kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

清水潔『桶川ストーカー殺人事件―遺言』(新潮文庫)読了

田中刑事という男子フィギュアスケート選手がいる。親はひでぇ名前をつけたもんだなあと思ってネット検索をかけると、田中選手は倉敷の出身で、親は「正義感の強い子に育ってほしい」という思いを込めて命名したのだそうだ。この言葉から思い出したのが、昨年のプロ野球ドラフト会議でもっとも注目され、多数の球団の競合の末、工藤公康が当たりくじを引き当てた福岡ソフトバンクホークスの田中正義(せいぎ)投手を連想したことはいうまでもない。

私は、「まさよし」ならともかく「せいぎ」と読ませる名前をつけた田中正義投手の親にも正直言って感心しないが、田中刑事選手の親には、一体何考えてるんだよ!と言いたい。というのは、「刑」という字を検索語にしてGoogle検索をかけると、筆頭に下記が表示されるからだ。

けい
〗 ケイ ギョウ(ギヤウ)

1.
《名・造》しおきする。罪を責めて罰を与える。首をきる。殺す。
「刑が重い」

2.
法(のり)。のっとる。
「天刑・典刑」

いくらなんでも、こんな字を子どもの名前につけるのはあんまりだろう。もちろん田中刑事選手本人には何の罪もないが。

「刑事」なら良いじゃないか(田中選手のあだ名は子ども時代から「デカ」らしい。子どもの頃には「がきデカ」と呼ばれていたに違いないと思うのは私だけだろうか。いや田中選手の世代なら知らないかそんなの)、と思われる向きもおられるかもしれないが、下記の清水潔の本を読めば、「刑事=悪」としか思えないこと請け合いだ。


桶川ストーカー殺人事件―遺言 (新潮文庫)

桶川ストーカー殺人事件―遺言 (新潮文庫)


「文庫X」こと『殺人犯はそこにいる』があまりにも凄い本だったのでこの本も読んだが、しまった、今までこの本を知らなかったとはと舌打ちするとともに、この本を読まずに死ななくて良かったと思った。もちろんこの感想は「文庫X」についても同じだ(少し前に書いた通り)。

この本に告発された上尾署(及び埼玉県警)の悪行の数々を読むと、誰しも「刑事=悪」としか思えないだろう。刑事たちは犯人たちとグルになって被害者の猪野詩織さんを殺したも同然だ。この事件をきっかけにストーカー規制法が制定、施行されたが、警察の体質が全く改まっていないことは、昨年起きた冨田真由さんの刺傷事件からも明らかだ。冨田さんが一命を取り留めて回復したのは不幸中の幸いだったが、万一のことが起きていたら、またも武蔵野署(小金井署も?)は共犯者になるところだった。蛇足だが冨田さんの状態について「植物状態だ」云々(でんでんではない)の嘘の情報を拡散したネットワーカーどもには先日も書いたが腹が立った。

なお、桶川事件に関して、3人の警察官が懲戒免職の処分を受けた。その実名はネットで暴かれているが、これまたトカゲの尻尾切りを助長する悪行だとしか言いようがない。実名を晒すなら、懲戒免職を免れ、かつ告訴状改竄に関与した上尾署及び埼玉県警の人間全員の実名を暴かなければならないと私は思う。

清水潔の本は、あと『「南京事件」を調査せよ』(文藝春秋)も買ってある。このあと松本清張1冊と他の本1冊を並行して読んだあと、読む予定。下記のブログ記事がみつかり、私も読み終えたらそのタイトルと同じ感想を持ちそうだなと思った。ブログ記事の中身はまだ読んでいない(本を読み終えたらブログ記事も読もうと思う)。