kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

バノンが安倍晋三を「トランプより前にナショナリストが主導する政権に変えた」と絶賛

 バノンが安倍晋三を持ち上げたらしい。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42205990Y9A300C1EA3000 より

(前略)安倍晋三首相に関しては「偉大な英雄として位置付けられている。トランプ氏らより前に、先進民主主義国で初めてナショナリストが主導する政権に変えた」と持ち上げた。(後略)

 

日本経済新聞 2018/3/8 17:30)

 

 まあ今の日本が「先進民主主義国」とは思えないし、同じく到底「先進民主主義国」とはいえないロシアにはウラジーミル・プーチンという先人もいるが。それにしてもバノンなんぞを「自民党外交部会などの合同会議」*1に呼んだ自民党はとんでもない極右政党だ。

 なお、プーチン批判に絡めて安倍晋三に言及した例として、一昨日(3/7)の『広島瀬戸内新聞ニュース』のエントリを挙げておく。

 

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(前略)左派の中でも「反米」の勢い余ってプーチンを持ち上げてしまう向きもあるが、それもまずいと思う。プーチンは敢えて言えば欧州やトルコを席捲する右派ポピュリズムの流れにある。反自由主義の勢い余って、人権や民主主義をおろそかにするというパターンだ。大国の首脳で言えば、エルドアン大統領などはそうだろうし、安倍総理もそういう傾向はある。(後略)

 

(『広島瀬戸内新聞ニュース』2018年3月7日)

 

 なお、安倍晋三について「そういう傾向はある」という留保つきの評価になっているのは、実際には安倍晋三の政策は相当程度に新自由主義的だからだろう。

*1:上記日経記事の引用を省略した部分より。

安倍晋三は新元号に「安」の字は入れないよ

 今のうちに断言しておこう。安倍晋三は新元号に「安」の字は入れないよ。

 4年前の戦後70周年メッセージにさんざん「3つのキーワードを入れるか」で気を揉ませながら、結局入れたことを思い出すべきだ。

 あの時、某「自称中道」の御仁*1が、「キーワードを入れたことで右翼から批判されてますます支持率が下がる」と得意げに書いたことに腹を立てたのを今でも覚えているが、実際には「結局キーワードを入れた安倍さんって意外と常識的じゃん」と思った人が多く、メッセージの発表を境に安倍内閣の支持率は上昇へと転じた。実際より過激な行動をとると見せかけて、それよりは一見「穏健に見える」選択をすることで国民の歓心を買う。これが安倍の基本的な戦略だ。今回も、中国の古典からではなく国文学の古典から元号をとることで右翼の歓心はたっぷり買えるのだから、何も元号に「安」の字を入れるメリットなど安倍晋三にとっては何もない。

 まあ見てなさいって。今回も「『安』の字を元号に入れさせなかった安倍さんって意外とまともじゃん」と言う奴が必ずや現れるから。それこそ安倍の思う壺なんですよ。

*1:小池百合子民進党の連携に「ワクワク」したあのブロガー氏のこと。

元号法の害毒と西暦表記浸透の大きな流れ

 かつて、1970年代終わり頃から80年代初め頃にかけて、元号法の害毒というべきバックラッシュの時期があったように記憶している。

 

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 上記リンクに表記されている文章は、そもそもこれまで通帳記入に元号を使っていたという方が吃驚。

と続く。なお、みずほ銀行が預金通帳の年表示を西暦に切り替えたのは2018年10月からだそうです。

 思い出すのは昭和の昔、三菱銀行(当時)の窓口で預金通帳を作ってもらった時のこと。最初に預金した「おはじめ」の記録の表記に、確か「82-11-**」だったか、西暦の下二桁の数字が記入されていた。しかし、翌年1月に初めてATMを使った時、通帳に記入されたのは「58-01-**」という元号表記だった。これを見て、元号法の悪影響じゃないかと思ったものだ。以後預金通帳で西暦表記にお目にかかったことは一度もない。横浜銀行中国銀行(岡山)も百十四銀行(香川)も利用したが、通帳はすべて元号表記だった。

