kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小沢一郎の改憲論にも全く賛成しないが、平沼赳夫や城内実は論外だ

ウィキリークスで流出した情報の中に、民主党政権が打ち出した武器輸出三原則の緩和が、アメリカの圧力によるものであることを暴露したものがあった*1。今朝のTBS『サンデーモーニング』で岸井成格民主党政権に批判的な口ぶりでこれを紹介していた。

どうもこの岸井成格という男の立ち位置はよくわからない。この件で政権を批判する立場をとるのは理にかなっていると思うけれど、それならかつて現政権よりはるかに極右的な安倍政権をなぜ岸井が擁護していたのか、さっぱり理解できないのである。憶測できることはあるけれど。

岸井のことはともかく、鳩山内閣時代からずっと防衛大臣を務めている北澤俊美以下の民主党政府が、アメリカの意を受けて武器輸出三原則緩和に動いたことは間違いない。

北澤俊美は、自民党を出発点として、羽田孜と行動をともにして新生党から新進党、太陽党、民政党を経て民主党入りした人物で、小沢一郎羽田孜新進党党首選を争ったいきさつから、小沢一郎とはやや距離があるようだが、もとは自民党系の政治家であり、民主党でも右派に位置づけられる。こんな人間を防衛大臣に任命した鳩山由紀夫菅直人の責任は重い。親小沢だろうが反小沢だろうが民主党はダメ、と言わざるを得ない。


ところで、「きまぐれな日々」の下記記事に、いまさらのように批判コメントを寄せた人間がいた。
きまぐれな日々 与謝野・平沼新党を批判できない「リベラル・左派ブログ」の恥


私は、原則として批判コメントでも議論につながるものは承認することにしているが、古いエントリへの批判コメントは、誰も読まないから議論にならないので削除している。下記コメントも削除したが、内容が示唆的なので、ここに晒しておく。

日付:10/12/03
名前:アトランダム


自主憲法制定はある意味では当たり前のことです。詳しくは、「小沢一郎 憲法解釈」(検索して)参照してください。


この検索語でググって出てくるのは、小沢一郎の公式ウェブサイトに今も掲載されている、小沢一郎改憲論である。自由党時代の1999年に雑誌に発表したものだ。
http://www.ozawa-ichiro.jp/policy/04.htm


馬鹿馬鹿しい。小沢一郎が自らの改憲論を今でも公式ウェブサイトに載せていることは、以前当ブログでも書いたことがある。当ブログは、そんな小沢一郎を支持するものでは全くない。

現在では、集団的自衛権の政府解釈を変更すべきだとする解釈改憲論に転じた小沢一郎だが、上記の文章を公式ウェブサイトに掲載していることは、小沢の本心を表すものだ。

その改憲論の中で、小沢は「占領下に制定された憲法は無効」とする一項を設けている。

つまり、小沢だって自主憲法制定論を唱えているではないか、と「アトランダム」は言いたいらしい。

だが、小沢一郎改憲論と、「きまぐれな日々」で批判した平沼赳夫(や城内実)の改憲論は全然違う。平沼や城内が目指すのは、明治憲法への復古であり、平沼よりもさらに過激な右翼である城内実のごときは、教育勅語がある以上、教育基本法の改正は無意味だとかつて言い放ったことがある。

私は、小沢一郎改憲論にも全く賛成しないが、平沼や城内の自主憲法制定論は論外であり、両者は区別しなければならない。

そもそも、平沼や城内は、「憲法改正ではダメだ、自主憲法でなければならない」と主張している。それに対して、小沢一郎は下記のように書いている。

ここで私なりの「憲法改正の考え」を発表し、出来るかぎり自由な発想による憲法論を展開して、国民の冷静な判断を仰ぎたい。

つまり、小沢一郎が主張するのは、あくまで「憲法改正論」なのだ。よく、小沢一郎は筋の通った改憲論者だと言われるが、その通りだと思う。

私は改憲論者ではないから、小沢一郎の考えには賛成しないが、敵なりに筋が通っているところだけは評価する。最初から宗教がかった復古的な国家主義を目指す平沼赳夫城内実を擁護したいらしい「アトランダム」が、小沢一郎を持ち出す低能ぶりには、呆れ返るほかない。