダルビッシュが手本を示せば大谷にも好影響を与えるのではないかと私は勝手に思っている。

 なお疑問氏のコメントで面白いと思ったのは冒頭の部分だけで、あとは論評に値しない。

 いただいたコメントの紹介に戻る。

 

 はんわか

前回、コメントを取り上げて頂いてありがとうございます。
コメントの表現がわかりにくいかと憂慮していましたので簡潔との評価に安心しました。

さて、今回の泉代表の発言と立憲の見解の差異に関するつぶやきがありましたので記事を調べてみました。

立憲:女系天皇容認、男系長子が望ましい
泉氏:(嫡男がいない場合は女系天皇容認!?)、基本は男系直系

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45958530R10C19A6PP8000/

若干の表現の差はありますが、党の見解の範囲から逸脱したものではないです。

これらの誤解の原因は、党内文書や規約、法案を基準に是非を論じるのではなく「私の中の立憲」を基準にしている点にあるでしょう。
以前の元シールズの人の愚痴の記事にしても、民主的な代表選をする制度なのに「枝野が代表じゃなきゃダメだ!」って整合性がとれないでしょう。

 

 はんわか

書いていて、立憲が内部対立を起こす理由の仮説が思い付いたので書かせてください(拝)

思想や文化的に多様な多民族国は後のトラブル防止の為に契約文書や契約概念が発達するらしいですが

同様に、思想的幅のある中堅政党以上になると契約文書にあたる綱領、規約や党の文書の攻防と尊重、契約概念がないとまとまらないのは自明です。

その点では、立憲民主党は支持者ともども日本的商習慣の政党なのかと
まあ、組織としては契約概念順守・文書主義の方向にいかざるをえないが、支持者からの突き上げを受けた議員スタンドプレーに走る感じかな

駄文失礼しました。

 

 立民の迷走は民進党時代からの左右対立というか、小沢自由党民主党に合流した頃からのリベラル、保守、「小沢」の三派鼎立(さんぱていりつ=三者が互いに対立すること)が今に至るまで尾を引いていることに起因するんじゃないかと思います。元号新選組なんかは「小沢」の外部版ですよね。最大の問題はリベラルや社民、それに共産などが「小沢」だのそこから派生した新選組だのに引っ掻き回されてしまったことで、それは立民・社民・共産のいずれにおいてもいまだに総括されていないと思います。泉健太も立民代表選で勝った時には「小沢」と組みましたし「希望の党」騒動では前原が「小沢」と組みました。2015年以降の共産党も「小沢」と組んだし、それ以前には社民党が「小沢」の衛星政党化した時期が長かったりと、「小沢」の害毒は枚挙にいとまがありません。

 

 旧立憲支持者

初めて投稿しますが、ブログはいつも読ませていただいています。
ツイッターでも度々記事を取り上げさせてもらいました。
立憲民主党の変節に驚きます。
やはり、こじたさんの言われる通り旧立憲にも問題はあったのかもしれませんし、今から思えば枝野さんの伊勢神宮集団参拝から違和感はありました。
私はクリスチャンですが、立憲にもクリスチャンはいるはずなのに、と思ったものです。
しかし、それでも、おそらく今の天皇制には軍国主義的な要素がないから支持しているのだろうな、と好意的にも見ていました。
例えば、旧立憲による女系天皇容認ですが、天皇制の根強い、枝野さんが伊勢神宮に参拝してもキリスト教会以外は非難しない今の国では、最善の策だろうな、と。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/15535

合流してからは、酷い、の一言に尽きます。
泉健太は男系継承に固執し、さらに旧民民の党員が男系固執はデマ、立憲は女性宮家賛成だと言って言う始末でした。
その党員のツイートは今検索で出てこないですが、古寺多さんの貼ったリンク先のサイトその党員による妄言が晒されていました。
https://aiko-sama.com/archives/22864
https://aiko-sama.com/archives/22870

妄言はいちいち転載しませんが、この方古寺多さんを表向き支持しつつ、ウクライナ制裁には反対ということで、民民よりもどっかの新選組の方がお似合いです。
https://note.com/tomokihino/n/n4c7d700fc543
なんでこんなのが立憲に来たのか、いや、泉が連れてきたからだな、と。

古寺多さんは旧立憲のころから枝野さんを批判されていましたが、私は枝野さんの思想はよいと思います。
かつて民主党政権のころだったと思いますが、朝日新聞がエダノミスクとマエハラノミクスとを対比させ、要は前原は新自由主義だが枝野さんは違う、と記事にされていたと記憶します。
そのころから私は枝野さんに期待していました。
枝野さんは元々新自由主義ではなく、ただ、周囲に配慮しすぎて自分の思想を押し通せないのだと思います。
もっと枝野さんの思想を純粋に反映させられる党になってほしいです。

 

 興味深いコメントありがとうございます。最後のリンクには吹いてしまいました。その方は立民で問題を起こして弊ブログのコメント欄を「出禁」にした御仁です。もろ「小沢」の人でもありますね。彼は若いながらにずいぶん立民党内の保守派に食い込んだみたいです(泉健太が連れてきたのかどうかは存じませんが)。「出禁」にしたあとの比較的最近では兵庫県岡山県の領土争いの記事で、岡山県びいきの私に文句を言っていました(私自身は両県に居住経験がありますが、兵庫県居住歴の方が長いです)。

 

 suterakuso

泉については、最近、次の記事に野党の党首にふさわしくないとブコメをつけたところでした。

立民代表、農水相に辞任求めず 汚染水発言「ブーメラン」を懸念:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023090100860&g=pol

つけたブコメは次のとおりです。

>それより松野の「記録ない」発言の方が辞任に値するだろ。でも、泉が何か言った報道も見当たらない。つくづく野党の代表にふさわしくない。

ところで、かつて野党第一党の党首を争った人物の悲惨な成れの果てを目にしました。

https://twitter.com/hosono_54/status/1699235580885008686
細野豪志
@hosono_54
「私たち一人ひとりがいつもより1000円ちょっと多く福島や日本各地の魚や貝を食べれば、日本の人口約1億2千万人で当面の損害1600億円(中国と香港への日本の水産物の年間輸出)がカバーできます」。この広告はいい。
午前10:38 · 2023年9月6日

「この広告」とは、櫻井よしこの写真が大きく載った「日本の魚を食べて中国に勝とう」とかいう意見広告です。なので、見に行くことはおすすめしません。

まあ、細野にはこの程度では今更驚かされませんが。

 

 泉健太は細野や長島昭久玉木雄一郎らがやろうとしてできなかったことを、巧みな党内権力工作で実現した人で、だから立民代表選で泉が勝った時に玉木が恐ろしく不機嫌そうな顔をしていたのでしょう。あの玉木の表情からは羨望だの嫉妬だのといった感情しか私には読み取れませんでした。

 でも、支持層のニーズと泉との軋轢が起きるのは不可避で、それが参院選での大量の表の流出や、その後今に至るまでの立民の迷走につながっているのではないかと思います。結局一番確かなデータは「全数調査」であるところの国政選挙の得票で、民意はそれで測られるものだと思っています。

 記事を書いている時点でのコメントは以上です。コメントを下さった皆様には御礼を申し上げます。

*1:こういう点では枝野は確かに吉田茂池田勇人ら「保守本流」の政治家たちと共通点があるといえるかもしれない。吉田や池田は思想信条的には保守反動といえる人たちだった。