 今回は、天皇宮内庁の策略によってキリの良い数字で改元されてしまうが、次の天皇(皇太子)はともかく、次の次の天皇秋篠宮がなった場合、彼の在位年数の期待値は皇太子と秋篠宮の年齢差だろうから約6年ということになる。つまり次の次の元号はすぐに改元されてしまう可能性が高いわけで、秋篠宮のさらに次の天皇の時代になると元号の不便さは決定的になり、一段と劇的に元号が使われなくなることは目に見えている。残念ながら秋篠宮は私より若いから、元号が日常生活からほぼ駆逐されるであろう「その時代」を体験することはできそうにもないが、年若い読者の方ならその実感できるだろう。羨ましくてならない(笑)。

 元号法制定に骨を折った勢力は今の「日本会議」の前身だが、元号法の害毒は本当に大きかったけれども、結局元号はその不便さと理不尽さによって廃れていく運命にある。西暦表記の浸透こそ大きな流れだ。

 元号法のような無駄な「反動」は長い目で見れば最後には敗れ去る。その程度の「進歩史観」は私も持っている。だから少なくとも私は「保守」ではないと自己規定している。

国内景気、すでに後退局面か 「下方へ」に判断引き下げ(朝日)

 やっぱりな、という感想。以下、朝日新聞デジタルの「有料記事」から無料の部分を引用する。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM346J9RM34ULFA02V.html

 

国内景気、すでに後退局面か 「下方へ」に判断引き下げ

森田岳穂 

 

写真・図版
 

 

 景気動向指数の1月の基調判断について内閣府は7日、これまでの「足踏み」から「下方への局面変化」に引き下げた。景気がすでに後退局面に入った可能性が高いことを示す。中国経済が急減速しており、その影響が日本経済に及んだ。

 政府は1月末、景気の拡大が戦後最も長い6年2カ月に達した可能性が高い、と宣言していたが、そこまで達していなかった懸念が出てきた。

 内閣府が7日に発表した1月の景気動向指数(2015年=100)の速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月より2・7ポイント低い97・9。5年7カ月ぶりの低い水準だった。悪化は3カ月連続となった。

 指数の過去7カ月の推移などが基準に達したため、基調判断を昨年12月まで4カ月続いた「足踏み」から「下方への局面変化」へと機械的に切り替えた。

 1月より数カ月前に「景気の山」を迎え、すでに後退が始まっていた可能性が高いことを示す。中国では消費や投資が幅広く鈍っている。その影響で、中国への工業製品の輸出や輸出向けの出荷が減った。

 ただ、景気の拡大が終わったという正式な判断は、「山」を越えたとみられてから少なくとも1年ほど後までのデータも分析したうえで、内閣府が行う。

 2008年に始まった基調判断…(以下有料部分)

 

朝日新聞デジタルより)

 

 少し前から、景気が既に下降局面に入っているのではないかとの報道はあった。同じく朝日新聞デジタルの1月末の「有料会員限定記事」の無料部分より。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM1J6QPKM1JULFA02Y.html

 

実感薄い景気拡大、「戦後最長」は幻に終わる可能性も

森田岳穂 

 

 政府は29日、1月の月例経済報告を発表した。国内経済の基調判断を「緩やかに回復している」とし昨年12月の表現のまま据え置いた。この結果、景気拡大の長さは6年2カ月となり、戦後最も長くなった可能性が大きい、との認識を示した。ただ、成長率は低く、豊かさの実感は薄い。

 今回の景気拡大は2012年12月に始まり、この1月で6年2カ月。リーマン・ショックがあった08年まで6年1カ月続いた「いざなみ景気」を抜いたとみられる、という。

 ただ、賃金や消費は停滞しており、この間の実質成長率は年平均で1・2%にとどまる。「バブル景気」の5・3%や、いざなみ景気の1・6%を下回っており、景気拡大の実感は広がっていない。

