kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

読売の6選手の巨額契約金、1面トップにするほどの記事か?(朝日)

こんなのが朝日新聞(3/15)の1面トップ記事。タグの「これはひどい」は朝日と読売の双方を指す。


http://www.asahi.com/national/update/0315/TKY201203140797.html

巨人、6選手に契約金36億円 球界申し合わせ超過


 プロ野球読売巨人軍が、球界で申し合わせた新人契約金の最高標準額(1億円プラス出来高払い5千万円)を超える契約を多数の選手と結んでいたことが、複数の関係者証言と朝日新聞が入手した内部資料から明らかになった。14日現在で確認できたのは、1997〜2004年度に6選手と結んだ計36億円の契約で、このうち計27億円が最高標準額を超過する内容だった。

 読売巨人軍朝日新聞の取材に対し、「個別の選手の契約は申し上げられない。標準額は07年までは上限ではなく、超えても構わないというのがプロ野球全体の理解のはず。ルール違反ではない」と話している。

 超過額の契約が判明したのは、高橋由伸上原浩治(現大リーグ)、二岡智宏(現日本ハム)、阿部慎之助内海哲也野間口貴彦の6選手。

 プロ野球では93年のドラフトから、社会人と大学の選手が入団する球団を選べる逆指名制度を導入。これに伴い、球団間の争奪戦で契約金が高騰するのを避けるため、新人選手の契約金の最高標準額を1億円と12球団で申し合わせた(翌年から1億円プラス出来高払い5千万円)。

 巨人軍の複数の内部資料や関係者証言によると、97〜00年のドラフトの逆指名制度と、01〜04年の自由獲得枠で入団した選手のうち6選手について、最高標準額を超過する契約金額となっていた。

 最も高額なのは、阿部選手(00年ドラフトで入団)の10億円。野間口選手(04年)は7億円、高橋選手(97年)は6億5千万円、上原選手(98年)、二岡選手(同年)は各5億円、内海選手(03年)は2億5千万円となっている。このほか、上原選手には退団時の功労金1億2千万円、二岡選手には退団時の功労金7千万円と別の出来高払い3千万円も支払う契約となっていた。

 6選手の契約では、1億5千万円を超過する金額について、複数年にまたがって分割払いするとし、各年の出来高条件の一部をクリアした場合に支払われるとされていた。複数の巨人軍関係者によると、巨人軍にとってこの出来高払いは税務上、契約金の分割払いとみなされ、通常の出来高払いとは違う会計処理をしていた。各選手も税務申告する際、契約金の一部であることを明らかにしていた。国税当局も税務調査などでこうした内容を把握しているという。

 最高標準額を超過した契約金をめぐっては、横浜(現DeNA)が、04年に自由獲得枠で入団した那須野巧選手に5億3千万円の契約金を支払っていたことが07年に発覚。西武も同年、選手15人に対し最高標準額を上回り、計11億9千万円(超過額)を支払っていたと公表した。プロ野球を統括する日本野球機構は、これらの行為について厳重注意処分とした。今回判明した巨人軍の契約の中には、これらと同時期に結ばれていたものもある。

     ◇

 〈契約金の最高標準額〉 新人選手の契約金についてのプロ12球団の申し合わせ事項。球界の憲法にあたる野球協約では触れられず、超過に対する罰則はなかった。ただ、07年に西武と横浜で最高標準額を超える契約が発覚した際、当時の根来泰周コミッショナー代行は両球団を厳重注意とし、「申し合わせに反するとして制裁を科すことは適当でないが、野球協約第194条にいう『野球を不朽の国技とし、利益ある産業とする目的』に抵触する疑いがある」と西武に通知している。逆指名制度は01年から自由獲得枠、05年から希望入団枠と名称を変え、07年に廃止された。07年10月、12球団は契約金の上限を1億円と出来高払い5千万円で合意し、破った場合は制裁を加えることを決めた。

朝日新聞デジタル 2012年3月15日0時54分)


ここで名前の挙がっている6選手のうち、内海哲也野間口貴彦を除く4選手は前世紀末の第2期長嶋茂雄監督時代に読売が獲得した選手。読売の金権体質が球団史上でももっともひどかった時代であり、あの頃の読売の金権補強に対しては、当時今とは違ってテレビのプロ野球中継を見る習慣のあった私は激怒していたものだった。特にヤクルト入りを希望していると伝えられた高橋由伸が読売を逆指名した時(1997年)には怒り心頭に発した。翌年も、上原は阪神または読売、二岡は広島を希望と伝えられていて、阪神タイガースの公式ページの掲示板(昨年閉鎖された)を見ると、上原だけではなく二岡も阪神入りするのではないかとの希望的観測をもっていたトラキチの投稿であふれ返っていたが、蓋を開けてみたらともに読売を逆指名。トラキチたちが怒り狂ったことは言うまでもない。当時の読売の金権補強ぶりは現在の比ではなく、彼らに巨額の契約金が渡っていたと報じられても、当時を知る人間からすれば今さらなんの驚きもない。そんなの当たり前だろ、なにこんな暇ネタを1面トップで報じてるんだ、そんなことより橋下徹原発再稼働に向かって狂奔する「野ダメ」(野田佳彦)を批判する記事を載せろよと言いたくなる。

ところがこの件を朝日は大々的に扱っていて、社会面にも「選手『ノーコメント』 巨人との契約 6人語らず」、「『標準額 上限ではない』 球団社長ら一問一答」といった見出しが並んでいる。まるで外交に絡む密約文書でも新発見されたかのような騒ぎ方だ。だが私は覚えているのだが、読売を逆指名した時の高橋由伸は記者会見で不機嫌そのものだった。当時、巨額の契約金に目が眩んだのは高橋の父親だったと言われていた。それで意中の球団に入り損ねた高橋は不機嫌だったというのだ。翌年の二岡も金銭的な条件が同じであれば、地元・広島でプレーしたかったのではないか。それらを考慮すれば、いまさら選手にインタビューしても責任追及にはならないと思える。

むしろ、朝日が問い質すべきはナベツネであり、ナベツネにしょっちゅうねだりものをしていたという長嶋茂雄ではなかろうか。野茂英雄が渡米して大活躍していた頃(90年代後半)、長嶋がナベツネに「ドジャースほしい」とおねだりして、さしものナベツネも「ドジャースは買ってあげないよ」と答えている漫画があって大笑いしたものだ。

ナベツネ長嶋茂雄を撃たずしてプロ野球・読売球団を撃つことなどできるはずがないと考える次第。それさえもできていない記事を1面トップに持ってくる朝日は、バッカじゃなかろかルンバ♪