比例定数削減を叫びながら、少数政党との連携を追求する総理・幹事長 : 広島瀬戸内新聞ニュース（社主：さとうしゅういち） より。
あまりにも、お粗末すぎる。
菅直人総理は、国会議員定数（とくに比例定数削減）を、党内で八月中に、そして、年内に与野党合意するように、指示すると、先月末に異例の記者会見で表明しました。
参院選で、大敗したあと、少数政党との是々非々での協力をしていくことになるのは当然。
しかし、少数政党とは、国会議員定数削減を掲げるみんなの党も含めて、比例定数削減には反対です。
それはそうだ。党の存立に関わることですから。今の民主党執行部は、片手でピストルをつきつけ、片手で握手の手を差し伸べている。
誠に矛盾しています。いったい、何がしたいのか？
確かにそうだ。
毎度書くように、国会議員定数削減は、小沢一郎や鳩山由紀夫も執念を燃やしていたから、今はやりの「小沢対反小沢」の対立構図でも批判されることはなく、自民党やみんなの党も比例区削減には反対しているものの議員定数削減自体は推進派だから、この件で菅首相を批判する議論はさほど起きていない。
だが、だからこそ当ブログはこの件で菅首相を叩く。「片手でピストルをつきつけ、片手で握手の手を差し伸べる」のは大政党の驕りだ。昨年までの自民党の姿を、今民主党はさらしている。
思えば、同じことを普天間基地移設問題でやったのが鳩山由紀夫前首相だった。社民党にとって絶対譲れない線を強硬に押しながら、一方で連立にとどまってくれという姿勢を、鳩山前首相は示した。社民党の福島瑞穂党首がこれを拒否して連立を離脱したのは当然だったが、あの時鳩山由紀夫がやったのと同質のことを、今菅直人がやっている。
その鳩山由紀夫が、今、民主党代表選のキャスティングボートを握っている。もちろん醜態をさらした本人が出ていくわけにはいかないから、派の候補で戦うか、それとも菅体制に深く食い込む形で菅直人を支持するか、鳩山の腹一つで政局は変わる。
それに伴って、鳩山政権低迷の元凶だった、あの無能な平野博文が何やら叫んでいるが、こんなのを見ていると鳩山一派にも何も期待できないことは明らかだ。旧民社の害毒。
だが、そんな旧民社の人たちに論戦で勝てないようでは、菅直人が党代表選に敗れて短命に終わっても仕方ない。もともと、3か月後に再度代表選があることを承知の上で、菅直人は代表選に立候補したはずだ。
一昨年の小沢一郎は、「剛腕」をもって対立候補が立つのを抑え、無投票で代表選に再選された。西松事件で自ら退陣する時にも、電光石火の代表選を行い、鳩山由紀夫以外の候補につけ入る隙を与えなかった。
これも、2000年に小渕恵三が倒れたあとの対処を思い出させる、自民党的なやり方である。いや、むしろ自民党の方が、2008年の総裁選で党をアピールしようとした。その時には、「NHKのコマーシャル事件」もあったし、山本一太だの棚橋泰文だのといった売名屋が現れて不愉快で、あれでは逆効果だと思ったが、それでも党内の議論を封じる小沢一郎よりはよほどマシだと思った。
「開かれた政党」であることが、民主党が自民党よりマシだといえる、数少ない理由の一つだと思っていたが、それさえ示せないようでは、民主党が自民党と違うところは何一つないと言われても仕方ないだろう。