 追い風になってきた海外の景気には、影が差している。

 月例経済報告は、中国経済の判断を3カ月ぶりに引き下げ、「緩やかに減速」とした。その影響で、中国への日本からの輸出が鈍っているという。

 「緩やかに回復している」としてきた世界経済については、ほぼ3年ぶりに下方修正した。「一部に弱さがみられるものの、全体としては」という文言を付け加えた。

 日本国内の景気拡大について「戦後最長になった可能性が高い」という今回の認識は、これまでに公表された各種の経済統計を分析したものだ。景気拡大の長さの正式な認定は、1年以上後になる。

■「会社守るのに必死」中小企業…(以下有料部分)

 

朝日新聞デジタルより)

 

 補正予算を組んだり今年度予算が「大型」化したり、それに勤労統計の粉飾が発覚したりなどの報道から、これは景気後退局面に入りつつあるんだろうなと思っていたし、そのことをこの日記の記事にも何度か書いた記憶がある。だから「やっぱりな」としか思えない。日常の生活感覚とも合う。たとえば、「安いクセして」などと言って安売りをウリにしている某スーパーが「テレビで話題」などと宣伝していたことにも、ああ、消費者が財布の紐を引き締めつつあるんだろうなと思ったりした。

 

 『広島瀬戸内新聞ニュース』にもこの件に関する記事が2件ある。

 

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 そうそう、大企業のリストラの報道も目につくようになった。上記記事にある通り、まずしわ寄せは外国人労働者派遣労働者にくるし、大企業より中小企業の方がもっと苦しいはずだ。

 

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 記事は、上記リンクに表示された書き出しの部分のあと、

今度は中国経済に責任転嫁をし、電撃的な消費税率凍結で参院選圧勝を狙う魂胆だろうか?
野党側は、消費税率5%に戻すことと、庶民生活を立て直す経済政策、そして財源は大手企業・大金持ちへの適切な課税という方向での訴えをすべきときだ。

と続く。確かに、朝日新聞時事通信も政府の主張通り今回の景気減速(と断言して良いだろう)を「中国経済の急減速」のせいにしているが、本当にそれだけなのかとは誰もが思うことだろう。

 私は、これは「リフレ派右派の敗北」ではないかと思う。彼らは、金融緩和さえやっていれば、それに「庶民には緊縮」の財政政策を組み合わせようが、「労働の規制改革」とやらをやって労働者を苦しめようが問題ないと言わんばかりのようにしか私には見えなかったのだが、やはり「お友達と軍事と原発と米露にはバラマキ」で「庶民には緊縮」の財政政策ではダメだったということなのではないか。金融緩和に組み合わされるべきは「庶民に対して積極財政」だったのではないかと考える次第。

 なお、「××景気超え」が幻だったと認定された先例としてすぐに思い出されるのがバブル経済で、あれが1991年3月には減速期に入っていたと認定されたのは翌1992年になってからだった。この訂正時までは「戦後最長だった『いざなぎ景気』(1965年11月〜1970年7月)を超えた」と報じられていたのが、「実は超えていなかった」と訂正されたのだ。以下、Wikipedia「バブル景気」から引く(但し「幻の『いざなぎ景気』超え」は言及されていない)。

 

バブル景気 - Wikipedia より

日本の景気動向指数でみる、景気循環における第11循環の拡大期に当たる。指標の取り方にもよるが、おおむね、1986年12月から1991年2月までの4年3か月(51か月)間を指すのが通説である(昭和天皇が吐血した1988年9月19日から翌年2月24日大喪の礼頃まで自粛ムードあり)。これは、2002年2月から2008年2月まで73か月続いた長景気(通称:いざなみ景気、かげろう景気など)や1965年11月 - 1970年7月の4年9か月の57か月続いたいざなぎ景気に次いで第二次大戦後3番目に長い好況期間となる。

