kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「小沢一郎の『マニフェストを守れ』とは『原発推進政策を守れ』という意味だ」と神戸大学・上脇博之教授が指摘

民主党代表選の情勢だが、第1回投票で海江田万里の1位は確実、2位を野田佳彦前原誠司が争う展開らしい。前原が立候補を表明した時には前原圧勝で決まりかと思ったが、前原の「後出しじゃんけん」の姑息なやり方が野田陣営の猛反発を買い、「菅降ろし」をやられた菅グループも「敵の敵は味方」の論理で野田を支援し、それどころか仙谷由人や前原らと一緒に「菅降ろし」をやった岡田克也までもが野田支持に回ったため、2位争いが熾烈になっているらしい。

今回の民主党代表選に対して、神戸大学の上脇博之教授が痛烈な批判のブログ記事*1を書いている。その中から、「3.原発推進小沢一郎・元民主党代表の政治資金集めと期待できない政策選挙」の部分を引用、紹介する。

原発推進小沢一郎・元民主党代表の政治資金集めと期待できない政策選挙

  1. 小沢一郎・元民主党代表は、2007年の党代表時代に、原発について、より積極的な方向に党の政策を転換した責任者である*2
  2. だから、小沢氏らは、前述したように自民党らの提出した内閣不信任決議に賛成する動きをしたり、「脱原発依存」を主張する菅首相を退陣に追い込んだのだろう。
  3. この点で、注目されるのは、東日本大震災で延期されていた政治資金集めのパーティを、原発について推進論で有名な評論家の副島隆彦氏を講師に招いて、今月17日に開催したことである。定期的に開催しているとはいえ、この時期に政治資金パーティーを開催するのは、衆議院解散総選挙の可能性もにらみ、かつ民主党代表選や来月の刑事裁判の判決も意識したものだろう。
  4. 本日告示された民主党代表選(これについての詳細は別の機会に取り上げる)で、最終的に誰が菅氏の後任に選出されるのか、わからないが、これまでの主導権争いを見れば、決して「脱原発」に向かわないだけではなく、菅氏の「脱原発依存」でさえ、さらに後退するだろう。
  5. また、民主党代表選挙で、小沢氏らの勢力の投票がそれに決定的な影響力を及ぼし、同勢力が、今後の党運営や政権運営に重要な役割を果たすようであれば、新政権は再び「政治とカネ」問題を抱えることになる可能性が高い。9月26日に小沢氏の元秘書ら3名のうち1人でも有罪判決がくだされれば、小沢氏の自らの法的(刑事)責任の有無とは別に、小沢氏の政治的責任(監督責任)が再び問題になるからだ。
  6. ところで、小沢一郎氏は今月上旬、マニフェスト見直しを容認していた*3。これは、表向き「衆参における国会のねじれ」を意識したものということなのだろうが、私から見ると、「ねじれ」の前から、それどろこか、小沢氏は政権交代後まっ先に最も重要な政策の一つである企業・団体献金の全面禁止を反故にし、平然とマニフェスト破りをやっていた*4
  7. それゆえ、小沢氏の「マニフェスト堅持」の主張は、わかりやすく言えば、現時点では「原発推進」堅持にしか受けとめられないし、また、今後を見据えても、旧自民党流の利益誘導型のバラマキ選挙を行い次の総選挙でも勝利し、財界の主張する新自由主義や、さらなる解釈改憲を強行するための方便にすぎないのだろう。
  8. 小沢氏らは、代表選で、「反小沢」色の一番強い前原誠司氏への反発から、脱原発」に最も消極的な候補者の一人である海江田万里氏を支持するようだ*5 *6
  9. これでは、政権交代後の民主党代表選にふさわしい政策選挙が代表選で繰り広げられるのか、甚だ疑問だ。


そもそも当面の菅首相退陣と民主党代表選には賛成できない。
民主党はますます自民党化するだけだからだ。


たとえ代表選がやむを得ないとしても、せめて9月26日の判決後にして欲しかった。

(引用に際し、体裁を一部変更し、新聞記事の引用はURLのリンクに代えました。また勝手ながら一部の誤記を訂正しました)


概ね妥当な見解なのではなかろうか。特に、小沢一郎が企業・団体献金の全面禁止を反故にした件については、今朝起きる直前、布団の中で「小沢はマニフェストマニフェストと言うけれど、そういやそのマニフェストに含まれているはずの企業・団体献金の全面禁止の件は何も言わないし、小沢信者はおろかマスコミも全然指摘しないなあ」と気づいたばかりだった。それでネット検索をかけてみたら、さっそく上脇教授が昨日書いたブログ記事に行き着いたというわけだ。

民主党代表選は、私の見通しに反して小沢一郎のもくろみ通りに進んでいるように見える。それに関しては稿を改める。