kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

98年サッカーW杯に金を賭けていた辺見庸

これも今日図書館に返却する本。


眼の探索

眼の探索


1997年から98年にかけて朝日新聞読書欄に連載された辺見庸の文章をまとめたもの。

その中から、「六月二十五日」(216-219頁)の冒頭部分を引用する。

 六月二十五日、翌日に迫ったワールドカップ・サッカーの日本対ジャマイカ戦にお金を賭けた。友人たちの多くが日本の勝ちと読んだが、配当のぐっと上がる1-3で日本の負けを私は選んだ。

この書き出しのあと、サッカーのワールドカップの「あわよくば初勝利」に日本国民が浮かれる日、しかも同じ時期にはクリントン夫妻*1の訪中や参議院選挙の公示も重なっている、そんな日を3人の確定死刑囚の死刑執行の日に選んだのではないか、というのが文章の主題だが、そうした文章の本論とは別に、少し前に騒がれたプロ野球チームの賭け事を思い出した。

あれも、話が途中から高校野球の優勝校を賭けたりとか、試合中の円陣で発声した選手が、その試合に勝つと金を受け取れるとか、そんな話に逸れていっていつのまにか読売球団の選手と「反社会的勢力」とのかかわりの追及がうやむやになってしまった。読売は別に出場停止処分を食うこともなく、現在セ・リーグの首位を走っている。

それってなんだかおかしくないか。小悪の追及にまでしゃかりきになって、巨悪を取り逃がしてはいないか。月並みだがそういうことを思ったのだった。

なお、私も80年代末頃、当時務めていた会社で、「高校野球トトカルチョ」に参加したことがある。

*1:当時夫のビル・クリントン米大統領だった。この1998年にクリントンは、モニカ・ルインスキー嬢との不倫が露見して支持率が急落するやアフガンを空爆するという蛮行に走り、あろうことか米国民はそれに大統領支持率の急上昇で応えたことがあった。私がクリントンの野蛮さに激怒し、米国民の民度の低さに呆れたことはいうまでもない。