バブル以前の1985年プラザ合意直後の日本は円高不況と称された深刻な不況であり、輸出産業が大打撃を受け、東京や大阪などの町工場には倒産が続出していた。当時の日本のGDPに占める製造業比率は高く(現在は18%程度)、円高が輸出産業、ひいては日本経済に与えたダメージは現在と比較にならないほど大きく、製造業の日本国外への流出もこの時期に本格化した。内需拡大の掛け声とともに、平成元年に所得税国税地方税を合計した最高税率が88%から75%に引き下げられ、富裕層を中心に手取り収入が最大2倍近く増えたことがバブル景気を後押ししていた。円高不況という文字がメディアから消え、多くの一般の人がいわゆるバブル景気の雰囲気を感じていたのは1988年頃から1991年2月のバブル崩壊以降少し後までの数年である[要出典]

日本のバブル崩壊による深刻な経済問題が表面化するまでには数年の時間を要し、当初は一時的な景気後退として楽観論が大勢を占めていた。1992年には政治的に宮沢喜一などが公的資金投入による早期の不良債権処理を言及しているが、官庁マスコミ、経済団体、金融機関などからの強い反対に遭い実行に至らなかった。バブル崩壊と同時に1973年より続いてきた安定成長期は終焉を迎え、その後20年以上にわたる長期不況(失われた20年)などの引き金となった。

 

 上記の文章中にある「その後20年以上にわたる長期不況(失われた20年)」が民主党政権終焉時の2012年までを指すのか、それとも現在までを指すのかは不明だが、なんとなく2012年までを指すかのような印象操作がされているように思われる。しかし、このエントリの2番目に引用した朝日新聞デジタルの有料記事の無料部分にある通り、現在の(実質的には少し前までの)景気拡大期の実質成長率は、「いざなみ景気」とやらより低いのだから、「いざなみ景気(かげろう景気)」を長期不況期に含めるのであれば(「失われた20年」というからにはそのように認定されていることになる)、現在もバブル崩壊後の長期不況期が続いていると認定しなければ筋が通らない。

 それから、

内需拡大の掛け声とともに、平成元年に所得税国税地方税を合計した最高税率が88%から75%に引き下げられ、富裕層を中心に手取り収入が最大2倍近く増えたことがバブル景気を後押ししていた。

とある通り、竹下登政権はバブル景気期に「火に油を注ぐ」トンデモ財政政策をやっていたわけだ。田中信一郎は、松尾匡が唱道する「薔薇マークキャンペーン」の政策だと好況期になれば富裕層減税が行われる、などととんでもないデマというか言いがかりをばら撒いていたが、それこそ竹下政権がやらかしたトンデモ政策なのであって、左派側から提案された政策がそんなものであるはずがない。

 ここで田中信一郎の名前を出したが、景気減速期に入った可能性が濃厚になった現時点で、いわゆる「民進クラスタ(あるいは旧民主クラスタ)」が財政政策を「時代遅れのケインズ政策によるバラマキ」みたいな「究極の逆噴射政策」を言い募るようでは*1、そんな人たちに支えられた立憲民主党(や国民民主党自由党)に投票するくらいなら自民党(安倍政権)の方がまだマシだと考える有権者が多数を占めて、経済失政を犯した安倍政権が参院選なり衆参同日選挙なりに圧勝し、延々と第7次内閣くらいまで安倍政権が続くという悪夢だって到来しかねない。

 「民進クラスタ(あるいは旧民主クラスタ)」の人たちにはいい加減目を覚ましてもらいたい。

*1:今回の「薔薇マークキャンペーン」に関するTwitterの議論を眺めていて、本当にそんな言い方をする「民進クラスタ」の声の大きな人間がいて、その意見に少なからぬ良心的な人たちが靡いていくのを見て、大きなショックを受けた。2000年代後半に「反貧困」の気運が盛り上がって新自由主義経済政策が盛んに批判されたものだが、その時期を経てもまだ「小泉・竹中の『構造改革』」的なドグマがこんなに生き残っているとは、と仰天した次第。

立憲民主党が「トンデモ極右政治家」藤田幸久を入党させて「参院の野党第1会派」に(呆)

