kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「国由合併 国民民主の政策踏襲 時期『1カ月以内』 両代表合意」(産経)

 下記は、昨日12年半の生涯を終えた、はてなダイアリー版『kojitakenの日記』に最後にいただいたコメント。

https://kojitaken.hatenablog.com/entry/20190126/1548476744#c1548549275 

 

id:MOkd

国由合併 国民民主の政策踏襲 時期「1カ月以内」 両代表合意
https://www.sankei.com/politics/news/190127/plt1901270001-n1.html

山本太郎の話は大ウソ。
https://blogos.com/article/353279/

 

 ご紹介いただいた産経新聞の記事を以下に引用する。

 

国由合併 国民民主の政策踏襲 時期「1カ月以内」 両代表合意

 

 合併を目指す国民民主党玉木雄一郎自由党小沢一郎両代表が、合流後の新党の政策について国民民主党が掲げる政策を踏襲する方針で合意したことが分かった。合併の時期は「1カ月以内」を目指すことで一致した。複数の関係者が26日、明らかにした。

 関係者によると、玉木、小沢両氏は24日夜、東京都内の日本料理店で会談し、今後の合併交渉の進め方などを協議した。玉木氏は「国民民主党の基本政策は維持したい」との意向を伝え、小沢氏も受け入れた。会談には玉木、小沢両氏と親交がある亀井静香元金融担当相が同席した。1カ月以内の合併を目指す合意は、これに先立つ国会内での会談で交わした。

 両党は原発や消費税をめぐり主張の隔たりがある。国民民主党原発再稼働を限定的に認めているのに対し、自由党は反対の立場をとる。10月の消費税率引き上げに関しては、国民民主党は軽減税率導入に批判を向け、自由党増税そのものに反対している。

 特に、国民民主党を支援する電力系労組には原発政策がぶれることへの警戒感が強く、玉木氏は、従来の政策を堅持しなければ党内に混乱を招くと判断した。

 国民民主党は「2030年代原発ゼロ」、自由党は「脱原発」をそれぞれ掲げており、今後の党首間交渉で文言のすり合わせなどを行い、最終合意を目指す。連合関係者は「『原発に依存しない社会』などの表現で決着するのではないか」との見通しを示した。

産経新聞より)

 

 まあ産経の記事ではあるのだが、受け入れ元(国民民主党)の政策を丸のみする手口が、2003年の民由合流の時にもみられた「小沢流」であるだけにありそうな話だと思わせる。

 民由合流後の小沢は、旧自由党時代のタカ派新自由主義的な政策を一変させて「国民の生活が第一」をスローガンに掲げ、日教組など労組の支援を受け、党内でも旧社会党系とつるむという「転向」を遂げた。そのことが「リベラル・左派」層に多数の「小沢信者」を生み出したのだが、小沢の「転向」は自己の勢力を増すための手段に過ぎなかった。小沢のもともとの理想は「保守二大政党制」だったのだ。

 それを思えば、国民民主党(民民)の政策を丸のみして同党に潜り込もうとする小沢には、政界引退が遠くない自分を「保守政治家」として終わらせたい気持ちでもあるのではないかと思われる。

 2014年頃の小沢には、配下の国会議員を民主党(当時)や日本維新の会(同)に送り込んで、自らの政治人生の幕引きを図るかのような気配があった。

 しかし、2015年に共産党を誑かすのに成功して以来*1、小沢は積極的に仕掛けて政界をかき回すかつての姿を取り戻したように見える。

 一昨年の「希望の党」設立劇にも、小沢は深く関与した。これは欲の皮を突っ張らせて独裁女王になろうとした小池百合子に小沢が切られる形となり、その結果希望の党は小沢ともども小池に切られた立憲民主党希望の党が票を奪われて衆院選に惨敗するなどして小沢の大失敗に終わったが、昨年の沖縄県知事選では配下の玉城デニーが圧勝して、久々の「金星」をあげた。

 そして今回。小沢は、政治人生の最後に自らの宿願だった「保守二大政党制」への道筋を作って終わりたいのではないか。だから、長年にわたって自らの衛星政党として奉仕してくれた社民党をいとも簡単に切り捨てた。

 この小沢の仕掛けに、立憲民主党(立民)が数合わせで対抗しようとしているが、これは愚かで非常に危ないことだと思う。

 たとえば立憲民主党を「数合わせだ」と批判した小沢に、菅直人がブログで反論すると、菅のツイートをめぐって、かつての「小沢・反小沢」の激しい抗争を思い出させる両陣営からの罵倒合戦が繰り広げられた。

 私は、鳩山由紀夫退陣のあとを受けた2010年6月の民主党代表選で、菅直人前原誠司野田佳彦といった民主党内右派の支援を受け、一方小沢が「社民党にも理解を得られる候補を」と言った舌の根も乾かないうちに右翼にして新自由主義者樽床伸二を担いで「右対右」の対立構造にしてしまったことが、民主党政権が瓦解して安倍政権を復活させた元凶だと考えている。安倍政権成立について「小沢信者」や立民支持者(「枝野信者」あるいは「立民信者」)らには野田佳彦のせいだとする者が多いが、野田は小沢と菅と鳩山の「民主党トロイカ」のとばっちりを受けたに過ぎない。元凶はトロイカだったのだ。そのトロイカの小沢と菅が罵り合いを再現することは、旧民主党系各党(立民、民民+自由)から民心を離反させるだけだろう。

 立民についていえば、さらに危ないと思ったのは、たとえば藤田幸久のような、9.11陰謀論者にして、民主党政権時代に尖閣に上陸したことがある極右というどうしようもなく低劣な参院議員(今年の参院選で改選予定)が民民に離党届、立民に入党届をそれぞれに出したのに対して、立民が入党を認めたと報じられていることだ。これに至っては、やっていることが小沢や民民と何も変わらない。たとえば自由党には、さすがに国会議員ではないけれども「日本のこころ」から移籍してきた鈴木麻理子のような極右がいるが、藤田幸久を入党させるようでは、立民にも自由党を笑う資格は全くなくなる。

 一番腹が立つのは、立憲民主党の支持者たちがそんな党のあり方を全然批判しないことだ。これでは「草の根民主主義」の名が泣く。

 そんなことをしているから、山梨県知事選では立民と国民がともに推薦した候補が自民党内抗争によって一部では苦戦が予想されていた長崎幸太郎に惨敗したのだ。同じ「何でもあり」でも二階俊博は勝利し、立民や民民や小沢は惨敗する。この違いは大きい。

 今年の参院選は、旧民主党系野党の内紛によって安倍自民党が「漁夫の利」を得る恐れが強まってきた。この旧民主党系の惨状は、安倍に衆参両院選挙を行わせるインセンティブをさらに強めている。

*1:2015年に始まった「野党共闘」は、表向きSEALDsを媒介しているかに見せかけてはいたものの、実態は共産党系学者と昔から小沢に近かった山口二郎のような学者を介した共産党と小沢との野合だった。私はある時期からそう考えるようになった。