私は浦沢直樹の漫画が好きで、特に『YAWARA!』、『MASTERキートン』、『MONSTER』の3作品にはずいぶんはまった。しかし、『20世紀少年』は冗長に思えてあまり楽しめなかった。
浦沢直樹の漫画には、手塚治虫の影響が強く、浦沢の『PLUTO』は手塚治虫の『鉄腕アトム』を直接下敷きにしたリメイク作品だが、現在雑誌連載中の『BILLY BAT』の第2巻*1を一昨日読んで、この作品もまた、手塚治虫の『火の鳥』を下敷きにしていることに気がついた。
- 作者: 浦沢直樹,長崎尚志
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: コミック
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当エントリの本題ではないので、どこがどう『火の鳥』を下敷きにしているかについては述べないが、ネット検索をかけてみると、NHK-BSで『マンガ夜話』をやっている人たちはさすがに気づいていたようで、昨年11月に岡田斗司夫が指摘していた。
岡田斗司夫のゼネラル・プロダクツ:『BILLY BAT』は『火の鳥』仮説
さて、ここで話は手塚治虫に飛ぶ。現在の売れっ子漫画家・浦沢直樹に強い影響を与える手塚治虫は、死後20年経っても人気が衰えない巨匠だが、手塚の問題作『MW』(「ムウ」と読む)が昨年映画化されたらしい。
これは、1976年から78年にかけて、『ビッグコミック』に連載された作品だが、私は1984年に読んだ。そして、その少しあとに、テレビで沢田研二主演の映画『太陽を盗んだ男』を見た。
たまたま、『宇宙戦艦ヤマト』の方が問題だと思った - Living, Loving, Thinking, Again を読んで、『太陽を盗んだ男』を思い出し、そういえば、あの映画は手塚治虫の『MW』によく似ていたなあと思い出したのだ。『太陽を盗んだ男』が『MW』よりあとの作品だということは、もちろん当時から知っていた。
前述のように、浦沢直樹の『BILLY BAT』から手塚の『火の鳥』を思い出していたこともあって、『MW』と『太陽を盗んだ男』を検索語にしてネット検索をかけたところ、『MW』が映画化されていたことを知った次第だ。
やはり両作品の類似を指摘したサイトはあったが、なんと手塚治虫が『太陽を盗んだ男』に影響されたかのように書いている人たちがいた。
例えば、http://ohtani.laff.jp/blog/2009/03/mw-6e99.html より。
「MW」の映画がR-15にならないなら、その時点で手塚治虫を理解してない証拠さ。
違う違う、逆だよ逆! 『太陽を盗んだ男』の方が『MW』の影響を受けたんだよ!!
- 作者: 手塚治虫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1993/01/11
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