 立憲民主党(以下立民)がトンデモ極右政治家である藤田幸久を引き抜こうとしていた件だが、国民民主党(以下民民)が藤田を除籍するとともに立民が藤田の入党を発表し、立民が参議院の「野党第1会派」とやらになった。以下、昨日(3/6)の朝日新聞デジタルより。

 

https://www.asahi.com/articles/ASM364DRKM36UTFK00C.html

立憲、参院の野党第1会派に 国民の藤田氏が移籍で

 

 国民民主党は6日の総務会で、立憲民主党への移籍を希望して離党届を出した藤田幸久参院議員を除籍処分にした。近く藤田氏の会派離脱手続きを取る。藤田氏は立憲会派に移籍する見通しで、国民は野党第1会派の座を譲ることになる。

 藤田氏は参院選茨城選挙区(改選数2)で国民公認が内定していたが、1月24日に国民に離党届、立憲に入党届をそれぞれ提出。国民が離党を認めず、1カ月以上も国民に留め置かれていた。藤田氏が立憲に移籍すれば立憲が28人となって野党第1会派となり、委員会の野党筆頭理事も立憲が占める見通し。

 国民は6日の総務会で、元東京都議の塩村文夏(あやか)氏の除籍処分も決定。塩村氏は次期衆院選広島3区の国民公認候補に内定していたが、今夏の参院選東京選挙区(改選数6)に立憲公認で立候補する意向を表明した。

朝日新聞デジタルより)

 

 藤田幸久は悪名高い「9.11陰謀論者」であり、しかも極右だ。従来は、むしろ「9.11陰謀論者」仲間の多い「小沢信者」界隈でもてはやされていた政治家でもある。参院の野党第1会派に執着する立民はこんな劣悪な議員まで引き抜いた。これではアントニオ猪木を民民会派に引き入れた小沢一郎と全く変わらない。

 藤田幸久の「一本釣り」など、参院の野党第1会派という名をとって実を捨てた愚行としか言いようがない。このところの立民の堕落ぶりは目を覆うばかりだ。

アメリカは単位系と特許では世界の「後進国」

 小説もそうだけれど、メートル法というと国際単位系(SI)の話につながっちゃうんですよね。

 

sumita-m.hatenadiary.com

 

 以下、上記リンク先「はてなブログ」記事から引用。

 

実は世界で頑なにメートル法に抵抗している国がある。英国や米国。長さは、cmやkmじゃなくてインチやフィートやマイルだし、重さはgやkgじゃなくてオンスやポンド*2だし。

 

 インチやフィートやマイルは誰でも聞き覚えはあるでしょうけど、昔、1960年頃のアメリカの企業が日本に出願した特許公告公報で「ミル」という表記を見かけた時には、最初「ミリメートル」の間違いかと思いました。ところがミリメートルだとすると辻褄が合わないので調べてみたら、1 mil = 0.001 inch = 0.0254 mm だったのでした。

 一方で、1マイルが約1.6キロメートル(正確には 1.60934 km)であるのは四半世紀ほど前に2か月間アメリカにいる時に、長期出張の相棒が運転する車のメーターを見ながら、「80マイルか。ってことは144km/hだな」などと換算していた記憶があるので頭に入っていますが、1.60934を0.0254で割り算してもキリの良い数にならないので、いったい米英の単位系はどうなっているのかなどと思ったものです。もっとも、日本や中国の伝統的な単位系でも同様の例はあったような気がしますが。

 メートル法の本家本元のフランスも自国へのこだわりが強い国とのイメージですが、長さの単位では国際標準になりました。ただアメリカという国は、特許制度でも国際標準への対応が遅れたどうしようもない後進国で、公開制度に移行したのが2000年頃だったかと思います。1991年頃にNHKスペシャルで放送された『電子立国 日本の自画像』で、アメリカのサブマリン特許に悩まされる日本企業の姿が描き出されていた印象を強く持たれる方も少なくなかろうと思いますが(数年前に「鍋ブログ」で知り合った技術系会社員の方とリアルでお話しした時にもそういう話が出たことを思い出します)、今ではあんなことはもうありません。でもアメリカがああいう傍迷惑な制度を長年続けていたせいで、特許の世界ではヨーロッパ(特にドイツ)が権威とされていて、欧州特許庁の権威の前には日本の特許庁もひれ伏す一方、アメリカの特許庁は今でも日欧から見下されているようです。アメリカは単位系と特許の世界では、和製英語でいうところの「グローバル・スタンダード」から大きく立ち後れた後進国だってことです。

