ネットを見ていると、都知事選の動向を理解していないのかどうか、猪瀬直樹による「自民都連のドン」批判のインタビューを引用している「リベラル」のブログがあった。私の見るところ、猪瀬は都知事選で先頭を走っているといわれる極右新自由主義の候補の援護射撃をしてるのであって、ブログ主はそんな猪瀬に加担でもするつもりかと呆れてしまった。
今はやはり「『右』も『左』もな」く、誰もが極右候補者となびく流れに警鐘を鳴らすべき時だろう。
左翼の一部の支持も集める平成の四王天延孝、女性元閣僚【東京都知事選挙】 : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)
東京都知事選挙の世論調査で、自民党籍のまま無所属で出馬した女性元閣僚が一歩リードとのことです。
そして、民進党はもちろん、共産党支持層にも食い込んでいるというデータがあります。
この女性元閣僚は「ネトウヨ」(ヘイトスピーチ組織)の方々からも絶大な支援を受けています。
第二次世界大戦時中も「ネトウヨ」的な候補が、「ネトウヨ」的な方々と「左翼」双方から馬鹿ウケしたことがあります。翼賛選挙の東京5区で出馬し全国一の得票をしたユダヤ人差別主義の四王天延孝(しおうてん・のぶたか)中将です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/四王天延孝
当時は、軍国主義者を左翼の一部も「革新」だと持ち上げていました。冒頭にもご紹介したように、東京都知事選挙で、野党四党の宇都宮先生への「仕打ち」に反発する勢い余って女性元閣僚支持という左翼の方も少なくないと推測される世論調査結果です。
既成政党にムカツクお気持ちはわかる。
が、だからといってネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す女性元閣僚を推すのは、四王天延孝中将を持ち上げた戦時中の左翼に類する行為だと思います。
再考を伏してお願いします。
以下は昨日書いたことの繰り返し。
共同通信に毎日・TBS、フジサンケイの2つのグループが協力した世論調査によると、民進支持層の6割近くが「元ジャーナリスト」に投票すると答えているものの、約2割が「ネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す元女性閣僚」に投票すると答えている。だが、もともと新自由主義への志向が強い人たちをも抱える民進支持層の場合は驚くに当たらない。
驚くべきは、共産支持層でも「元ジャーナリスト」に投票すると答えたのは6割近くで、3割近くが「ネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す元女性閣僚」に投票すると答えていたことだ。後者の支持層全体に占める比率は、なんと民進支持層を上回る。
http://www.sankei.com/politics/photos/160718/plt1607180007-p1.html
都知事選の選挙戦が始まった頃から、今回の選挙では共産党が支持者を十分グリップできていないな、とは感じていた。そんな状況に接したことはこれまでの人生で一度もなかったので驚いたものだ。しかし、まさかそれが「ネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す元女性閣僚」への投票に雪崩を打とうとの流れにまで発展していようとは、想像を絶していた。おそらく、「いっそ、×××××にでも投票しようか」と言い出した人間が誰かいて、それがたいした抵抗もなく受け入れられていくうちに無視できない流れになりでもしたのだろうが(昔、「喜八」氏が「『右』も『左』もない、オレは『下』や!」をキャッチフレーズにして、極右政治家である城内実や平沼赳夫の応援を始めてから、城内・平沼両氏をネットの「リベラル」ブロガーの多くが応援するようになるまでの経緯がそんな感じだった)、その惨状は目を覆うばかりだ。もちろんそこには「既成政党のしがらみのない」とかいう「ネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す元女性閣僚」のでっち上げられた虚像も影響しているのだろうが。
これは絶対に見過ごせない状況である。
当該の「共産支持層の3割近く」は、「(笑劇としてかもしれないが)繰り返される(負の)歴史」の愚挙に加担しようとしていると言っても過言ではない。まさしく括弧付きの「左翼」だ。
「元ジャーナリスト」や「民進と手を組んだ支持政党の行動」が気に食わないなら、棄権するなり白票を投じるなり泡沫候補に投票するなりの選択肢がいくらでもあるはずだ。それがよりにもよって「ネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す元女性閣僚」に投票したいとはいったい何事か。
都知事選は今のところ、「リベラル」と「左翼」のアシストを得て、「ネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す元女性閣僚」が首位を走っているといった状況ではないか。
せめて今のプロ野球・セリーグの読売球団程度の位置にまで(ヤクルトや阪神の位置に、とまでは言わないが)「ネトウヨ=ヘイトスピーチ組織が推す元女性閣僚」を後退させる必要があろうかと思う今日この頃だ。