kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日本シリーズ、日本ハム王手・バース2勝で阪神のバースを思い出した

日本シリーズの第3〜5戦は、いずれも試合の終盤しかテレビ観戦できなかった、第3戦は広島が2対1とリードした7回裏の日本ハムの攻撃中、第4戦は1対1の同点で迎えた7回裏の攻撃中、試合開始が早い上に帰宅がやや遅れた昨夜の第5戦は、1対1の同点で迎えた9回裏の日本ハムの攻撃中、一死無走者で田中賢介のカウント3-2から見た。3試合とも試合のクライマックスの場面だけ見たことになる。試合は第3戦と第5戦が日本ハムのサヨナラ勝ち、第4戦が8回に日本ハムが決勝点を挙げて3連勝して10年ぶりの日本シリーズ優勝に王手をかけた。日本ハムは10年前も札幌ドームで中日に3連勝していたが、ナゴヤドームで行われた第2戦にも逆転勝ちしていたので、札幌ドームで4勝1敗として日本一を決めていた。今年はまだマツダスタジアムで試合が残っている。

ここまでの5試合ですべてホームチームが勝つ「内弁慶シリーズ」は2003年の阪神ダイエー戦以来だが、2003年に甲子園で3連勝した阪神も、3戦とも大接戦でいずれも1点差、第3戦と第4戦はサヨナラ勝ちだった。しかし、福岡で行われた第6戦と第7戦にはダイエーが連勝して、「完全内弁慶シリーズ」となった*1。その前の「内弁慶シリーズ」は1979年の広島対近鉄だった。この年は大阪球場で第1,2戦を落とした広島が広島市民球場で3連勝し、大阪球場で第6戦に負けたあと、第7戦も1点リードの9回裏に無死満塁と攻め込まれて、当時マウンドに立っていた救援投手は、試合後に生中継された広島の地元局の祝賀番組に出演して「負けたと思った」と語った*2。そう、あの「江夏の21球」の試合だ。最後の最後の第7戦で「内弁慶シリーズ」は崩れ、広島が初の日本一になった。

第4戦までの「内弁慶シリーズ」なら、直近のそれは2012年の読売対日本ハムだった。日本ハムは第1戦に大敗し、第2戦にあのヘボ投手・澤村拓一に抑え込まれて1対0で負けるという醜態を晒したが、札幌に帰った第3,4戦に連勝した(第3戦は完勝、第4戦はサヨナラ勝ち)。しかし第5戦に大敗すると、東京ドームの第6戦では中田翔が澤村から同点3ランを打ったものの阿部慎之助に決勝打を打たれて負けた。勝った読売の側から見れば○○●●○○のパターンだ。遡ると、1998年の横浜対西武、1954年の中日対西鉄も同じパターンだ。第4戦までの「外弁慶シリーズ」で○○●●○○になった例としては、1982年の西武対中日と1985年の阪神対西武がある。この2つのシリーズでは、優勝チームは本拠地では1勝2敗だったが、敵地で3連勝して敵地で優勝を決めた。

その1985年の日本シリーズで第1戦から3試合連続本塁打を打ったのが、阪神ランディ・バースだった。今回の第3戦で広島のエルドレッドが第1戦から3戦連発したと聞いて思い出したのがバースだった。でも、あの年は3戦目には阪神は負けたんだよなあと思ってたら今年の広島も負けた。しかも第3戦の勝利投手がバースだったことには笑ってしまった。ちなみに、「バス」と表記する方が自然な Bass の登録名を阪神球団が「バース」としたのは、関西のスポーツ紙に「阪神バス、急停車」などと書かれるのを嫌ってのことだったというのは有名な話だ。それならなぜバス(Bus)とは関係ないはずの日本ハムまで登録名を「バース」にしたかというと、元阪神のバースにあやかってのことだった。今年開幕前のシーズンオフにスポニチが書いた、「投げるバース」という見出しが笑わせる(投手なんだから投げるのは当たり前だろ)記事にそのいきさつが書かれている。

ハムに最速159キロ“投げるバース”栗山監督「優勝請負人」― スポニチ Sponichi Annex 野球

ハムに最速159キロ“投げるバース”栗山監督「優勝請負人」

 日本ハムは8日、アンソニー・バース投手(28)との契約が合意に達したと発表した。1年契約で、年俸1億円。背番号は「52」に決定した。大リーグで5年連続20試合登板の実績を持つ新助っ人に、栗山監督は「四球で崩れない。ボールが低めに来る。凄く当たり前のことを当たり前にできる」と評価した。

 何より、名前がいい。指揮官は「関西的にはランディ・バース?優勝請負人だよね」とニヤリ。阪神で2度の3冠王を獲得した最強助っ人バースと同じ名字で、つづりも「BASS」で同じだ。「バス」と発音することもあるが、球団内で協議した結果「バース」で登録することになった。

 昨季はレンジャーズで中継ぎとして自己最多の33試合に登板したバースは、最速159キロの直球に加え、変化球も多彩。栗山監督は昨年11月に獲得したクリス・マーティン投手(29)と競わせ「どっちかを先発にさせる」と、あらゆる可能性を探る方針だ。