 なお日本の特許庁は、城山三郎の小説『官僚たちの夏』の主人公のモデルになった佐橋滋が特許庁長官を務めた頃*1に日本の特許庁が近代化されたことを、『官僚たちの夏』及び同書を読み終えたあとにかけたネット検索で知りました。確か、アメリカより30年早く始まった日本の公開特許制度の導入にも佐橋がかかわったのではなかったかと。あと特許庁に人も金も引っ張ってくる剛腕もあったらしく、今でも特許庁では佐橋滋は伝説的人物とされてるんじゃないかと想像しています。ってことで、1950年代後半の小説中に尺貫法の単位が出てきた城山三郎の小説に話をつなげて、今日のエントリはここまでにします。

 

官僚たちの夏 (新潮文庫)

官僚たちの夏 (新潮文庫)

 

 

*1:佐橋滋はのち通産事務次官になったが、現在の経産省でも「上がりのポスト」といわれる特許庁長官経験者が事務次官になった例は佐橋が2例目で、かつ佐橋以降には誰もいない。一昨年(2017年)に特許庁長官に就任した宗像直子も事務次官にはならないだろうと思われる。

二階俊博、次期都知事選で小池百合子を推すと公言。一方、某御仁は「自民が小池支持なら対抗馬を擁立も」だって(呆)

 早いもので、アメリカ大統領選もそうだけれど、前回の東京都知事選からもう3年が経とうとしていて、来年には次期の選挙が行われる。で、二階俊博小池百合子の支持を公言して話題になっている。これに関するツイートを拾った。

 

 

 3年前、小池百合子が当選した前後の、共産党やその支持者を含むリベラル・左派・左翼の小池に対するすり寄りぶりは醜悪の一語に尽きた。小池百合子民進党蓮舫)との連携に「ワクワク」した旧民主党支持系「リベラル」の御仁もいれば、某所では小池讃歌を延々と歌い続け、旗色が悪くなると某所で発言すること自体を止めてしまった共産党支持の法曹関係者もいた。さらには、2017年の新春のことばで小池にすり寄った某区選出の共産党都議もいた。この人は、2000年代に3度に渡って衆議院選挙の某選挙区から共産党公認で立候補したこともある都議の大物だ。

 そして、彼らにも増してどうしようもない醜悪の極致が、「小池が自民党に推されるなら対立候補を立てる」などと抜かしたらしい下記の御仁だ。

 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019030501051&g=pol

都知事選、対抗馬擁立も=自由・小沢氏、自民が小池氏支持なら

2019年03月05日18時27分

 自由党小沢一郎代表は5日の記者会見で、来年夏の東京都知事選をめぐり自民党二階俊博幹事長が小池百合子知事の再選支持を表明したことに関し、「自民党が支持するということであればとても良いことで、野党としてもっと立派な候補者を立てたらいい」と述べ、対抗馬擁立に言及した。(2019/03/05-18:27)

時事通信より)

 

 上記時事通信の記事の見出しに「自民が小池氏支持なら」と書かれているところが笑える。小池を自民党が担がないのならこの御仁は対抗馬を立てないかもしれないと示唆しているからだ。事実この御仁は、一昨年の「希望の党」設立劇に深く関与したあげく、小池に切り捨てられてしまった。そのことへの反省はこの御仁には一切見られない。

 とうとう「原発再稼働容認」にまで舵を切ったこの御仁。山本太郎はいつまでこの御仁について行くのだろうか。

 そういえばこの御仁、二階俊博とは結構長い間同じ政党にいたのだった。二階は正真正銘の自民党国会議員だが、この御仁も「自民党の補完勢力」以外の何物でもあるまい。