http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111022-OYT1T00190.htm
野田降ろしにならない?TPP慎重派に温度差
民主党が21日、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加の党内論議を11月2日までに終える方針を固めた背景には、「反対論者の多くは、党内を混乱させてまで、野田首相を追い詰めないのではないか」との読みが執行部内に出てきたことがある。
執行部は「交渉参加」で党内をまとめ、すでに参加の意向を固めた野田首相を支える方針だ。
党執行部は、反対派の中でも山田正彦前農相ら強硬論者に矛を収めてもらう策を練っている。27、28日の両日を「経済連携プロジェクトチーム」の「議員間議論」の日とし、終日かけて意見を聞くのも、党内論議を尽くす必要があると考えているためだ。
今のところ、山田氏らは反対姿勢を弱めようとしていない。山田氏が率いる議員連盟「TPPを慎重に考える会」が21日、国会内で開いた総決起集会には、同党議員を中心に約120人が参加。事務局は、反対署名が民主党の194人を含む212人にのぼったと発表した。山田氏は集会後、記者団に「署名はもう少し集まりそうだ。事実上、党内の3分の2が(TPPに)慎重だと思う」と胸を張った。
一方、党執行部の見方は異なる。執行部の一人は「TPPに命がけで反対するような議員は、そう多くはない」と見る。
実際、反対署名に名を連ねたある民主党参院議員は、読売新聞に対し、「野田首相が最後に交渉参加を決断すれば、従う」と語った。別の中堅衆院議員は「署名した覚えはない」と述べた。山田氏らは今年初めから署名を集めているため、反対派の中にも、現状では「温度差」があるわけだ。
民主党の輿石幹事長は21日、国会内で自動車総連幹部らから陳情を受けた。TPPをめぐる党内対立の動きを心配する組合に対し、輿石氏は「運動会で赤と白に分かれて綱引きをやっているわけではない。TPPをやらなければいけないことは、誰もが分かっている」と語り、党内は最後はまとまるとの見方を示した。
民主党内最大勢力の小沢一郎元代表グループも、元代表本人が自由貿易そのものには賛成のため、表だって反対活動に加わっていない。小沢グループ幹部は「TPPで『野田降ろし』にはならない」と話す。
(2011年10月22日09時50分 読売新聞)
民主党内最大勢力の小沢一郎元代表グループも、元代表本人が自由貿易そのものには賛成のため、表だって反対活動に加わっていない。(笑)