 バースは、球団を通じ「日本へ行くという大きな決断の先には、優勝に貢献する以外にありません。必ずみんなで日本の頂点に立ちます」とコメントした。「神様、仏様、バース様」とも呼ばれた「本家バース」は85年に阪神の日本一に大きく貢献。こちらは剛腕投手だが、栗山監督にとっては就任5年目での悲願の日本一へ、果たして「縁起の良い」助っ人となるか。(柳原 直之)

[ 2016年1月9日 05:30 ]

スポーツニッポンより)


シーズン中、特に序盤戦のバースは、「優勝請負人」とはほど遠い投球内容だったし、今でも元阪神のバースとは比べものにならないとはいえ、それでも日本シリーズで2勝した。西川のサヨナラ満塁本塁打は、日本シリーズでは1992年の第1戦の延長12回にヤクルトの杉浦亨が放って以来24年ぶりだった。その試合は私もテレビで見ていたし、12回を3点に抑えていた岡林洋一がやっと報われた試合だったが(もっともその後岡林は0対1と1対2=後者は延長10回=で2試合連続完投負けを喫した)、テレビをみていて思い出したのはなぜかその試合ではなく、1988年8月の終わり頃にNHK総合テレビで見た、甲子園球場で広島の津田が阪神の田尾に打たれたサヨナラ満塁本塁打だった。打たれたのが広島の投手だったり、元阪神のバースのことなどを思い出していたせいだろう。杉浦のあの一発を真っ先に思い出せなかったとは不覚だった。

今年の日本シリーズは確かに面白いけれども、こうして昔の試合ばかり思い出すのは、昔はめちゃくちゃ熱心にプロ野球を見ていたのに、最近はあまり熱心になれないせいもあるのだろう。

さて、さっきアクセス解析を見てたら、一昨日(26日)の17時台にアクセス数が急増していたことに気づいた。日本シリーズ第1戦を中継したTBSと、その中継で言い間違いを連発した同局の初田啓介アナをdisった記事が、シリーズ第4戦を同じTBSが中継した番組の開始が迫るタイミングでアクセスが急増したのだった。

ブログをやっているとこういう現象にはしょっちゅう遭遇する。テレビで話題になっていることや、テレビドラマのモデル(たとえば2012年にTBSで放送されたドラマのモデルになった西山太吉・元毎日新聞記者とその妻=故人=など)を取り上げると、当該のテレビ番組が始まるタイミングでアクセス数が急増するのだ。

こういう現象を見ていると、ネットの影響力など微々たるものでしかない一方、テレビの影響力の破壊力はすさまじいことを思い知らされる。そんなテレビが連日「小池都知事小池都知事」と連発するのだから、『週刊文春』に「自民党の身体検査で『真っ黒』と判定された」と書かれた小池百合子は笑いが止まらないはずだ。テレビさえ味方につければ、「文春砲」も発砲を手控えてくれるからだ。

いかんいかん。不愉快な小池百合子なんかの話は止めて日本シリーズに戻ろう。

広島は2勝3敗と追い込まれたが、第1戦で大谷を打ったこと、打たれた大谷がマツダスタジアムの硬いマウンドが投げにくいような言葉を発していたことなどを考えると、まだまだチャンスはある。

だが、日本ハムには奇策を打つ余地がある。それは、第6戦の先発を大谷ではなく増井にすることだ。大谷対野村で第6戦に仮に負けたとすると、第7戦では大谷を代打でしか使えないが、第6戦の先発を大谷以外にすれば、大谷を代打で使えるほか、マーティンが故障で不在の抑えの切り札にも使えるからだ。たとえば、8回を終わって1点をリードしていたなら、9回表の攻撃で大谷を代打で起用し、その裏に代打の大谷が投手に入る選手交代があり得る。第6戦に負ければもちろん第7戦の先発で、この場合広島の先発は黒田か福井だろうから、大谷がマツダのマウンドが苦手だとはいっても日本ハムに分があると考えるのが自然だろう。一方、第6戦で大谷が負ければ、「二度までも大谷を倒した」広島が「完全内弁慶シリーズ」を完成させる可能性が高いように思う。

もっとも、先ほどネットで調べていたら、第4戦終了時に元西鉄・太平洋・クラウン・西武の東尾修が同様のことを言っていた。

【東尾修大分析 第5戦】ジョンソンで落とせない広島 大谷の起用法に直結のハム― スポニチ Sponichi Annex 野球 より

東尾修大分析 第5戦】ジョンソンで落とせない広島 大谷の起用法に直結のハム

(前略)

 日本ハムは第5戦を獲れば、大谷の起用に融通性が増すのは間違いない。2勝3敗と追い込まれれば第6戦の先発は避けられないし、第7戦もDH制がないため代打待機になるだろう。だが、3勝2敗にすれば第6戦に大谷を先発させる必要はない。クライマックスシリーズ同様に大谷をベンチに入れて勝っている展開なら抑え、負けている展開なら代打起用ができる。もちろん第7戦にもつれ込んだらリアル二刀流での先発だ。9回に宮西がピンチを迎えたように、抑えの不安を大谷で埋めることができる。

(後略)

[ 2016年10月27日 08:55 ]

スポーツニッポンより)

*1:阪神は不調の伊良部を第6戦でシリーズ2度目の先発に選んだ阪神監督・星野仙一の選手起用ミスが致命傷となった。

*2:数年前、YouTubeにアップされた当該番組の映像を見た。